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2008年4月24日 (木)

俺は最高の国に生まれたんじゃなかったのか ブルース・スプリングスティーン 『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』

アメリカのロックシンガー、ブルース・スプリングスティーンが1984年に発表したアルバム『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』(ソニー・ミュージックエンタテインメント)を紹介します。

ブルース・スプリングスティーン 『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』 ブルース・スプリングスティーンは1949年生まれ。アメリカの労働者階級出身者の代弁者ともいうべきロックシンガーです。彼がアメリカ最高のロックミュージシャンの一人という名声を完全に勝ち得たのは本作『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』においてでした。

表題作でもある「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」は、おそらくアメリカ史上初めてベトナム帰還兵のことを歌った歌。
戦いたくもないのに、労働者階級出身者だったが故に真っ先に戦場に送られ、帰国したら帰国したで居場所がないという絶望を歌ったものでした。

しかし、この曲が発表された1984年はロサンゼルス・オリンピック開催の年であり、スプリングスティーンが突きつけたメッセージは、祝祭ムードによって完全に誤解されてしまいます。人々は音楽の意味を理解しようとせず、気分だけを受けいれたのでした。

「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」のサビの部分だけが熱狂的に迎え入れられ、ベトナム帰還兵の歌が何故か愛国の歌として受けいれられてしまいます。もうアメリカ人は自分達のことを客観的に見つめる目を失っていたのでした。

『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』に収録された曲はいずれも深刻なメッセージがキャッチーなメロディーに乗せられていますが、人々はメッセージを楽曲から切り離してムードだけを楽しもうとしたのでしょうか。とにかく、すでにアメリカが抱える闇がここまで来てしまっていたということを期せずして世界中に知らせるアルバムにこの『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』はなってしまったということになります。

以後、スプリングスティーンは、内容よりも気分が支配的になってしまったアメリカと再度対峙していくことを余儀なくされました。

スプリングスティーンの音楽も優れたものですが、時代の証言としても貴重な一枚です。

ブルース・スプリングスティーン 「ボーン・イン・ザ・U.S.A」(タワーレコード)

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