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2007年8月の29件の記事

2007年8月31日 (金)

言い換え語辞典(7) 主義

「主義」

多くの場合、ろくでもないことを正当化するための用語。

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2007年8月30日 (木)

観劇感想精選(17) 「ディファイルド」

2004年11月30日 大阪・茶屋町のシアター・ドラマシティにて観劇

シアター・ドラマシティで、大沢たかおと長塚京三の二人芝居「ディファイルド」を観る。
シアタードラマシティに来るのは久しぶり。入り口付近には大沢たかおファンと思われる若い女性がずらりと並ぶ。

「ディファイルド」はエミー賞作家、リー・カルチェイムの手によるもの。2000年にアメリカ初演。初演の時に刑事役を演じたのは「刑事コロンボ」でおなじみのピーター・フォークだそうだ。

図書館員ハリー(大沢たかお)は蔵書検索コンピューター導入に反対、爆弾を片手に立て籠もる。刑事(長塚京三)が説得に訪れるのだが……。

とにかくセリフが多い。「図書館が云々」という説明ぜりふも多数。日本人でこんなに喋る人は明石家さんまぐらいだろう。アメリカ産の作品という気がする。大沢たかおはかなりの早口。発音はいいが、たまに聞き取れないこともある。
心理戦は巧みだが、アメリカの話なので、一般の日本人の考えとは異なるところもある。2時間近い話だが、中盤は中だるみ。余計と思わせるエピソードもある。飽きさせずに魅せるのは流石だが。

立て籠もり犯ハリーはなかなかのインテリだ。守るべきものを守れないやるせなさ、自意識の強さがもたらす悲しみが溢れる。
ラストは収まるところに収まるか、と思いきや一転、衝撃的な幕切れとなる。迫力があり、演出(鈴木勝秀が担当)の上手さもあり感心する。

カーテンコールは3回。最後は大沢たかおファンの女性が数多く立ち上がる。

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Yahoo!無料ゲーム 「文学検定クイズ 文学ノススメ」

Yahoo!の無料ゲーム「文学検定クイズ 文学ノススメ」をやってみました。文学に関する知識兼雑学問題。

http://games.yahoo.co.jp/games/flash/quiz_bungaku/

30問、三択形式の出題ですが、私の結果は25問正解の偏差値64。文学部助教授レベル。
文学部を出ていて偏差値64じゃちょっと低いな。まあ、知識問題だからよしとするか。しかし、今は助教授じゃなくて、准教授といういい方になったんじゃなかったっけ、と負け惜しみを言ってみる。

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2007年8月29日 (水)

東京と京都 大学キャンパスの違い

私は大学生活を二度送っています。最初は明治大学で、二度目は京都造形芸術大学で、いずれも卒業しています。

東京にいる頃は当然だと思っていたことが京都ではそうではないということは多々ありますが、京都に来て面白かったのは、大学の建物の一つ一つに凝った名前がついていることです。

明治大学駿河台キャンパスは、記念館(のちにリバティタワーに建て替えられた)を除けば、5号館、6号館、7号館といったように単に建てられた順に番号が振られているだけでしたが(縁起担ぎからか、4号館と9号館、13号館は存在せず。また、10号館、11号館、12号館、14号館以外の建物はキャンパス再開発により現在は消滅)、京都造形芸術大学瓜生山キャンパスは、メインの建物が「人間館」、舞台芸術コースの入っているのが「天心館」(おそらく岡倉天心に由来)、映像スタジオのあるのが「青窓館」といった風に名前がついていました。

京都にある私立大学の多くが、キャンパス内にある建物に名前をつけています。

立命館大学衣笠キャンパスの時計台のある建物は「存心館」。他にも「以学館」や「学而館」など、建物のほぼ全てに名前がついています。

同志社大学今出川校地には重要文化財に指定されている「クラーク記念館」や「有終館」、「ハリス理化学館」などがあり、その他の建物にも「寒梅館」、「啓明館」などの名前がついています。
隣接する同志社女子大学も、国登録有形文化財に指定されている2つの建物、「栄光館」、「ジェームズ館」を始め、全ての建物が独自の名を持っています。

