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2008年5月23日 (金)

観劇感想精選(36) アトリエ・ダンカン・プロデュース「血の婚礼」

2007年5月17日 東京・新大久保の東京グローブ座にて観劇

東京・新大久保の東京グローブ座で、フェデリコ・ガルシア・ロルカ作、白井晃:台本・演出の舞台「血の婚礼」を観る。
スペインが生んだ悲劇の詩人、ロルカの代表的戯曲の上演。大阪での上演もあるが、紀尾井ホールでのコンサートを聴くついでに東京で観ておくことにしたのだ。


「血の婚礼」は午後7時開演。出演は、森山未來、ソニン、浅見れいな、岡田浩暉、尾上紫(おのえ・ゆかり)、陰山泰、根岸季衣、新納慎也、江波杏子。
ギター演奏を渡辺香津美が担当する。

「血の婚礼」は、詩人であるロルカらしく韻文が多用されるなど、上演の難しい作品である。
演出の白井晃はロルカが書いた歌詞をカットし、その代わりにダンスを多く取り入れる。森山未來、ソニンなど、ダンスの達人がキャスティングされているだけに、舞踏のシーンは迫力がある。

最初は、パーツパーツは優れているものの、それが上手く噛み合わないもどかしさがあったが、森山やソニンのダンスはセリフ以上に雄弁であり、詩人ロルカの戯曲上演への期待が良い意味で裏切られる。
「血の婚礼」の“血”には3つの意味があるが、血が持つ因縁を表現するには言葉よりも肉体の動きがより適している。言葉も肉体より発せられるが、肉体そのものの動きの方が、より血に直結しているのは明らかであり、言葉は情熱の血を沸き立たせる媒体でしかない。

婚礼から2人が逃げ去る場面以降は、役者の動きとセリフとが絶妙の止揚(という表現を敢えて用いる)を見せる。

情熱的で呪わしいという“血”の両面を描き出すことに成功した優れた舞台であった。

出演者では、森山未來、ソニン、尾上紫の3人が特に良かった。森山未來は期待通りであるが、ソニンは予想以上に優れた表現を見せ、尾上紫の可憐さと妖しさの両方を兼ね備えた演技にも魅せられた。

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