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2007年6月の32件の記事

2007年6月30日 (土)

言い換え語辞典(4) ポジティブシンキング

「ポジティブシンキング」

ネガティブなことは他に押しつける、つまり悪いことは全てひとのせいにする思考体系。バブル期に大いに流行った。

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2007年6月29日 (金)

生誕150年 エルガー 交響曲第2番 湯浅卓雄指揮関西フィルハーモニー管弦楽団第194回定期演奏会

英国が生んだ初の国民的作曲家ともいうべきサー・エドワード・エルガー(1857-1937)。2007年はそのエルガーの生誕150年に当たります。

バロック時代のヘンリー・パーセル以降、これといった大作曲家を生み出せなかったことが大英帝国のコンプレックスでしたが、エルガーの登場により、英国楽壇もようやく誇りを持つことが出来るようになりました。

関西フィルハーモニー管弦楽団第194回定期演奏会 湯浅卓雄指揮 エルガー交響曲第2番

6月28日、午後7時から大阪のザ・シンフォニーホールで、湯浅卓雄指揮による関西フィルハーモニー管弦楽団の第194回定期演奏でエルガーの交響曲第2番が取り上げられました。

1949年、大阪府生まれの湯浅卓雄は、高校卒業後すぐに渡米。シンシナティ大学で作曲を学び、その後オーストリアに移ってウィーン国立音楽大学(ウィーン国立音楽アカデミー)で名教師のハンス・スワロフスキーらに指揮を学んでいます。

NHK交響楽団の名誉指揮者として日本でもおなじみだったロヴロ・フォン・マタチッチのアシスタントを務めながら、主に中欧、東欧で指揮活動を続け、現在はスコットランドに住み、英国を活動の拠点としています。

湯浅と関西フィルはエルガーの交響曲第1番も演奏しており、それも名演でしたが、エルガーの交響曲第2番はそれを上回る名演となりました。

湯浅の凄さは、ホールを揺るがすようなフォルテシモであっても音のバランスが最上に保たれていることで、音を完璧にコントロールする術を身につけていることがわかります。

関西フィルも普段とは明らかにレベルの異なる快演を繰り広げ、エルガーのメモリアルイヤーを飾るに相応しい演奏会となりました。

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2007年6月28日 (木)

夢の中で頬をつねる

夢かどうか確かめるには頬をつねってみるといいと言われます。「痛くなければ夢だ」と。

しかし、私の場合、夢の中で頬をつねることは全く意味がありません。以前にも書きましたが、私の見る夢は非常にリアルなので、痛みもきちんと感じてしまうのです(夢の中でも痛みを感じるという人は案外多いと思うのですが)。というわけで、それが夢かどうか確かめるすべは、「目覚めるか否か」しかないのでした。

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2007年6月27日 (水)

一目惚れ

世の中にはしょっちゅう一目惚れしている人もいるようですが、私自身は一目惚れの経験は一度しかありません。

「一目惚れした相手とその後どうなったか」という統計がアメリカにはあるようですが、それによると半数近くは結婚まで行き着くそうです。統計というのは案外いい加減なのでこの結果を信用して良いものなのかどうなのか疑問ですが(しょっちゅう一目惚れしている人はどうなるのでしょう。あるいはしょっちゅう一目惚れしている人は結果的に何人目かの一目惚れした相手とくっつくので「一目惚れは結婚に結びつきやすい」という結論に大いに貢献しているのかも知れません)。

私自身の一目惚れの結果がどうなったかは置くとして、その相手が美人だったかというと、客観的に言って「そうでもない」というのが不思議です。

東京の繁華街を注意して歩いていると、タレントになっても不思議でないほどの美人と30分に1度の割合ですれ違います。テレビの撮影現場に出くわすことも多く、綺麗な女優さんを見て感心した後で、近くのコンビニに入ったら、そこのレジの女の子の方が女優さんより綺麗だったということもありました(東京には美人が溢れています。美人と結婚したい男性は東京に行きましょう。実際に結婚出来るかどうかはあなた次第ですが)。

しかし美人だから一目惚れするというわけでは私の場合ないようです。世の多くの男性同様、私も美人は好きなんですけどね。

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2007年6月25日 (月)

ポップな香港映画の嚆矢 『恋する惑星』

王家衛(ウォン・カーウァイ)監督の『恋する惑星』を紹介します。1994年制作、1995年日本公開。私はロードショー時に、東京の銀座テアトル西友(現:銀座テアトルシネマ)に通って何度も観ています。

『恋する惑星』DVDジャケット

上がDVDジャケット。現在、DVDで出ているものは王家衛監督が編集し直した香港版でこれが最終決定版です。ただ日本でロードショーされた時はDVDに収録されたものより8分ほど長いインターナショナルバージョンでした。

下にあるのが銀座テアトル西友で買った、映画のパンフレットです。

映画『恋する惑星』パンフレット表紙はDVDジャケットと全く同じ写真が使われているので、裏表紙をスキャンしてみました。
映画パンフレットというと大して内容のないものも多いのですが、『恋する惑星』のパンフレットは、日本語版シナリオも収録されており、読み応え十分です。