龍谷大学深草キャンパスは、1号館、2号館といったように番号制ですが、「紫英館」、「紫朋館」といったように名前がついている校舎もあります。

京都産業大学や京都外国語大学のように番号のみの校舎しかないところもあるのですが、私立大学に関しては建物に名前をつける習慣のある学校が多数派です。

一方、東京の私立大学は、番号制もしくはアルファベット制(A棟、B棟といったような)の大学が圧倒的。法政大学のように、竣工した年を名前に冠した校舎(「55年館」、「80年館」などがある)を持つ大学もありますが、この場合もネーミングは即物的で、全く凝っていません。

東京の大学では○年生、京都の大学では○回生と、学年の呼び方が違うというのは比較的知られていますが、建物に凝った名前をつけるかどうかというのは案外知られていない違いのようです。

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2007年8月28日 (火)

「レッド・バイオリン」オリジナル・サウンドトラック

本日8月28日は「バイオリンの日」なのだそうです。そこで、ジョン・コリリアーノが作曲した、映画「レッド・バイオリン」のオリジナル・サウンドトラックを紹介します。ソニー・クラシカルの録音&発売。

ジョン・コリリアーノ作曲 「レッド・バイオリン」オリジナル・サウンドトラック イタリアで作られた一挺のヴァイオリンが数奇なる運命をたどる様を描いた、カナダ人映画監督フランソワ・ジラールの「レッド・バイオリン」(カナダ・イタリア・オーストリア・イギリス・中国合作)のための音楽。

ジョン・コリリアーノは、現代アメリカを代表する作曲家。彼自身が同性愛者である(エイズをテーマにした交響曲を書いていたりもします)ということも関係しているのかどうかはわかりませんが、妖美な旋律を書かせたら当代一のメロディーメーカーです。「レッド・バイオリン」の音楽で、2000年度のアカデミー賞作曲賞受賞。

コリリアーノ特有の妖しいメロディーが、ミステリアスな雰囲気と奥行きを作り出しています。

演奏は、エサ=ペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団、ヴァイオリン独奏:ジョシュア・ベル。

ボーナストラックとして、コンサート用の作品である「『レッド・バイオリン』より~ヴァイオリンとオーケストラのためのシャコンヌ」を収録。演奏、音楽ともに充実していてクラシック音楽ファンも楽しめます。

レッド バイオリン/Red Violin

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「私」のいない夢

「私」のいない夢をよく見る。夢の中で私は主人公ではなく、夢の登場人物でもない。私はドラマの視聴者のように、その世界の外にあって、夢の中の見知らぬ人々が繰り広げる様々な出来事を見ている。
10代の頃は、そうした私が出てこない夢をよく見ていたし、最近もたびたび見知らぬ人ばかり出てくる夢の世界に降り立つことがある。

昨日は見知らぬ女性が高所から飛び降りる夢を観た。最近DVDで観た、黒沢清監督の映画「回路」の飛び降り自殺シーンが影響しているのだろうか。
ただ昨日の夢は、私は完全に視座としてのみ存在していたわけではなかった。女性が飛び降りた後、私は自分の背中にコンクリートの存在を感じ、曇った空が見えた。
ああ、今はあの女性に乗り移っているだな、と思った。直後に目覚めた私は、肩で息をしていた。
夏目漱石の『夢十夜』を思わせるような夢であった。

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これまでに観た映画より(8) 黒澤明 「天国と地獄」

DVDで映画「天国と地獄」を観る。黒澤明監督による刑事サスペンス。主演:三船敏郎。刑事役に仲代達矢。犯人役は山崎努。
エド・マクベインの小説を翻案、映画化したもの。横浜を中心に神奈川県内各所が舞台となっている。

会社重役権藤(三船敏郎)の息子が誘拐される、と思いきや実は誘拐されたのは権藤の運転手の息子だった。だが誘拐犯は身代金を渡さなければ子供を殺すと言い張り……。

特急こだま(まだ新幹線ではない)の唯一開く窓を使った酒匂川鉄橋(小田原市内)での身代金のやり取り、モノクロの映像に煙だけが赤く染まって流れる場面(このシーンは映画「踊る大捜査線」でパロディー化されている)、阿片窟として描かれた横浜・黄金町など見所が多く、2時間20分を超える大作ながら一息に見せてしまう。

