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2006年7月27日 (木)

90年代、中国で最も流行ったスラング(俗語)は「酷」だろう。この「酷」、字だけ見て意味がわかる人は、少なくとも中国語を学んだことのない日本人の中にはいないはずだ。

実は「酷」は北京語(より正確に言うと普通話)で、「ku(クー)」と発音し、英語の“cool(クールだ、格好いい)”の音訳なのだ。

だから「非常酷(フェイチャン・クー)」と言われたら、「とっても格好いいね」という意味なので、「酷い(ひどい)とは何だ!」と勘違いして怒ってはいけません。

「酷」は、もちろん中華圏の映画のセリフにも登場する。例えば陳凱歌監督の中国映画『北京バイオリン』にも「酷」は登場するが、一番最初に私が「酷」というセリフを耳にしたのは、94年製作の香港映画『恋する惑星』(原題:『重慶森林』。王家衛監督作品)においてだと思う。この映画の中では金城武演じる若い刑事の村上春樹風のモノローグが多用されるのだが(王家衛監督は村上春樹のファン、俗に言う「ハルキ族」で、『重慶森林』というタイトルも村上春樹の『ノルウェイの森』を真似てつけたということだ)、その中に、「我是酷的男人」(僕はクールな男だ)という北京語のセリフがある。最初は英語で“cool”と言っているのだと思っていたが、DVDで見直すと、やはり「酷」を用いていることがわかった。

余談だが、『恋する惑星』の金城武のセリフには、「三浦友和ぶっ殺す!」というものがあり、かなり笑えるセリフになっているのだが、それはもちろん前段階があってこのセリフが出てくるから笑えるのであって、「三浦友和ぶっ殺す!」というセリフそのものに笑う人がいたら、その人は酷い(ひどい、むごい)人だろう。

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