王家衛監督が注目を集めたのは、レスリー・チャンらが出演した『欲望の翼』(1990年制作)ですが、世界的な評価を勝ち得たのが本作品『恋する惑星』。原題は『重慶森林』。重慶とは中国の重慶市ではなく、香港にある重慶大廈(チョンキンマンション)のこと。映画にも出てきますが、インド系移民が多く住んでおり、一種の無法地帯と化している香港で最も危険な場所の一つです。この映画は重慶マンション一帯を舞台にしていますが、当然ながら撮影許可は下りなかったため、ほぼ全編無許可のゲリラ撮影が敢行されました。

また『重慶森林』は村上春樹の小説『ノルウェイの森』に影響されたタイトルでもあります。1990年代、香港では村上春樹の小説がブームとなり、村上春樹の小説の登場人物のような話し方をする若者が増えたこともありました(村上春樹の小説のファンや村上春樹に影響を受けた若者はハルキ族と呼ばれた。王家衛監督も自他共に認めるハルキ族の一人である)。この映画でも、金城武やトニー・レオンが思いっきり村上春樹風のモノローグを語っています。

出演:金城武、ブリジット・リン、フェイ・ウォン、トニー・レオンほか。撮影:クリストファー・ドイル(杜可風)ほか。

一瞬の恋を描いた前編と、奇妙な女と鈍い男を描いた後編から成る連作。「恋愛映画」の既成概念を覆す斬新な一本です。

Movie/恋する惑星(Rmt)

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2007年6月24日 (日)

観劇感想精選(14) 「もとの黙阿弥 浅草七軒界隈」

2005年9月6日 京都・四条南座にて観劇

四条南座で、井上ひさし:作、木村光一:演出による、「もとの黙阿弥 浅草七軒界隈」を観る。天井桟敷(別名:大向こう)での鑑賞。
出演は、筒井道隆、田畑智子、高畑淳子、辻萬長、池端慎之介、柳家花緑、横山めぐみ、村田雄浩ほか。
井上ひさし版「間違いの喜劇」とも言うべき作品。

明治20年の浅草。閉鎖になっている劇場、大和座が舞台。よその劇場の演目(河竹黙阿弥の作品)のパクリばかりを上演し続けたため、警視庁により閉鎖されてしまった大和座の座頭・坂東飛鶴(高畑淳子)は、日舞、漢文、三味線、西洋舞踏などを教えて生計を立てている。
そこへ、河辺隆次男爵(筒井道隆)が、後日開催される鹿鳴館での舞踏会の席でお見合いすることになったので、西洋舞踏(つまりダンス)を教えて欲しいと言ってくる。ところが同じ日にお見合いの相手である、武器商・長崎屋の一人娘お琴(田畑智子)もダンスを習いたいと飛鶴のもとに。男爵とお見合いするので、彼の人となりをこっそり観察したいと、女中のお繁(横山めぐみ)と身分を入れ替えることを企んでいるというお琴。しかし河辺男爵も全く同じことを考えており、住み込みの書生である久松(柳家花緑)を男爵に仕立て、自分は入れ替わって久松を演じていた。
ダンスレッスンの当日、ニセの男爵、ニセのお嬢さん、ニセの書生、ニセの女中によるお見合いが始まってしまったことから、事態はこんがらがり始め…。

井上ひさし一流の大嘘だらけの喜劇。展開は読めるのだが、それでも笑える。途中、劇中劇を挟み、軽歌劇あり、歌舞伎と新劇の一騎打ちのシーンがあり、音楽あり、で実に賑やかで楽しいエンターテインメントに仕上がっている。新劇寄りの台本なので、説明過多の部分もあるのだが、別にいいじゃないか。もともとこの本は大衆向けに「役者を見せる」ために書かれた本なのだから(初演時のキャストは、河辺男爵:片岡孝夫(現・片岡仁左右衛門)、お琴:大竹しのぶ、お繁:水谷良重(現・水谷八重子)、等々豪華な顔ぶれであった)。
筒井道隆は例によって素朴さを生かし、世間知らずの男爵を等身大で描いてみせる。
田端智子は仕草や声が可憐。彼女は京都出身であり、客席から「智ちゃん!」と声が掛かる。
結末は不思議で哀しいものなのだが、悲劇という感じはせず、むしろ来るべき未来を生きることへの力強い意志が漲っている。

Photo_6

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街の想い出(13) 神田・御茶ノ水界隈その5 矢口書店

街の想い出(13) 神田・御茶ノ水界隈 矢口書店

神田神保町の書店街、靖国通り沿いにある矢口書店。映画・演劇専門の古書店です。以前紹介した音楽専門の古書店・古賀書店のお隣にあります。 ここで良く買ったのは「キネマ旬報」のバックナンバー。古い映画のシナリオなども買っていました。演劇関連書の方はたまに買う程度でしたが、絶版になった戯曲なども多く揃っていたので勉強になりました。

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2007年6月23日 (土)

天気予報ブログパーツを設置しました

右側バーに天気予報のブログパーツを設置しました。日本各地の天気予報を知ることが出来ます。

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2007年6月22日 (金)