三船敏郎は世界的な俳優であるが、例えば電話で喋るシーンなど、迫力はあるが巧さは感じられない。俳優の平均的な演技水準は今の方が上だと思う。

横浜の黄金町がとんでもない場所として描かれている。確かに黄金町はいかがわしい街ではあるがこれほど酷くはない。ただ黒澤監督は黄金町を怖れていたそうで、昼間でも決して一人ではこの街を歩かなかったという。後に林海象監督が映画・濱マイク三部作(「我が人生最悪の時」、「遥かな時代の階段を」、「罠」)を黄金町を舞台として撮っているが、これは「天国と地獄」の黄金町の場面にオマージュを捧げたものだろう。

権藤のことを恨む、犯人の医学生・竹内銀次郎を演じる山崎努はこの頃から存在感抜群だ。

全編スリル溢れる構成となっているが、竹内が花屋に入ったという情報を無線で受けた戸倉警部(仲代達矢)が「誰か花を買いに行かせろ」と命令したところ、車で尾行中の刑事から「生憎、花を買いに行きそうな面(をした刑事)がいません」と答えが返ってくるという、客席は大爆笑したであろうシーンも挿入されていて心憎い。

麻薬中毒者の群れの中に菅井きんがいたり、刑事の一人を名古屋章が演じるなど、私のような団塊ジュニア世代にも馴染み深い俳優が紛れているのが面白い。

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2007年8月26日 (日)

シベリウスの年に(12) パーヴォ・ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団 「シベリウス交響曲全集」

パーヴォ・ベルグルンド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団 「シベリウス交響曲全集」 パーヴォ・ベルグルンドが挑んだ3度目の「シベリウス交響曲全集」。
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した2度目の全集は、「決定的名盤」との評価を受けていましたが、ベルグルンドが3度目の「シベリウス交響曲全集」の録音に踏み切ったのは、ヨーロッパ室内管弦楽団の技術の優秀さに感心したためといわれています。

その名もずばりフィンランディアというフィンランドを代表するレーベルへの録音。

ヘルシンキ・フィルとの「シベリウス交響曲全集」が北欧情緒やフィンランドと聞いて人々が思い浮かべるイメージに最も近いものだとすると、ヨーロッパ室内管弦楽団との全集はより普遍的なシベリウス像を描き出しているといえます。

室内編成のオーケストラの良さを生かし、旋律美や楽曲構造を浮かび上がらせるなど、従来のステレオタイプなシベリウス像から一歩踏み出した名盤です。ヨーロッパの外れ、フィンランドのローカルな作曲家としてのシベリウスではなく、全世界を代表する偉大なる交響曲作曲家としてシベリウス像確立に挑んだともいえる全集。それが成功したかどうかの評価は後生に譲るとして、シベリウスの交響曲を語る上で欠かすことの出来ない全集であることは間違いありません。

全曲とも優れた演奏ですが、地味ながらも聴き応えのある交響曲第2番、精霊達の踊る様が見えるような交響曲第3番、祝祭的ムードを大仰になることなく演奏した交響曲第5番、旋律美の強調が印象的な交響曲第6番、リアルな響きと神秘的雰囲気が同居する交響曲第7番などは、いずれも同曲録音のトップを争う出来です。

シベリウス/Comp.symphonies: Berglund / Coe

Sibelius: Symphonies 1-7 / Berglund, Chamber Orchestra of Europe

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シベリウスの年に(11) パーヴォ・ベルグルンド指揮ボーンマス交響楽団 「シベリウス交響曲全集」

シベリウス演奏の第一人者とされる指揮者、パーヴォ・ベルグルンド(1929- )が初めて録音した「シベリウス交響曲全集」を紹介します。1970年代に当時の手兵であったボーンマス交響楽団を振って完成させたもの。EMIの音源。EMIとライセンス契約を結んでいるチェスキーという廉価レーベルから出ています。

ベルグルンド指揮ボーンマス交響楽団 「シベリウス交響曲全集」 チェスキー盤ジャケット 1980年代にヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して、更に1990年代にはヨーロッパ室内管弦楽団を指揮して「シベリウス交響曲全集」を完成しているベルグルンド。

そのベルグルンドの記念すべき第1回目の「シベリウス交響曲全集」であり、ベルグルンドとボーンマス交響楽団の出世盤でもある当全集ですが、ボーンマス響のパワー不足と、ベルグルンドの若さ故に出来は思ったほどではありません。

