« これでもかこれでもかの名曲揃い よしだたくろう『元気です。』 | トップページ | 現代日本人の誕生日 »

2007年4月 1日 (日)

観劇感想精選(8) Sunday 「四月のさかな」

2006年11月9日 大阪・梅田のHEPホールにて観劇

大阪・梅田のHEPホールでSundayの「四月のさかな」を観る。作・演出:ウォーリー木下。出演は赤星マサノリ、松尾葵、金替康博、坂口修一ほか。
Sundayの前身は「劇団☆世界一団」。長く活動を休止しており、メンバーは個々に活動していたが、“interlude”と称された2度の予備公演(「心がわりエアポート」、「七人の小人と大事なテーブル」)を挟んで、今回の公演で本格的に活動を再開。団体名も「もはや劇団ではない」でということでSundayに変わった。

「四月のさかな」とはエイプリルフールのこと。エイプリルフール発祥の地であるフランスでは現在も4月1日のことを「四月の魚」という。
「四月のさかな」というタイトルではあるが、物語が始まるのはその丁度半年前の10月1日。海辺の家に住む男(赤星マサノリ)は海岸を歩いていた少女に、幼くして海へと消えた妹の面影を見つけて誘拐する。少女は記憶を失っていた。髪が真っ白であることから男は少女を「灰かぶり(シンデレラに由来することはいうまでもないが直接関係があるわけではない)」と名付け、妹ということにする。灰かぶりも男を兄と慕い、「ニイ(兄)」と呼んでいる。
灰かぶりには、神様(超能力は持っているが、見た目はアロハシャツを着た普通の女性。年清由香)やモグラ男(井田武志)といった常人には見えないキャラクターが見えている。

ニイの家には友人のミキヒサ(小松利昌)がヤヨイ(椎原小百合)という女(実は元男であることが後でわかる)連れて住み着いており、ミキヒサが買い物中に知り合ったキアヌ(西田政彦)をニイの家に連れてきてしまったことから事態はややこしいことになる。更に刑務所を脱走した凶悪犯二人組(坂口修一、平林之英)も辺りをうろついており…。

敢えてジャンル分けをすると「ファンタジー」に含まれる演劇なのだろうが、ジャンルを越えた多様な味わいのある作品である。
ニイによる傍白などはない方が良いと思うが、話の転がし方や小道具の生かし方などが抜群のアイデアと緻密な計算に支えられており、ウォーリー木下の想像力と創造力の豊かさ、そして何より頭の良さに唸らされる。
俳優陣では、MONOの金替康博が、お得意のおとぼけ善人キャラクターで魅力全開。世界一団時代からの看板俳優であるイケメン俳優・赤星マサノリの表現力の高さも素晴らしい。
活動再開第1弾に相応しい順風満帆の船出。優れた舞台であった。

|

« これでもかこれでもかの名曲揃い よしだたくろう『元気です。』 | トップページ | 現代日本人の誕生日 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 観劇感想精選(8) Sunday 「四月のさかな」:

« これでもかこれでもかの名曲揃い よしだたくろう『元気です。』 | トップページ | 現代日本人の誕生日 »