矢口史靖×鈴木卓爾 「ONE PIECE」春コレクション

東京造形大学の同期生である矢口史靖(やぐち・しのぶ)監督と鈴木卓爾監督が手がけたショートフィルム集、「ONE PIECE」春コレクションのDVDを紹介します。

家庭用ビデオカメラを使った、ワンカット、長回しを基本とし、アフレコも編集もなしという超低予算短編映画集。

ショートフィルム集「ONE PIECE」春コレクション

1994年から1998年にかけて撮られた作品集。出演は、自主制作映画の帝王こと田中要次(愛称:BOBAさん)、自主制作映画の女王こと唯野未歩子(ただの・みあこ。DVDジャケットの写真に写っているのが彼女です)、相川直(現在の芸名は猫田直)、女優としては駆け出しだった頃の西田尚美ほか。

親友が自分に対する悪口を言っているのを聞いてしまう「女友達」(矢口史靖監督)、あの世からのメッセージが届く「地獄のおじいさん」(鈴木卓爾監督)、妙な面接を描いた「バニー」(矢口史靖監督)、わずか36秒の「ベアー」(矢口史靖監督)、監督が次々に登場する「演出×出演」(鈴木卓爾監督)、プロポーズを描いた「春のバカ。」(矢口史靖監督)など14作品を収録。

おまけとして矢口史靖監督の13分の短編「バードウォッチング」も収められています。

大笑いではなく、クスリと笑えるショートフィルム集。気楽に撮られたものが多いので、本格的な映画が好きな人には不向き。実験映像やショートフィルムが好きな方にはお薦め。自分でも映像作品を作っている人は必見のDVDです。

「ONE PIECE」DVDには秋コレクションもありますが、それは後日紹介します。

矢口史靖×鈴木卓爾 「ONE PIECE 春コレクション」(HMV) icon

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2007年6月20日 (水)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮 幻想交響曲

現代を代表する指揮者の一人、パーヴォ・ヤルヴィの指揮したベルリオーズの幻想交響曲のCDを紹介します。パーヴォ・ヤルヴィが音楽監督を務めているシンシナティ交響楽団の演奏ですが、録音そのものはパーヴォがシンシナティ響の音楽監督に就任する以前に行われています。TELARCレーベルからの発売。

パーヴォ・ヤルヴィ指揮シンシナティ交響楽団 ベルリオーズ「幻想交響曲」 世界的な指揮者ネーメ・ヤルヴィの長男として、1962年、当時はソ連に属していたエストニアの首都タリンに生まれたパーヴォ・ヤルヴィは、タリン音楽院に学んだ後、一家と共にアメリカに移住、カーティス音楽院で指揮を学び、その後もレナード・バーンスタインやユージン・オーマンディ、そしてなぜかエンリケ・バティスなどにも師事しています。

バーミンガム市交響楽団の首席客演指揮者だった時代に、バーミンガム市響の音楽監督であったサー・サイモン・ラトルから多大な影響を受け、指揮者としてのスタイルも父親のネーメ・ヤルヴィよりもラトルにより似ています。

パーヴォの持ち味は、オーケストラの各楽器を程よくブレンドさせる品の良さと、指揮能力の高さから生まれるオーケストラを鳴らす術と抜群のコントロール能力、演出の巧さにあります。

幻想交響曲では、シンシナティ交響楽団から輝かしい音を引き出し、洗練されていながら迫力にも欠けないという理想的な演奏を聴かせてくれます。

第5楽章(最終楽章)にクライマックスを設定し、そこまでは徒な盛り上がりを避けて音の艶やかさをより重視するという丹念な設計に、指揮者としての抜群のセンスを感じます。

ベルリオーズはフランスの作曲家、シンシナティ交響楽団はアメリカのオーケストラですが、フランス的でもアメリカ的でもなく、幻想交響曲という曲の普遍性を追求した演奏として、高く評価したいCDです。

ベルリオーズ/Symphonie Fantastique: P.jarvi / Cincinnati.so

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2007年6月19日 (火)

blog「鴨東記」1周年です

blog「鴨東記」を始めて1年が経ちました。毎日更新は出来ませんでしたが、投稿数では1日1投稿ペースを上回れたのが良かったと思います。良かったのかな?

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2007年6月18日 (月)

知り合う前よりもっと他人

互いの息づかいが聞こえるほど近くにいたけれど、

僕らは知り合う前よりもっと他人だった。

意識していないということを意識しないよう

心に化粧を施すけれど、

それはレモンのしずくのように

却って傷にひんやり浸みた。

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観劇感想精選(13) 「ウィー・トーマス」(再演)

2006年6月24日 大阪・茶屋町のシアター・ドラマシティにて観劇

大阪のシアター・ドラマシティで、長塚圭史演出の舞台「ウィー・トーマス」を観る。作:マーティン・マクドナー、翻訳:目黒条。出演は、木村祐一、高岡蒼甫、岡本綾、少路勇介、堀部圭亮ほか。