交響曲第2番と第5番が地味ながら誠実で好感の持てる演奏。
また、交響曲第7番は個性的な演奏で、曲の本質からは離れていますが、ベルグルンドが昔はこういう演奏をしていたということを知る上で貴重です。

値段の安さは魅力ですが、ベルグルンドのシベリウスが聴きたいなら、価格は高くともヘルシンキ・フィル盤かヨーロッパ室内管盤を入手した方が無難でしょう。ボーンマス響盤は人によっては「安物買いの銭失い」と感じるかも知れません。

熱心なシベリウスファンと、若き日のベルグルンドの演奏を知る資料としたい方にのみお薦めです。

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2007年8月24日 (金)

水道水の話

京都の水道水は、夏になると生ぬるく、冬になると冷たくなります。これは決して当たり前のことではありません。

生まれ故郷の千葉市の水道水は、夏になると冷たく、冬になると温かくなります。快適です。

京都市の水道水は、おそらく上水道が余り深くないところを通っているために地表の温度に影響されやすいのでしょう。逆に千葉市の上水道は地下深くを通っているため、地表の影響を受けずに水温が一定であるため、夏には冷たく、冬には温かく感じられるのだと思われます。

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2007年8月23日 (木)

今日か明日か

今更という気も駿河安倍川の餅が気になる東海の道

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2007年8月22日 (水)

夏の甲子園 佐賀北高校優勝

夏の甲子園は佐賀県代表の佐賀北高等学校が、8回裏に一気に5点を奪い、5対4で優勝。広島の名門・広陵高等学校を下した。

佐賀北高校の勝因は、逆転満塁ホームランを放った副島選手や、粘り強いピッチングを繰り広げた久保投手、さらには判官贔屓の観衆の後押しもさることながら、一番は佐賀北ナインの守備の堅さだろう。普通なら抜けて当然の打球を佐賀北高の選手達は次々とグラブに収める。高校野球を見慣れている人ならわかるはずだが、佐賀北高の守備力は驚異的である。その驚異の守備力で、7、8点のリードを奪われて当然のところを4点に抑えた。4点に抑えなければ8回裏のドラマはなかった。

佐賀北高は練習の3分の1を基礎練習に費やすそうだが、基礎を徹底的に固めた守備が勝利に繋がった。野球の名門でない普通の公立校が勝つにはやはり野球の基礎である守備を徹底させるのが一番ということなのだろうか。

佐賀北高校、優勝おめでとう。

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2007年8月21日 (火)

これまでに観た映画より(7) 「ゆれる」

DVDで日本映画「ゆれる」を観る。西川美和:脚本&監督作品。出演は、オダギリジョー、香川照之、真木よう子、伊武雅刀、蟹江敬三、新井浩文ほか。

東京で写真家として成功している猛(たける。オダギリジョー)が母の葬儀のために山梨の実家に戻ってくる。猛の兄・稔(香川照之)は実家のガソリンスタンドを継いでいる。そのガソリンスタンドで働く猛と稔の幼なじみ・智恵子(真木よう子)。稔と親しい智恵子の姿を見て、猛は軽いジェラシーを感じる。その夜、猛は智恵子を家まで送り、一夜を共にする。
翌日、猛と稔と智恵子は三人で渓谷まで出かけた。そして、渓谷に架かる吊り橋から智恵子が転落死する…。

心象風景を徹底して用いるきめ細やかな演出がまず印象的である。「ゆれる」というタイトルは、直接的には吊り橋に由来するのだろうが、人間の心の動き、特に猛と稔の心の揺れを暗に示し、セリフもまた両義的なものが数多く用いられ、観ている者に揺さぶりをかけてくる。
内容的には目新しいものではないかも知れないが、構造や細部の作り方の丁寧さに好感を持った。全て映像で語ってしまうのではなく、ヒントを与えて観客の想像力を信じるスタンスも悪くないと思う。

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観劇感想精選(16) 「妻をめとらば ─晶子と鉄幹─」(2006)

2006年6月22日 大阪・なんばの新歌舞伎座にて観劇

午前11時より、大阪・なんばの新歌舞伎座で「妻をめとらば ─晶子と鉄幹─」を観る。マキノノゾミの「MOTHER─君わらひたまふことなかれ」を原作とし、マキノと鈴木哲也が脚本を再構成。宮田慶子が演出を担当した。
出演は、与謝野晶子に藤山直美、与謝野鉄幹に香川照之、北原白秋に田川陽介、石川啄木に岡本健一、平塚雷鳥(平塚らいてふ)に田中美里、管野須賀子に匠ひびき、平野萬里に山田順大、石川カツ(石川啄木の母)に松金よね子、ほか。

