« 大阪の暑さ | トップページ | デイヴィッド・ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 「ベートーヴェン交響曲全集」 »

2006年7月17日 (月)

祇園囃子幻想

祇園囃子幻想

写真はKYOTO RECORDSから発売されている「祇園囃子」のCDジャケット。

祇園祭といえば、宵々々山、宵々山、宵山、山鉾巡行などが連想されますが、祇園祭そのものは、7月の間中続きます。そしてその間、商店街では、このCDに収録された祇園囃子がスピーカーから流れています。そして勿論、宵々々山から宵山にかけては、四条通近辺で本物の祇園囃子が鳴り響きますし、山鉾巡行の日は、祇園囃子とともに山や鉾が動いていきます。

私は京都に移住したのは2002年のことですが、その年の夏、街の至る所から祇園囃子が流れてくるのを聴いて、異界に迷い込んでしまったような、目の前に違う現実が開けているような、そんな思いに駆られました。

祇園囃子は、西洋の音楽とは全く異なる霊感に満ちています。それは私の頭の中に見たこともない別世界を作り出します。

もともと幻想小説は好きで、エドガー・アラン・ポーやギ・ド・モーパッサン、内田百閒、泉鏡花の小説などを愛読していたのですが、祇園囃子の響きが形作る世界には、彼らの小説に通ずるものがあるように思います。

祇園囃子を聴くと、私の意識は別世界に飛びます。そこには生もなく死もなく、人の姿さえもなく、幾万の風車(かざぐるま)が風に歌い、風鈴の音が時間を凍らせています。寂しい世界です。しかし寂しいながらもそこには懐かしさがあります。

なぜ私がそんな世界を思い浮かべるのかは自分でも良くわからないのですが、おそらくこれまでの人生で経験してきた様々な光景が渾然一体となり、そうした幻想へと収斂されていくのでしょう。そして祇園囃子はその幻想を開く鍵の一つなのです。

|

« 大阪の暑さ | トップページ | デイヴィッド・ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 「ベートーヴェン交響曲全集」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/40048/10973535

この記事へのトラックバック一覧です: 祇園囃子幻想:

« 大阪の暑さ | トップページ | デイヴィッド・ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 「ベートーヴェン交響曲全集」 »