アイルランド西部の小島・イニシュモア島が舞台である。

かって島一番のならず者であり、現在はIRA(アイルランド共和国軍)から分離独立したINLA(アイルランド独立解放軍)に所属し、北アイルランドにいるパドレイク(高岡蒼甫)の愛猫「ウィー・トーマス」が死んでしまう。デイヴィー(少路勇介)はウィー・トーマスの死体を、パドレイクの父親であるダニー(木村祐一)のところまで持ってくる。「道を歩いていたらウィー・トーマスが死んでいるのを見つけた」とデイヴィーは言うが、ダニーは「お前が自転車で轢き殺したんだろう」と言いがかりをつける。
とにかくパドレイクは異常なほどウィー・トーマスを可愛がっており、ウィー・トーマスが死んだことを知ったら、デイヴィーも、そしてパドレイクからウィー・トーマスの世話を頼まれていたダニーもただでは済まない。しかし、もうパドレイクにはウィー・トーマスに異常があったことを電話で知らせてしまっている。
そこで二人は、デイヴィーの妹で、祖国のために戦うことを夢見ているマレード(岡本綾)の飼い猫「サー・ロジャー」を連れてきて、何とかウィー・トーマスに見せかけようとする。一方、INLAのメンバーであるクリスティ(堀部圭亮)らはパドレイクの命を狙っていた。パドレイクが島に帰ることを知ったクリスティはパドレイクを殺る絶好のチャンスだと思い…。

映画のジャンル風に言うと、「ハードゴア・ブラックコメディー」となるのだろうか(ハードゴアとは血が飛び散るような残酷映画のこと)。人を殺すことを何とも思わないパドレイクが猫の死に心を痛めるという設定は可笑しく、一方で不気味でもある。
舞台上で4人が殺され、そのうち2人の死体がバラバラにされるなど過激な芝居。だが、実は彼らが殺される必要は全くなかったことがラストでわかる。猫死にならぬ犬死にである。

背景として北アイルランド紛争があり、そこでの殺し合いもウィー・トーマスを巡る一連の騒動同様、無意味な死が繰り返されているだけだという強烈なメッセージと皮肉が込められているようだが、視覚的過激さ(血が飛び散り、リアルな死体人形が切り刻まれる)ゆえに、またアイルランドから遠い日本での上演であるゆえに、その深刻なアイロニーは後退を余儀なくされている。ただ、シニカルな痛切さに迫真性がないのは致し方ないだろう。アイルランドの問題は当事者以外には真の実感など持てないのだから。

祖国愛だ何だと言って殺し合いをしても、結局それは自己満足でしかなく、どこへも行けないし、繋がらない。それどころか無意味な殺戮が循環的に永遠に繰り返されるだけで馬鹿げている。
劇の設定は「非現実」的で奇妙であるが、それゆえに「現実」世界の人間の愚かしさが強調されていた。

戯曲『ウィー・トーマス』表紙
戯曲『ウィー・トーマス』表紙

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新川和江詩集 『わたしを束ねないで』

新川和江(1929- )の書いた詩を、「女の一生」をテーマに編んだ詩集『わたしを束ねないで』を紹介します。童話屋という出版社から出ているもの。

新川和江 『わたしを束ねないで』 茨城県結城市に生まれ、結城高等女学校在学中から詩作を開始、西条八十などに師事した新川和江。優しさに満ちた分かり易い言葉で、世界を再編、若しくは激変させてみせる詩人です。

学校の教科書などにも採用されている表題作を始め、代表作の一つである「比喩でなく」、我が子への激烈な愛を感じさせる「赤ちゃんに寄す」、詩への思いを綴った「母音」、「さういう星が…」、「お米を量る時は…」、「足の悪い子供が…」など、女性的な優しさと強さと儚さを兼ね備えたしなやかな言葉の数々を備えた詩が、読むものの心に水のようにそっと満ちてきて、渦潮のように激しく独自の世界へと引き込んでいきます。

一見強靱に見える現実社会の前に疲れたときに、手を伸ばして欲しい詩集です。

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2007年6月17日 (日)

「帰ってきた時効警察」オリジナル・サウンドトラック+

「帰ってきた時効警察」オリジナル・サウンドトラック+ 先日、好評の内に放送を終えた「帰ってきた時効警察」ですが、今回はそのオリジナル・サウンドトラックに、「時効警察」シリーズの生みの親ともいうべき三木聡がこれまでに手がけた映画やテレビドラマ、コントバラエティなどの音楽(作曲はいずれも坂口修)、さらには三日月しずか(麻生久美子)が劇中で歌った、「しゃくなげの花」と「月見そば」(いずれも犬山イヌコの作詞作曲)、「たべもの」(作詞:犬山イヌコ、作曲:犬山イヌコとKERA)の3曲を収録したCDを紹介します。CD2枚組3000円。

熊本課長(岩松了)が伝道師として広めようとしたプクーちゃんというキャラクターのテーマ音楽「プクーちゃんのテーマ」(そのまんまじゃないか)など、一般的なサウンドトラック盤なら落とされそうな曲が普通に入っているのが笑えます。

更に可笑しいのが、三日月しずかのデビュー盤(?)ともいうべきボーナスCD。三日月しずかこと麻生久美子の反則技ともいうべき声音のチェンジ、そして素っ頓狂な歌詞とメロディーであるにも関わらず、麻生久美子の歌が妙に上手いのも却って笑いを誘います。

三日月クンのナルシスティックな表情を写したCDジャケットも収録。これはあくまでCDを買った人のための特典と解釈しているので、ここでお見せできないのが残念です。

おまけの情報ですが、オダギリジョーの主演、麻生久美子がヒロインを務め、岩松了が脚本・監督を手がける映画が作られます。『たみおのしあわせ(旧タイトル『そして夏がきた』)』というタイトルで、2008年夏の公開予定。6月クランクインとありますから、丁度今頃撮影しているはずです。