マキノノゾミと鈴木哲也はいずれも小劇場出身(鈴木哲也はマキノノゾミの執筆アシスタントを長く務めた人である)、宮田慶子は新劇から出た演出家であるが、藤山直美が主演ということもあって、スタイルは完全に商業演劇のそれである。

明治42年から大正2年までの与謝野晶子と鉄幹の生活と、北原白秋や石川啄木、平野萬里といった歌人・詩人、のちに小説家となる佐藤春夫、大逆事件で刑死した管野須賀子、婦人参政運動の指導者・平塚雷鳥らとの交流を描く。
BGMを使ったり(結構ベタな音楽を使う)、スライド式舞台を用いたり、子役が6人ぐらい出て来たりと、普段私が観ている芝居とはスタイルが異なるので、最初は劇に入り込むのに少し苦労するが、慣れると芸達者揃いということもあって実に楽しい。藤山直美のアドリブを他の役者がどう受けるのかも見物である。

上演時間は約3時間。途中2度休憩が入る。

俳優では藤山直美よりも、鉄幹を演じた香川照之の方が印象に残る。藤山直美は与謝野晶子というイメージではないし、文学者にも見えない(それが笑えるのだが)。また場慣れしすぎているように見える。それはそれでまた良いのだが。

商業演劇であり、ストーリーよりも役者を楽しむタイプの芝居。脚本も演出も良いが、リアリズムの芝居ではないということもあって、何よりも役者の充実が目を惹く。役者も演技力よりは個性を前面に出すことを重視しており、観客との間に生まれる一体感を楽しんでいるようであった。

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2007年8月19日 (日)

ルイ・アームストロング 『Waht A Wonderful World/この素晴らしき世界』

“サッチモ”のニックネームで親しまれたジャズトランペッター&ヴォーカリストのルイ・アームストロングのソングアルバム『What A Wonderful World/この素晴らしき世界』(DECCA)。

ルイ・アームストロング 『What A Wonderful World/この素晴らしき世界』 表題作の「What A Wonderful World/この素晴らしき世界」を始め、「キャバレー」、「ギヴ・ミー・ユア・キッス」、「ハロー・ブラザー」などを全11曲を収録。録音は1967年と68年にニューヨークとラスヴェガスで行われています。

サッチモはダミ声の持ち主で、歌唱力も高いとは言えませんが、独特の温かな声質と楽しそうな歌い方で聴く者をハッピーにさせるという資質の持ち主でした。

サッチモといえば、トランペッターとしての方が高く評価されていますが、彼の独特のヴォーカルのファンも数多くいます。

ジャズ・ソングというと、「難しそう」だとか、「澄ましてそう」と思っている方もルイ・アームストロングの歌声を聴くとそれまでのイメージが覆るはずです。

Louis Armstrong/What A Wonderful World

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コンサートの記(1) ジョナサン・ノット指揮バンベルク交響楽団来日演奏会2006京都

2006年5月28日 京都コンサートホールにて

京都コンサートホールで、1962年生まれの俊英指揮者であるジョナサン・ノットが音楽監督を務め、「ドイツの中でも最もドイツ的なオーケストラ」と称されるバンベルク交響楽団の来日演奏会がある。

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2007年8月18日 (土)

因経野(インヘルノ)

「ねえ、天国はあるの?」

「わからないな」

「地獄はあるの?」

「あるよ。至る所に、様々なのが」

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美しいとは、「美しいという固定的状態」にあるのではなく、「美しくありたい」という願望と行為の中にあると思われるのです。

そして、「美しくありたい」という目標にある美しさとは、絵葉書的な美しさではなく、絶えず移り変わる美しさであると思います。それは気構えであり、姿勢であり、行動です。

固定的な美を求めよるとする願望は美とは正反対の卑しい願いに陥る可能性があります。それは自己愛であり、権威欲であり、ドグマであり、ある意味怠惰です。

生きるとは常に「過程」です。流動的なものです。過程に美を見いだせないならそれはそれで寂しいことです。

ただ、そう思いながらも私は恐怖もまた感じるわけです。チェーホフの言葉を借ります。
「わたしたちの時代は過ぎてゆく」(『かもめ』より 神西清:訳)

