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2006年12月12日 (火)

観劇公演パンフレット(4) 加藤健一事務所 「コミック・ポテンシャル」

加藤健一事務所 「コミック・ポテンシャル」 加藤健一事務所が2004年に上演した「コミック・ポテンシャル」のパンフレットを紹介します。
2004年8月14日に京都府立府民ホールALTIで購入したもの。

「コミック・ポテンシャル」は、イギリスの劇作家アラン・エイクボーンの作、小田島恒志の日本語訳、加藤健一の演出によって上演されました。
出演は、加藤健一、加藤忍、細見大輔(演劇集団キャラメルボックス)、平栗あつみ(演劇集団「円」)、小田豊、古坂るみ子(文学座)ほか。

舞台は近未来。アンドロイドと人間が共存する社会。過酷なスケジュールをこなす職業であるテレビ俳優は全てアンドロイドが務めるようになっています。アンドロイドはディレクターの指示通りに動くだけ、感情も何もなく、演技が終わると活動を停止させられます。しかし、ジェシーという名の女優アンドロイド(加藤忍)が何故か感情を持ってしまい、そのジェシーにアダム・トレインスミス(細見大輔)が恋をしてしまったものだからさあ大変、駆け落ちのような形でスタジオを出たジェシーとアダムをディレクターのチャンドラー(加藤健一)らが追うことになります。

ちなみに加藤健一は、韓国ドラマ「冬のソナタ」の主題歌「最初から今まで」をオープニング音楽として使い、劇中にも「サン様だかヨン様だか知らないが」というセリフを入れて、当時の異様なまでの冬ソナブームを茶化していました。

「コミック・ポテンシャル」の感想

府立府民ホールALTIで加藤健一事務所の「コミック・ポテンシャル」を観る。加藤健一事務所(カトケン事務所)はほぼ毎回京都に来て、質の高い翻訳劇を上演してくれる非常にありがたい劇団だ。今回の作品はイギリスの劇作家アラン・エイクボーンの作。翻訳はおなじみ小田島恒志。先日観たレイ・クーニーの「パパと呼ばないで!(パパ・アイ・ラヴ・ユー)」もそうだったが英国の劇というのは台本が非常に緻密で巧妙だ。それでいて分かり易い。本当にエンターテイメントしている。
演出は加藤健一だが、NHKでやっている某隣国の人気ドラマの異常人気ぶりをこけにしたりしている。いいぞ、そうでなくちゃ。
映画「ブレードランナー」(リドリー・スコット監督、ハリソン・フォード主演。原作はフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』)に出てくるような意志を持ったアンドロイド(レプリカント)や人工臓器やマイクロチップに頼って生きる人間が出て来るサイバーパンクを思わせる近未来が舞台の作品。ただサイバーパンクは主題ではない。物語はむしろ古典的な「ロミオとジュリエット」路線だ。
ラストでジェシーが戻ってくる。もちろん戻ってこなければ話にならないわけで、それは当然予想されることなのだが、予想できるがゆえにホッとする。これはスリラーではないのだ。妙にひねった結末は必要ない。物語の展開は意外性に富み、冒頭からは予想できないところに行き着くわけだが、最後は落ち着くべき所に落ち着く。見事なハッピーエンド。
笑える作品だ。イギリス喜劇は面白い。みんなこぞってロンドンに留学したがる訳がわかる。

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