Tv Soundtrack/帰ってきた時効警察

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2007年6月16日 (土)

これまでに観た映画より(2) 「レッド・バイオリン」

DVDで映画を観る。カナダ・イタリア・オーストリア・イギリス・中国合作の「レッド・バイオリン」。フランソワ・ジラール監督作品。音楽は現代アメリカを代表する作曲家ジョン・コリリアーノ。バイオリン演奏はジョシュア・ベル。伴奏はエサ=ペッカ・サロネン指揮のフィルハーモニア管弦楽団。
1681年、イタリア・クレモナ。名バイオリン職人のニコロ・ブソッティ(カルロ・セッチ)は芸術品以外の何ものでもないバイオリンを製作する。彼の妻、アンナが生むはずの子供にそのバイオリンを捧げ、音楽家にするつもりであった。しかしアンナは難産のため死去。子供も死産であった。絶望に苛まれたニコロは、子供に捧げるはずだったバイオリンに赤い物質を加えた特別なニスを塗る。
こうして出来上がったレッド・バイオリンは数奇な運命をたどることになる。

芸術指向の強い作品である。完成度も高く、特に音楽好きには面白い映画だろう。設定そのものは特に目新しくなく、というよりありがちなのだが、バイオリンという楽器の持つ魔力の援護を得て、説得力を出すことに成功している。

カナダ、アメリカ、オーストリア、ドイツ、フランス、イギリス、中国の俳優が出演。撮影も、クレモナ、ウィーン、オックスフォード、上海、モントリオールなど世界各地で行われた。

時代と場所が次々に飛ぶが(メインは1990年代、カナダ・モントリオールのオークション会場)、わかりにくいということはない。文革期の上海も舞台になっているのだが、いわゆる西洋音楽が排斥された場所と時代を選んだことで奥行きが出ている。

芸術し過ぎてしまっていること、その割りに俗な展開があること、また赤いニスの正体にすぐに察しがつくこと、などを瑕疵と感じる人もいるだろう。芸術映画至上主義の人にも、芸術映画が苦手な人にも積極的には薦めない。芸術映画としてはかなりわかりやすい部類に入るので、それを中途半端と感じるかどうかがこの映画の評価を分けるだろう。ちなみに私は「好き」と感じる側である。

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「のだめカンタービレ」ブログパーツを設定しました

「のだめカンタービレ」のブログパーツを新設しました。当ブログの左側バーの一番下にあります。ベートーヴェンの交響曲第7番、モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ」などの試聴が出来ますのでお楽しみ下さい。

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2007年6月14日 (木)

大植英次緊急降板

ザ・シンフォニーホールに、大阪フィルハーモニー交響楽団の第409回定期演奏会を聴きにいったのですが、いや、驚きました。

開演時間になって大阪フィルの事務局の方が登場し、「本日指揮をする予定だった大植英次音楽監督がリハーサル終了直後に体調を崩し、医師の診察を受けた結果、『指揮台に立つのは不可能』との診断が下ったため、フォーレの「レクイエム」の指揮は合唱を担当する大阪フィルハーモニー合唱団の合唱指揮者である三浦宣明氏が務め、ブラームスの交響曲第4番はコンサートマスターの長原幸太のリードによるオーケストラのみの演奏とさせて頂きます。チケットの払い戻しを希望される方は…」という旨の発言があり、客席からざわめきが起こりました。

こうした緊急事態に備えて副指揮者というポストを設けている楽団もありますが、あいにく大阪フィルには副指揮者がいないため、今回のような演奏形式になりました。
ぶっつけ本番とはいえ、三浦宣明(みうら・のりあき)は合唱だけではなくオーケストラの指揮活動も行っており、また現代のプロオーケストラなら指揮者がいなくても合わせることが出来るのが普通。というわけで、演奏自体はこれといったハプニングも生じることなく終わりましたが、ブラームスの交響曲第4番は、本来指揮者がいるべき指揮台に誰もいない状態での演奏、それに曲が曲、ということもあり、聴いていてひどく寂しくなり、何故か脂汗までかいてしまいました。

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好きな短歌(22)

鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな 与謝野晶子

鎌倉は高徳院の大仏を詠んだ歌です。大仏を美男と呼ぶ斬新さが光ります。
しかし残念なのは鎌倉の大仏は釈迦牟尼ではなくて阿弥陀如来なのですね。与謝野晶子の勘違いとされています。かといって、「鎌倉や御仏なれど阿弥陀様 美男におはす夏木立かな」ではクオリティが下がる気もします。

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2007年6月12日 (火)

犬も京都じゃ暑気にあたる

犬も京都じゃ暑気にあたる 昼寝で暑さを紛らわす犬

暑い京都の夏。まだ初夏ですが、京都市の気温は30℃に達しています。

他の地域でも夏になると犬は日陰で休みますが、京都の場合は、日陰もまた暑いので(風や空気自体が熱気を帯びている)昼寝をして暑さをやり過ごす犬の多いこと多いこと。

街を歩いていると、ここでもあそこでも飼い犬は寝ています。これほど多くの犬が眠りこけている街は夏の京都以外には存在しないのではないでしょうか。

「犬も京都じゃ暑気にあたる」です(「犬も暑けりゃ暑気にあたる」の方が語呂がいいのですが、「暑い」と「暑気」はかぶるので「京都じゃ」にしました。こちらの方が正確でもあるので)。

