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2006年12月11日 (月)

Nさんのこと

明治大学の夜間部で学んだことで、年の離れたおじいさんやおばあさんと同等の学生として学ぶという貴重な体験を得ることが出来た。

Nさんは定年退職後に明治大学の特別入試を受けて史学地理学科に入学し、日本の古代史を専攻するおじいさんだった。私は史学地理学科ではなく文学科の文芸学専攻で日本の近現代文学とシェイクスピアなどの戯曲を主に研究(というほど大したものではないが)していたので、2年生まではNさんのことを知らなかったのだが、3年生の時に中国語の特設クラスでNさんと一緒になったのだ。Nさんは非常に熱心なおじいさん学生で、彼の姿を見て感化され、私も熱心に勉強に励んだものだ。

日本では高校卒業後すぐに大学に入学するか、大学に進むための準備を続けるのが当たり前とされている。しかし、Nさんのことを知って、そういった直線的な大学進学が当然とされる風潮が逆に妙に思えるようになったのだ。

江戸時代の藩校には卒業という観念がなかったものが多いという。学問が必要と思う限り何歳になっても学び続け、学ぶより大事なことがあると思ったときに藩校や学問所を離れればいいということだったようだ。水戸藩の藩校であった弘道館を訪れた時に私はそれを知ったのだが、何歳になっても学ぼうと思うNさんの姿と弘道館の在り方に学問というものに対する一つの理想を見出したような気がしたのだ。
「学問に終わりはない」。そんな当たり前のことは私はNさんに教わったのである。

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