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2006年12月 9日 (土)

必然的孤独の肖像 ビル・エヴァンス 「自己との対話」

ビル・エヴァンス 「自己との対話」 おすすめCDのカテゴリーに新たにジャズのCD紹介を加えました。第1弾はビル・エヴァンスのソロアルバム「自己との対話」(ヴァーヴ)です。

知的な白人ジャズピアニストとして名声の高かったビル・エヴァンスですが、もともと黒人の音楽であるジャズで成功を収めただけに、黒人からの逆差別や、白人からも「黒人の音楽を白人がやるなんて」と白眼視されるなど、精神的に追いつめれ、麻薬に溺れるようになります。更に元妻や実の兄が自殺するなどの精神的ショックが重なることで、麻薬の使用量が増え、オーバードース(麻薬の致死量を超える使用)が原因で亡くなっています。

「自己との対話」はタイトルからして内省的ですが、ソロアルバムでありながら多重録音を使用して、自己が奏でた旋律に自己がピアノで応えるという、内面を向いた音楽であり、自己の音楽に自己しか応えないという孤独な音楽でもあります。ビル・エヴァンスは敢えて孤独感を表出することで、現代の都市社会とそこに住む人々の必然的孤独の肖像を描いて見せます。

ビルの友人であり、優秀なジャズマンでありながら、若くして亡くなったソニー・クラーク(Sonny.CLARK)への追悼曲「N.Y.C's No Lark」(Sonny.CLARKのアナグラム)の憂愁が特に印象的です。

Bill Evans (piano)/Conversations With Myself: +2: 自己との対話

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