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2007年6月11日 (月)

JR千葉駅前のジューススタンド

JR千葉駅前のジューススタンド

ジューススタンドは好きで、関西に来てからは京阪電鉄のジューサーバーをよく利用するのですが、関東にいる頃はJR千葉駅前とJR新宿駅のジューススタンドによく行きました。
写真は、JR千葉駅前のジューススタンド。先月千葉に帰った際に久しぶりに行ってみると、シンプルなジュースはなくなっていて、値段も少し上がっていました。残念。

ミックスでなくて、レモンやパイナップルなどのシンプルな果汁飲料が好きなのですが、そういったものは減って、複数の果汁を合わせたジュースが増えています。京阪のジューサーバーも例外ではありません。それが時代の流れなのでしょうか。

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2007年6月10日 (日)

事件と違い「時効警察」に時効はないと言っても過言ではないのだ 「時効警察」DVDボックス

先日、好評のうちに全9回の放送を終えた「帰ってきた時警察」。その「帰ってきた時警察」のDVDは9月に発売されるようですが、ここでは前回、2006年の1月から3月にかけて放送された、「時警察」のDVDボックスを紹介します。DVD5巻組。

「時効警察」DVDBOX・ジャケット

「最近のドラマはバラエティ番組に負けている」という危機感から、オダギリジョーが制作会議段階から参加して作り上げたという「時効警察」。テレビ朝日系・金曜ナイトドラマの先輩である「トリック」や、深田恭子がとぼけた刑事を演じて話題になった「富豪刑事」に繋がるところもある、小ネタ満載、ギャグ大盛りの異色推理ドラマです。

主演:オダギリジョー、麻生久美子。出演は他に、豊原功補、ふせえり、江口のりこ、光石研、緋田康人、岩松了ほか。毎回、有名女優がゲストとして出演します。

脚本・演出にも、第1話、第2話、第9話(最終話)を手がけた三木聡を始め、演劇界で活躍するケラリーノ・サンドロヴィッチ(ケラ)や岩松了(出演もしている)、「自殺サークル」など独自の作風で知られる映像作家の園子温などドラマ畑以外からの人材を迎え、従来のドラマとは違った、「ゆるみ系」を目指しています。

総武警察署・時効管理課に勤務する霧山修一朗(オダギリジョー)が、時効になった事件を趣味で解決するという物語。1話完結、全9話。

第1話、第3話、第8話が放送時にカットされた部分も収録した特別版になっているほか、特典映像として、オダギリジョーと麻生久美子による「各話解説対談」も収録。映画を主な活動の場にしているため、余り知ることの出来ない麻生久美子の素の部分を見ることも出来ます(私は以前、麻生久美子さんが主演された「贅沢な骨」という映画(行定勲監督)の舞台挨拶を見にテアトル新宿まで出かけたことがあるのですが、上映前の舞台挨拶を終えて退場する時に客席から握手を求められ、「握手、握手」とはしゃぎながら観客と次々に握手をし、「アハハハハ」と豪快な笑い声をあげながら去っていく麻生さんの姿がとても印象的でした。その豪快な「アハハ」笑いはこの特典映像にもたっぷり収められています。麻生久美子という人は三日月しずか以上にハイテンションな人のようです)。

時効警察

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2007年6月 9日 (土)

シベリウスの年に(9) アンソニー・コリンズ指揮ロンドン交響楽団 「シベリウス交響曲全集」

アンソニー・コリンズ指揮ロンドン交響楽団 「シベリウス交響曲全集」 1950年代に録音された、アンソニー・コリンズ指揮ロンドン交響楽団による「シベリウス交響曲全集」(DECCA)を紹介します。モノラル録音ですが、録音の優秀さで知られたDECCAだけに音は生々しく、録音にこだわる人でなければ不満は感じないと思います。

不満を感じるとしたらむしろ当時のロンドン交響楽団の技術で、管が不安定だったり、全体の音が揃わない場面が多く聴かれます。

シベリウス存命中の録音であり、リリース以来名盤の一つに数えられてきたコリンズ指揮ロンドン響盤ですが、その後リリースされた多くの名盤の陰に隠れる形となって、日本ではCD化が進まず、シベリウス没後50年に当たる今年になってようやく国内盤CDが発売されました。

さて、演奏ですが、ブリザードに巻き込まれたかのような激しい音の風圧を感じさせる交響曲第1番、大仰でない絶望と諦観の音楽世界を再現した交響曲第4番、地味ながらしっとりとした味わいを持つ交響曲第6番などが特に優れた出来。
他の曲も全て一定の水準に達しています。

20世紀半ばまでのシベリウス演奏は、現在に比べるとかなり激しいものが多く、シベリウスの交響曲を情熱的に解釈する指揮者が多かったことが窺われます。アンソニー・コリンズの指揮もまた「荒ぶるシベリウス」で、曲そのものに語らせようとする現代的なシベリウスとは別物ですが、シベリウスがまだ生きていた時代に録音された名盤として、多くの人に聴いて貰いたい全集です。

シベリウス/Comp.symphonies: A.collins / Lso

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2007年6月 8日 (金)

