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2008年1月30日 (水)

これまでに観た映画より(17) 『シコふんじゃった。』

DVDで、日本映画『シコふんじゃった。』を観る。周防正行監督作品。出演は本木雅弘、清水美砂、竹中直人、柄本明、田口浩正ほか。
千葉にいた頃はこの映画のセルビデオを持っていて何度も観た。何度観ても勇気づけられる良い映画である。

教立大学(モデルは漢字をひっくり返した立教大学。周防正行監督の母校である)の4年生である山本秋平(本木雅弘)は就職も決まり、所属するシーズンスポーツ同好会の夏合宿である沖縄スキューバツアーを企画して盛り上がっている。しかし遊び学生である秋平は単位が足りず、卒論も書けそうにない。そこで卒論担当教授の穴山(柄本明)は、かって自分が所属していた教立大学相撲部に入って大会に出てくれれば、特別に卒論の単位を出してもいいと提案する。教立大学相撲部には青木(竹中直人)という大学8年目の学生一人しか所属していない。このままでは大会に出られないのだ。
単位と引き替えに相撲の大会に出ることにした秋平は青木とともに部員の勧誘を始めるのだが……。

海外でも評価の高い名画である。1992年の作品。ということで、当然ながら出演者は皆まだ若い。

ライバル校として登場する大学もみな漢字を逆にしただけなのでどこの学校がモデルなのかすぐわかる。北東学院大学、波筑大学、応慶大学、衛防大学校、本日医科大学など。何てイージーな。ちなみに本日医科大学の相撲部員役で無名時代の手塚とおるが出ているのだが、役名は足塚であった。これもまたイージーな。

余談だが、秋平(本木雅弘)の、「沖縄……、スキューバ……」を、青木(竹中直人)が「え? 大きなスケベ?」と聞き違えるという、かなり笑えるシーンがあるのだが、青木のセリフは竹中直人のアドリブだそうである。

周防正行監督はもともとはロシア文学が好きで、ロシア文学科のある早稲田大学に行きたかったのだが、二浪しても(その間、勉強せずに映画ばかり観ていたということもあって)入れなかった。フランス文学も好きだったので、立教大学の仏文科に進んでいる。当時、立教大学には映画評論家として著名な蓮實重彦(のちの東京大学総長)が助教授として籍を置いており、周防監督は蓮實重彦の「映画論」の講義に感銘を受けて映画を撮り始めるようになる。

なぜ、周防監督の経歴について書いたかというと、『シコふんじゃった。』の人間関係における「片思いの連鎖」はチェーホフの『かもめ』の影響なのではないか、と気づいたからだ。周防監督はロシア文学の中でも特にチェーホフが好きであることがわかっている。

それはともかくとして、『シコふんじゃった。』は本当に良い映画だ。私も色々と教わることが多かった。これからも何度も見直したい映画である。

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