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2007年3月18日 (日)

観劇感想精選(4) 「ブルックリン・ボーイ」

2007年1月5日 兵庫県西宮市の兵庫県立芸術文化センター中ホールにて観劇。パンフレットも欲しかったが販売されておらず。

西宮市にある兵庫県立芸術文化センター中ホールで、「ブルックリン・ボーイ」を観る。ドナルド・マーグリーズ作、平川大作:日本語訳、グレッグ・デール演出。浅野和之主演。共演は織本順吉、神野三鈴、阿知波悟美、今拓哉、月影瞳、石田圭祐。

売れないユダヤ系小説家エリック・ワイス(浅野和之)は、4年がかりで完成させた自伝的小説「ブルックリン・ボーイ」が全米ベストセラーの11位にランクされることを知る。しかし良いことばかりではない。父親のマニー(織本順吉)は重い病気で入院中であり、死期が迫っている。
エリックの妻・ニーナ(神野三鈴)も売れない小説家であるが、夫婦仲はすでに破綻しており、エリックが父親を見舞いにブルックリンに戻ったその日が別れの日であることがすでに決まっていた。
「ブルックリン・ボーイ」の映画化はすでに決定しており、エリックはハリウッドへ。ハリウッドでの朗読会を終えた夜、エリックはアリソンという女の子(月影瞳)をホテルの部屋に誘う。翌日、ハリウッドのエージェント(阿知波悟美)や主演俳優候補(今拓哉)と会うエリック。実はハリウッドについたその日、エリックはある情報を得ていた……。

宣伝チラシには「ハートフル・エンターテインメント・コメディ」と書かれていたが、実際はビターにしてハートフルな大人のための演劇であった。実に良い劇である。
第1幕1時間、途中休憩を挟み、第2幕1時間10分の作品であるが、私は第1幕が終わった時点ですでに感動してしまっていた。
登場人物は7人だが、全編を通じて登場するのはエリック一人だけで、他の人物は1シーンか2シーンに登場するだけである。エリックともう一人による二人芝居(1つだけ三人芝居のシークエンスがある)の連作形式といって良いかもしれない。
生きることの切なさ、悲しさが抑えたタッチで綴られていく。そしてそれにより生きることの素晴らしさがしみじみと伝わってくる。観ているうちに心と体が清浄になるような、そんな作品であった。

「ブルックリン・ボーイ」

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