観世榮夫死去

私の演劇の師の一人である能楽師、演出家、俳優の観世榮夫(かんぜ・ひでお)が大腸癌で死去した。79歳。1927年生まれだから満80歳に僅かに届かなかったことになる。

能楽の祖・観阿弥の末裔で、能楽の家である観世銕之丞家に生まれたが、喜多流に転じ、「喜多流の人間が観世を名乗っていたんじゃ具合が悪い」というので後藤家の養子に入り、後藤榮夫を名乗っていたこともある。

一時、能楽協会を脱退して、現代演劇の演出家として活躍。その後、能楽協会に復帰し、能楽と現代演劇の両方で活躍することになる。

演出家としての観世は癇癪持ちでしょっちゅう怒っていた。ただ私が演技を教わっていた時には、観世はすでに70代で発音は明瞭さを失っており、怒っているのはわかるが、何を言っているのかよくわからないこともあった。

実はお母上は2002年までご存命であった。ある日、観世の稽古が終わり、観世が帰った後で舞台研究室のKさんから、「観世さんのお母様が今朝亡くなられた」という報告を受けた。一刻も早く自宅のある東京に戻りたかったはずなのに、京都で我々の稽古に付き合ってくれた。プロであった。

若い頃は三島由紀夫と親交を結んでおり、私が観世の演出を受けたのも三島由紀夫の作である『近代能楽集』より「綾の鼓」であった。

「綾の鼓」は劇中で鼓の音が鳴る場面があるのだが、その鼓は観世が舞台裏で鳴らすことになっていた。だがゲネプロの時、鼓の音が響かない。何と観世は居眠りしていたという。高齢であり、東京の自宅から毎週京都まで通っていたこともあって体力、気力ともに十分でなかったのだろう。その時は笑い話で済んだが、その居眠り癖が、最近、悲劇を生むことにもなった。

その観世爺さんも逝ってしまった。また寂しくなるな。

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2007年6月 6日 (水)

21時40分発の通勤特急

21時40分発の通勤特急

阪急電鉄は停車駅の数で電車の種類を決めています。ダイヤ改正により、かっての快速特急が通勤特急となりました。それゆえ、通勤時間帯でも帰宅ラッシュの時間帯でもない21時40分発の通勤特急があったりします。

また、同じくダイヤ改正により、阪急京都線では、かっての急行が廃されましたが、快速急行はそのまま残され、かっての急行より停車駅の多い準急が設けられたので、急行はないのに準急はあるという妙な状況になっています。

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2007年6月 5日 (火)

はしかみたいなもの

「はしかみたいなもの」という言葉がありました。はしかというのは誰もが罹ってすぐ治るものだという認識から生まれた慣用句です。一時的なものごとを例えるのに使われました。

「反抗期なんてはしかみたいなもの」、「初恋なんてはしかみたいなもの」、「ナショナリズムなんてはしかみたいなもの」といったように。

私も幼児の時にはしかに罹っています。私の世代はほとんどの人が子供の頃にはしかに罹っていたはずです。

しかし、1978年にはしかの予防接種が始まって、「はしかみたいなもの」という言葉も認識も変わっていたのですね。

大人のはしかが流行って、「はしかみたいなもの」という慣用句が死語と化すのか、あるいは言葉の定義が変わるのか。

いずれにせよ「はしかみたいなもの」は、昔とは違う言葉になりそうです。

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観劇公演パンフレット(12) 東京セレソンデラックス 「あいあい傘」

東京セレソンデラックスは、宅間孝行が1997年に旗揚げした劇団。結成当時の劇団名は東京セレソンで、2001年に宅間孝行が「サタケミキオ」名義で脚本と演出も手がけるようになってから、東京セレソンデラックスにパワーアップ(?)しました。

東京セレソンデラックス 「あいあい傘」公演パンフレット

パンフレットはサイズが大きいので、スキャナ台に入り切りませんでした。というわけで、上と左右が切れてしまっています。右下隅にいるのが宅間孝行氏です。ああ、切れてしまっていますね。宅間さんすみません。

宅間孝行は早稲田大学出身ですが、在学中は演劇に興味がなく、早稲田大学が日本で最も演劇の盛んな大学だということも知らなかったそうです。
宅間は元々はミュージシャン志望で、「名前を売るには俳優養成所に入るのが手っ取り早いかな」という理由で演劇の道に入ってきたという異色の人。それだけに彼の演劇には下手に演劇ズレしていない面白さがあります。

「あいあい傘」の感想

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2007年6月 4日 (月)

フルーツ占い[四柱推命モード]

フルーツ占いには様々な種類がありますが、これは四柱推命版。だったら、フルーツ占いではなく普通の四柱推命をやった方がいいだろう、ということになりそうですが、あくまでお遊びなので。

フルーツ占い[四柱推命モード] http://uedaira.com/2/hyper.html

私の結果はレモン。ちなみに私の誕生花もレモンです。関係ないか。

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夜毎の悪夢

「現し世は夢。夜の夢こそまこと」(江戸川乱歩)

このところ毎日のように悪夢を見る。「悪夢は吉夢だ」、「悪夢は最悪の事態への予行演習のようなものだ」、「悪夢は放電のようなもので、精神安定上良いものだ」など、悪夢を肯定する様々な説を見聞きしたけれど、悪夢を見て肩で息をしながら目覚めるというのはどう考えても体に悪い。