あるいは美意識とは過ぎゆくものへの恐怖が生み出したものなのかも知れません。
権威者が必要以上に固定的な美に拘るのも、恐怖心の裏返しなのでしょうか。

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2007年8月17日 (金)

見過ごされがちなこと

歴史が長ければ、当然ながら負の歴史も長くなる。

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2007年8月16日 (木)

大河ドラマ『風林火山』オリジナル・サウンドトラック

今回紹介するのは、現在放送中のNHK大河ドラマ『風林火山』のオリジナル・サウンドトラックです。作曲は千住三兄妹の次男、千住明。
EMIからの発売です。

大河ドラマ『風林火山』オリジナル・サウンドトラック 高関健(たかせき・けん)指揮NHK交響楽団が演奏するメインテーマは、「これぞ大河ドラマのテーマ曲」というに相応しい、ど真ん中のストレート勝負。武田騎馬軍団の疾走を描いた快速テンポと抜群のリズム感が冴え、トランペットの活躍が聴く者の血を沸かせます。

メインテーマ以外の楽曲を演奏しているのは、マリオ・クレメンツ指揮のワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団。
1936年、チェコに生まれたマリオ・クレメンツは、“チェコのカラヤン”の異名を取ったヴァーツラフ・スメターチェクに師事し、ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝したこともあるという経歴の持ち主ですが、近年は映画音楽と現代音楽の指揮を中心に活躍しています。このCDを聴いた限りでは、ドラマティックに聴かせるツボを心得ているようです。
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団は、ポーランドを代表するオーケストラ。音の彩りが豊かで、それでいて濃すぎないところが『風林火山』の音楽に合っています。

千住明/風林火山

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2007年8月15日 (水)

これまでに観た映画より(6) 「太陽はひとりぼっち」

DVDでイタリア=フランス合作映画「太陽はひとりぼっち」を観る。イタリアの巨匠ミケランジェロ・アントニオーニ監督作品。アラン・ドロン、モニカ・ヴィッティ:主演。モノクロームの映像が美しい。

リカルドという男との恋に敗れたヴォットリア(モニカ・ヴィッティ)と、証券取引所に勤務するピエロ(アラン・ドロン)とが恋に落ちていく様を描いた作品。一応、恋愛映画ということになるのだろうが、甘い雰囲気は感じられず、誰もいない広大な道(心象を表してもいる)を撮したり、各国の核開発競争を話題に絡めたりするなどして、茫漠とした恋路や、終末への不安感を示したりもしている。

ローマが舞台であり、役名を見てもわかるとおりイタリア人の話なのだが、セリフはフランス語。「チャオ」という挨拶のみイタリア語である。妙だが、当時(1962年)はこれが普通だったのだろう。

極端にセリフの少ないヴィットリアとリカルドとの別れの場面に始まり、どうということもなくストーリーは進み、どうということもなく終わってしまうのだが、2時間を超える作品であるにもかかわらず、「気が付いたら終わってしまっていた」と感じられるほど、見せてしまう技術は高い。個人的には好きなタイプの映画である。

ヴィットリオ役のモニカ・ヴィッティは実にチャーミング。アラン・ドロンが放つ男の色気も印象的。

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2007年8月13日 (月)

観劇公演パンフレット(15) 『オケピ!』(初演)

三谷幸喜が初めてミュージカルの脚本を手がけたことで話題になった『オケピ!』の初演時のパンフレットを紹介します。2000年6月に東京の青山劇場で購入したものです。

ミュージカル『オケピ!』初演時パンフレット

オペラやミュージカル上演時にオーケストラが入る場所、オーケストラピット(通称:オケピ)を舞台にしたバックステージ(もっとも、オケピはステージの裏ではなく手前下方にあるのが普通ですが)ミュージカル。

脚本・作詞・演出:三谷幸喜、作曲・音楽監督・指揮:服部隆之。
出演は、真田広之(コンダクター)、松たか子(ハープ)、戸田恵子(ヴァイオリン)、宮地雅子(チェロ)、白井晃(サックス)、小林隆(ヴィオラ)、川平慈英(ギター)、小日向文世(ピアノ)、伊原剛志(トランペット)、北川潤(ファゴット)、山本耕史(パーカッション)、菊池均也(ドラムス)、布施明(オーボエ)。

