よくわからない歌詞(2) 「京都の恋」
渚ゆう子の代表曲に「京都の恋」という歌がある。“♪風の噂を信じて 今日からは~”という歌詞で始まる、京都を歌った曲としては最も有名なものの一つだ(もともとはベンチャーズのインストゥルメンタル曲で、それに林春生が歌詞を載せたもの)。
この歌には、何度も「白い京都」という言葉が出てくる。ところで「白い京都」とは何なのだろうか?
単純に考えると雪が積もった京都である。しかしこういう歌詞が出てくる。
“白い京都に雨が降る”
雪の京都に雨が降るのだろうか。あり得なくはないが、そうなると余り意味のない歌詞になってしまう。
あるいは「白い京都」は雪が積もった現実の風景で、「雨が降る」というのは心象風景なのだろうか(「京都の恋」は渚ゆう子の歌がほとんどそうであるように失恋ソングである)。もちろん雨は涙のメタファーである。
しかし失恋ということを考えると、「白い京都」は、失恋の痛手で京都の風景が目に入らないということを示しているとも考えられる。
また、“恋によごれた女は明日から 白い京都の片隅に 想い出を捨てるの”という歌詞を読むと、恋を汚れと感じた女がその汚れを纏った街を離れ、(よく知らない場所という意味で)処女地である京都を訪れたため、「汚れていない=白い京都」という発想になるのかも知れない。
しかしこれらはいずれも仮説に過ぎず、「白い京都」が本当は何を示しているのはよくわからない。わからない方が神秘的でイメージが膨らむので、或いはわからない方が良いのかも知れないが。
※後記 「白い京都」とは靄や霧がかかった京都のことではないか、という記述のあるサイトを見つけた。1970年前後の京都を舞台にした小説の一部なのだが、当時の京都では、「靄や霧で真っ白」という光景が良く見られたという。
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