私の見る夢はいつも極めてリアルである。目覚めてからもそれが夢であったとしばらくの間は気がつかないほどだ。そうしたリアルな夢を見るというのも体に悪い。

今朝見た夢は、悪夢といってもそう深刻な内容ではなかったけれど、時折深刻な悪夢も見る。それが正夢になったことがないのが幸いだが、深刻な悪夢を見るということは、それ自体が「正夢同等」若しくはそれ以上なのかも知れず、意識への影響は大きい。

私はこう考える。

悪夢は見ないに越したことはない。それが人生にプラスになる悪夢だったとしても。

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2007年6月 3日 (日)

繋がっていること

大切なのは繋がっていることで完全に独立することではない。完全な独立など不可能である。また完全な独立が達成されたとしても、それには「完全な独立が達成された」という意外の意味はほとんどない。

自分以外に関心のない人は、「完全な独立」を夢見がちだ。そんなことは無理なのに。

我々は緩やかに繋がり緩やかに独立する。集合的に、山脈のように、同じ流れの中に、「個」として。

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2007年6月 2日 (土)

坂本龍一の映画音楽デビュー作 「戦場のメリークリスマス」オリジナル・サウンドトラック

「ラストエンペラー」の音楽でアカデミー作曲賞を日本人として初めて受賞した坂本龍一。そんな坂本が初めて手がけた映画音楽が、自らも主演した、大島渚監督作品「戦場のメリークリスマス(英語タイトル:MERRY CHRISTMAS,Mr.LAWRENCE)」でした。
今もクリスマスシーズンになると流れる名曲です。

「戦場のメリークリスマス(MERRY CHRISTMAS,Mr.LAWRENCE)」オリジナル・サウンドトラック 輸入盤ジャケット 国内盤も出ていますが、左にあるのは輸入盤のジャケット。坂本龍一とデヴィッド・ボウイの似顔絵が描かれています。

坂本はボウイが出演するので、自らも俳優としてのオファーを受けたようです。

坂本は映画音楽の作曲はこれが初めてだったので、プロデューサーのジェレミー・トーマスに相談したところ、「『市民ケーン』を参考にしろ」と言われたそうです。

坂本は試写を観たジェレミー・トーマスから、“Not good,but great”と言われたと、後に自慢しています。

アジア・太平洋戦争下、インドネシアにある捕虜収容所が舞台の映画。

東南アジアが舞台ということで坂本はペンタトニックを用い、それでいながら「東洋的」とも「西洋的」とも、また「日本的」ともつかない、独特の音楽を生み出しています。

テーマ曲の抒情美、街の音をサンプリングした「バタビア(ジャカルタの別名)」の臨場感、「Last Regret」の哀切さ、ボーイソプラノによる「Ride,Ride,Ride」(これは坂本の作曲ではなくスコットランド民謡のようです。編曲は坂本)の瑞々しさなど、映画「戦場のメリークリスマス」を観たことがない人でも十分に楽しめる音楽作品に仕上がっています。

坂本龍一

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2007年6月 1日 (金)

これまでに観た映画より(1) 「息子のまなざし」

DVDで映画「息子のまなざし」を観る。ジャン=ピエール・ダルデンヌとリュック・ダルデンヌの兄弟による監督作品。オリヴィエ・グルメ主演。ベルギー&フランス合作。

ベルギー。職業訓練所で木工を教えるオリヴィエ(オリヴィエ・グルメ。役名は同じだが、オリヴィエ・グルメ本人を演じているわけではない)。かっては家庭を持っていたが、息子が少年の手に掛かって殺されてからは離婚し、今は一人で暮らしている。ある日、オリヴィエの下に前妻のマガリがやってくる。再婚が決まったという知らせ。子供も出来たという。

そんな折り、職業訓練所にフランシスという少年が入所する。オリヴィエの木工クラスに入ってきたこのフランシスこそ、5年前にオリヴィエの息子を殺害した犯人だった。オリヴィエはそのことをマガリに知らせ、二人でかっての悪夢を思い出すのだった…

まがう事なき秀作である。秀作中の秀作と、いくら絶賛してもまだ足りないほどに素晴らしい。

オリヴィエ・グルメの抑えた演技。そしてフランシスを演じるモリガン・マリンヌの孤独を湛えた眼差し。

カメラワークは独特で、ほとんどずっとオリヴィエの顔を撮り続けている。あるいはカメラこそが「息子のまなざし」なのか、とも思ったが、どうやらそうではないようだ。「息子のまなざし」とはオリヴィエの中にある息子のまなざしなのである。息子が生きていて、今、自分を見ていたらどう思うか、という客観的で内面的なまなざし。

オリヴィエもフランシスも無表情で、何を考えているかわからない。だがおそらく本人達も気持ちの整理が上手くつけられず、自分が何をどうしたいのかわからないのだろう。そういった戸惑いが無表情であるが故に──まるで能面のように──雄弁に語られる。

セリフは極端に少ないが、いずれも洗練されていて、「良いセリフ」のお手本のようである。そして、語られない部分が多いが故に、観る者は想像力を駆り立てられるのである。

本当に真摯に誠実に作られた名作であり、是非多くの人に観て貰いたい。

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