『オケピ!』は2003年に再演されており、その時は白井晃がコンダクターを、天海祐希がハープ奏者を演じるなど、出演者が変わっています。初演時に白井晃が演じたサックス奏者役は、再演時には相島一之が務めました。

青山劇場の天井桟敷で、3時間立ち見だったのですが、本物のオーケストラピットがよく見えました。そこで服部隆之が指揮をしていたのですが、ステージ上で指揮している真田広之の動きが服部隆之と完全に一致していることにゾッとしたものです。服部隆之が真田の指揮を見ながら指揮しているわけではなく、真田広之が指揮の技術、少なくとも本当の指揮者に見えるだけの技術を完全に身につけていたのでした。「真田広之って本当に凄いよなあ」と感心したのを憶えています。

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2007年8月12日 (日)

読書感想文について

以前、「読書感想文なんて書くな」という主張をしましたが、“読書感想文の書き方”というワードで入ってくる方が多いので、アドバイスをいくつか。

自分が登場人物と同じ立場や状況に置かれたらどうするかを考えて書くといいと思います。

作者は何故この場面で登場人物にこんなことをさせたのかを探ってみましょう。

“何故(なぜ)”を大切にしましょう。ストーリーにほとんど触れなくても、何故と思ったことを追求していくだけで読書感想文は書けます。

実はさる事情により、文学的価値以外のことで読書感想文の課題図書や推奨図書は決まっています。そうした「大人の事情」に反抗して、少し難しめの本を選んで感想を書いてみるのもいいでしょう。文学には“反抗”がつきものです。

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2007年8月11日 (土)

大河ドラマ「新選組!」オリジナル・サウンドトラック

2004年のNHK大河ドラマ「新選組!」のオリジナル・サウンドトラックを紹介します。音楽を手がけているのは、服部家の三代目である服部隆之。ユニバーサルからの発売。

大河ドラマ「新選組!」オリジナル・サウンドトラック 服部良一を祖父に、服部克久を父に持つ服部隆之は、三谷幸喜とたびたび仕事をしており、これまでにも、三谷脚本のテレビドラマ「王様のレストラン」やミュージカル「オケピ!」の音楽を手がけてきました。三谷幸喜が脚本を手がけた大河ドラマ「新選組!」の音楽を服部隆之が担当したのはある意味必然だったのかも知れません。

服部隆之の音楽の特徴は、ゴージャスでボリュームがあること(悪くいうと「大仰」ということになってしまうのですが)。「新選組!」の音楽は、若者達が主役のドラマということもあってか、活気とスピード感に溢れ、抒情美よりも分厚い響きが目立つという、大河音楽の王道から少し外れた特徴を持っており、三谷幸喜の脚本同様、「ニュー大河」風の音楽です。

テーマ曲の演奏をしているのは、広上淳一指揮のNHK交響楽団。京都を舞台とした「新選組!」のテーマ曲を指揮した広上淳一が、来年から京都市交響楽団の常任指揮者になるというのも因縁を感じます(?)。
テーマ曲では、三谷幸喜が書いた詞をジョン・健・ヌッツォが朗々と歌い上げているのも魅力です。

Tv Soundtrack/新選組!

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2007年8月10日 (金)

ご先祖様は帰ってこない

我が家の宗派は真宗(浄土真宗)大谷派です。京都七条烏丸の東本願寺(真宗本廟)を本山とする一派です。

浄土真宗が他の仏教の宗派と違うところは、「お盆だろうが何だろうが、先祖の霊が帰ってくることはない」という考え方を持つところです。そもそも浄土真宗は霊の存在を否定しています。浄土真宗のお盆は、お彼岸と同様で仏になった先祖に感謝するための行事であります。霊は帰ってこないので、迎え火や送り火の習慣もありません。

熱心な浄土真宗(本願寺派)の信者であった童謡詩人の金子みすゞは、「海へ」という作品の一節で海の向こうを彼岸に例え、“海のむこうは/よいところだよ、みんな行ったきり/帰りゃあしない。”と書いています。

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2007年8月 6日 (月)

こうの史代 マンガ『夕凪の街 桜の国』

こうの史代のマンガ『夕凪の街 桜の国』(双葉社)を紹介します。現在公開中の同名映画(佐々部清監督作品)の原作。絵からもストーリーからも、こうの史代の優しさが溢れ出ている素敵な作品です。

