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2007年12月13日 (木)

観劇感想精選(22) 「グッドラック、ハリウッド」

2007年3月30日 兵庫県西宮市の兵庫県立芸術文化センター中ホールにて観劇

午後4時から西宮にある兵庫県立芸術文化センター中ホールで、「グッドラック、ハリウッド」を観る。リー・カルチェイム作、小田島恒志:訳、山田和也:演出。出演は長塚京三、筒井道隆、久世星佳。

長塚京三は大沢たかおと組んだ二人芝居「ディファイルド」に続いて2度目のカルチェイム作品への挑戦である。

ハリウッド。かっては名監督として栄光の頂点に立ったこともあるビリー(長塚京三)。しかし今はすっかり「過去の人」扱い。提出する脚本は全てプロデューサーに却下され、もう10年近くも映画を撮ることが出来ないでいる。
そんなビリーのオフィスの隣に若手脚本家デニス(筒井道隆)がやってくる。デニスはまだ26歳。映画の脚本を3本書く契約を結んでハリウッドに来たばかりの青年だ。
ビリーの助手のメアリー(久世星佳)がデニスの助手も兼ねることになる。

映画青年であるデニスはビリーの熱烈なファンでもあった。ビリーからボツになった脚本「さらば、あとはよろしく」を手渡されたデニスは一読してその出来に感銘を受ける。一方、ビリーはデニスの脚本を読むが、余り感心しなかった。しかしプロデューサーが望んでいるのは完成度の高い作品ではなく新しい作家の本だということを見抜いていたビリーは、「さらば、あとはよろしく」をデニスの作としてプロデューサーに持ちかけてみようと提案する。デニスもそれに乗った。ビリーを秘かに思っているメアリーはそれを知って気が気ではない…。

世代交代という、人間誰しもが通過する悲哀を描いた作品。アメリカの作家が書いた本にしてはずいぶん淡々とした演出が施されている。大袈裟なゼスチャーも、心理的ぶつかりも抑制され、地味な印象を受ける。
だが、その淡々とした地味さは、ラストシーンへの伏線であった。
「さらば、あとはよろしく」は映画のタイトルとしては時代がかった印象を受けるが、これがビリーの言うラストのセリフとして使われた時の効果は絶大、一気に格好いい名セリフに化ける。このラストのセリフを聞くだけでも価値のある劇だ。

役者は3人とも好演。長塚京三の渋い格好良さ、筒井道隆のいかにも駆け出しの作家を思わせる初々しさ、久世星佳の地味な女性を演じたが故に却って溢れ出る華やかさ、いずれも光っていた。

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