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2008年3月31日 (月)

観劇感想精選(31) 燐光群 「チェックポイント黒点島」

2006年12月13日 大阪・なんばの精華小劇場にて観劇

大阪へ。なんばにある精華小劇場で、燐光群の「チェックポイント黒点島(こくてんじま)」を観る。作・演出:坂手洋二。竹下景子、渡辺美佐子という二大女優を迎えての公演である。特に竹下景子は小劇場の舞台に立つのは初めて。竹下本人が燐光群の舞台を観て感動し、出演を申し込んだという。ミーハーな見方だが、竹下景子を間近で見ることが出来るというだけでも価値のある公演だ。
かってベルリンを東西に分けていたベルリンの壁。その西側の検問所である「チェックポイント・チャーリー」。舞台にはチェックポイント・チャーリーのセットが置かれている。

検問所のある「境界」を舞台にした作品であり、非常に面白い。
「受け入れ」と「拒絶」という二面性を持つ「境界」。ベルリンの壁、竹島や尖閣諸島などそれら巡る各国の思惑がぶつかる「境界」。自己と他との「境界」。いくつもの物語を生む「境界」上で、世田谷一家惨殺事件、よど号ハイジャック事件と日本人妻事件、大学でのビラまき事件など実際の事件を題材としたドラマが次々浮かぶ。そして新作が書けないでいる漫画家のヒロコ(竹下景子)の家族を巡るストーリーや、ヒロコの現時点で最後の漫画「チェックポイント黒点島」の中での話(東シナ海に突然現れた島、黒点島で太陽の黒点観測を行う科学者夫婦〔竹下景子と猪熊恒和。役者は複数の役を演じる〕と黒点島を自国の領土にしようという、日本、中国、韓国、台湾らの攻防)などが入り乱れる。

黒点の話からは、日本の国旗「日の丸」の太陽には黒点がないことから、日本人が見た日本が絶対ではなく、黒点は太陽の表面に複数現れるということから、複数の外国から見た日本が示され、それもまた絶対ではないことがわかる。希望を感じさせながらもその希望も絶対なのかどうか微妙なラストも印象的。

余談だが、竹下景子演じる女性科学者の夫(猪熊恒和)の正体は科学者ではなく実は写真家というのには思わず笑ってしまった。

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