こうの史代 マンガ『夕凪の街 桜の国』

広島の原爆を題材とし、原爆投下直後とその後、そして現在に至るまで続く悲惨な現実を描きつつ、詩的で芸術的ともいえる表現方法、マンガだからこそ可能な高度な技法を駆使して美しい物語に仕上げています。
原爆そのものの描写はなるべく抑え、被爆者達やその家族、周りの人々を美しく描いているからこそ原爆の悲劇がよりクッキリ浮かび上がっているともいえます。

帯には、「読後、まだ名前のついていない感情が、あなたの心の深い所を突き刺します。」というコピーが書かれていますが、まさにその通り。「感動」という言葉を超えた瑞々しい感情に出会うことが出来ました。

こうの史代 『夕凪の街 桜の国』(双葉文庫) 紀伊國屋書店BookWeb

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2007年8月 5日 (日)

コップの中の嵐は

コップの中の嵐は、自分がコップの中にいることに気付いていない人にとっては大嵐だろうな。

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2007年8月 2日 (木)

岩城宏之指揮メルボルン交響楽団 「夢の時~武満徹管弦楽曲集」

岩城宏之指揮メルボルン交響楽団 「武満徹管弦楽曲集」 岩城宏之がメルボルン交響楽団を指揮して録音した「夢の時~武満徹管弦楽曲集」(RCA)を紹介します。1990年11月の収録。
国内盤は現在廃盤中ですが、同じ音源のものがオーストラリア国営放送のレーベルであるABCから出ています。

岩城宏之は1974年から1987年までメルボルン交響楽団の常任指揮者を務め、その後も同楽団の終身桂冠指揮者の地位にありました。

「夢の時」、「ノスタルジア」、「虹へ向かって、パルマ」(ギター独奏:佐藤紀雄、オーボエ・ダモーレ独奏:ジェフリー・クレリン)、ヴァイオリンとオーケストラのための「遠い呼び声の彼方へ!」、「鳥は星形の庭に降りる」の5曲を収録。

シドニー交響楽団とともにオーストラリアを代表する楽団であるメルボルン交響楽団。メンバーは白人中心ですが、岩城の長期間にわたる薫陶により、タケミツトーンの出し方を完璧に身につけています。音に潤いと奥行きがあり、「響き」を、先行するどの作曲家よりも重要視した武満徹の音楽の真髄に触れることが出来ます。

「ノスタルジア」と「遠い呼び声の彼方へ!」でヴァイオリンソロを務めているのはマイケル・ダウス。イギリスに生まれ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第1ヴァイオリン奏者として活躍した後、メルボルン交響楽団のコンサートマスターに就任。その後、岩城宏之に引き抜かれてオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)のコンサートマスターとなり、現在はOEKの首席客演コンサートマスターを務めています。ほれぼれするほどの美音の持ち主であり、磨き抜かれた音はこのCDでも抜群の効果を発揮しています。

武満の最大の理解者の一人であった岩城宏之により、外国のオーケストラを使って録音された当盤は、武満徹の音楽を知る上で、今後も最も重要な資料の一つであり続けるはずです。

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2007年8月 1日 (水)

子供の視点に戻って見た世界 谷川俊太郎詩集『はだか』

谷川俊太郎が、子供の視線に戻って世界(子供の世界、大人の世界、家族、学校、友達、自分自身)を再構成してみせた詩集『はだか』を紹介します。佐野洋子の絵入り。筑摩書房刊。

谷川俊太郎詩集『はだか』

『はだか』は、子供を主人公とし、全てひらがなを用いた23編の詩から成っており、難解な表現も一切出てきませんが、それでいて奥深さを感じさせる詩集です。

大人が忘れがちな、あるいは気付かないか気付いていても通り過ぎてしまうような感情を平易な言葉を使って鋭くついてくる、愛らしく、時に怖ろしくもある詩が並んでいます。

なお、『はだか』に収録されている6編の詩(「むかしむかし」、「おじいちゃん」、「おばあちゃん」、「おとうさん」、「おかあさん」、「とおく」)は、武満徹最後の管弦楽曲となった「系図 Family Tree  ~若い人のための音楽詩」の朗読部分に(一部を変更して)使われています。

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