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2008年6月 6日 (金)

フランス語が出来ないのに「ミラボー橋」を訳したこと

フランスの詩人、ギョーム・アポリネールの「ミラボー橋」という詩が好きで、もう4年も前になりますか、フランス語の原文からの翻訳を試みたことがあります。私は大学時代の第二外国語として中国語を取っていたので、フランス語を学んだことは1秒たりともないのですが、仏和辞書を引きながら訳してみました。なんでそんなことをしたのかというと、堀口大学らが訳した既成の訳文が気に入らなかったからで。

翻訳後、大学のフランス語の先生に見て貰ったのですが、翻訳として問題はないそうなので、「猫町通り通信」に載せました。それから随分時間が経ったのですが、ふと、「鴨東記」にも載せてみようと思い、アップしてみました。七五調を取り入れた翻訳です。

「ミラボー橋」 ギョーム・アポリネール

ミラボー橋の下、セーヌは流れる。
我らが恋もまた然り。
この恋の意味を忘れまじ。
喜びは悲しみを越えた後に。

夜よ来たれ、鐘よ鳴れ。
日々は過ぎ去り残るのは、
ここにいる我一人のみ。

手に手を重ね見つめ合う、我らが下を
腕で作った橋のもとを、永遠の視線を、疲れきった波は流れる。

夜よ来たれ、鐘よ鳴れ。
日々は過ぎ去り残るのは、
ここにいる我一人のみ。

恋は水と流れ散る。
恋は去った。
人生はかくもゆっくり流れ、
希望だけが激しく燃える。

夜よ来たれ、鐘よ鳴れ。
日々は過ぎ去り残るのは、
ここにいる我一人のみ。

日々はゆき、幾星霜、
時は過ぎ去り、恋もまた、もはや戻ることはない。
ミラボー橋の下、セーヌは流れる。

夜よ来たれ、鐘よ鳴れ。
日々は過ぎ去り残るのは、
ここにいる我一人のみ。

日本語訳:本保弘人

京都には鴨川という絵になる川があるので、「ミラボー橋」の世界もヒシヒシと感じることが出来ます。東京には隅田川、大阪にも淀川という、やはり絵になる川があるので、橋の上に立って「ミラボー橋」の世界を感じてみるのもいいかも知れないですね。

生まれ故郷の千葉市には、都川や葭川(よしかわ)といった、千葉市民しか知らない小さな川しか流れていないので、「ミラボー橋」の世界を味わうのは難しいかな。行政区の名の由来になっているので少しだけ有名な花見川は、水源である印旛沼の出水口が閉じられているので流れていないし。
語感だけなら、「君待橋(きみまちばし)の下、都川(みやこがわ)は流れる」はなかなか良いと思うのですが。

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