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2008年4月17日 (木)

コンサートの記(10) ワレリー・ゲルギエフ指揮PMFオーケストラ 大阪公演2004

2004年8月3日 大阪・福島のザ・シンフォニーホールで

大阪のザ・シンフォニーホールへ。電車がいつになく混んでいる。東京のラッシュ時並みだ。何があるのかと思ったら十三(じゅうそう)で花火大会があるのだという。

今日のコンサートはワレリー・ゲルギエフ指揮のPMFオーケストラによるロシアプログラムだ。PMFは(Pacific Music Festival)の略である。環太平洋地域の学生を中心とする若い人による講習や試演会、レッスンなどが札幌を中心に行われる。創始者はレナード・バーンスタインだ。

歴代の指揮者にはクリストフ・エッシェンバッハ、シャルル・デュトワ、ベルナルド・ハイティンクなど錚々たる面々が顔を連ねている。

今年の首席指揮者はワレリー・ゲルギエフ、客演指揮者はファビオ・ルイージとこれまた豪華な顔ぶれだ。

曲目は最初がチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。ソリストはニコライ・ズナイダー。若い人による祝祭オケなのであまり多くは期待できない。冒頭は弦が薄い。ズナイダーは情熱的な弾きぶりだが見た目ほど情熱的な音楽ではない。しかしゲルギエフは最終楽章に照準を合わせていたようだ。少しも力んだ所のない指揮なのにオケが物凄い勢いで鳴り始める。ほとんどソリストを挑発しているかのよう。ズナイダーも負けじと付いていく。ほとんど必死だ。ソロとオケが協演ではなく競演している。ズナイダー、結局は弾き負ける。ゲルギエフに勝てるわけはないか。

後半はショスタコーヴィチの交響曲第11番「1905年」。ホールの階段登り口に「今日は十三で花火大会があるので、音がホール内まで鳴り響く可能性があります」という怖ろしい貼り紙が。実際、花火の音はホールの中まで届いていた。演目がモーツァルトだったりしたらぶち壊しだったかもしれないが、ショスタコーヴィチだけに何か得体の知れないものの足音が響いているようで、逆に彩りとなる。

冒頭からただならぬ雰囲気。肺腑を抉るとはこういう音かと得心がいくような凄絶な響き。若い人達がこういった音を出すというのは普通は考えられない。

凄まじい演奏会となった。指揮者も曲も尋常ではない。天才が天才の曲を演奏して初めて現れる音の世界が目の前にある。ゲルギエフは聴衆を引きずってどこまでも行ってしまいそうだ。言い方は悪いが寄せ集めのオーケストラでここまで壮絶な演奏を繰り広げるとなると、手兵のマリインスキー劇場管弦楽団やウィーン・フィルを振ったらどうなってしまうのだろう。無論、色の付いていないオケだったからゲルギエフの解釈がそのまま反映されてそれが壮演につながったという可能性もあるが。

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