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2008年7月 1日 (火)

観劇公演パンフレット(29) 松本幸四郎&市川染五郎主演 松竹百年記念公演『アマデウス』(1995)

1995年10月に、東京・池袋のサンシャイン劇場で購入した、『アマデウス』のパンフレットを紹介します。

作:ピーター・シェファー、テキスト日本語訳:倉橋健&甲斐萬里江、演出:ジャイルス・ブロック、主演:松本幸四郎(サリエーリ)、市川染五郎(モーツァルト)、出演は渡辺梓(コンスタンツェ)ほか。制作:松竹株式会社。

松竹百年記念公演『アマデウス』 公演パンフレット

F・マリー・エイブラハム主演によって映画化されたことでもおなじみの、ピーター・シェファーの『アマデウス』。日本でもたびたび舞台に掛けられており、1995年の公演は7度目、幸四郎のサリエーリ、染五郎のモーツァルトによる親子共演としては2度目の公演でした。1995年は松竹の創業100周年にあたり、この『アマデウス』は松竹百年記念公演と銘打たれていました。

江守徹翻訳による戯曲が劇書房から出ており、私も事前に何度か読んでいたので知っていたのですが、『アマデウス』では、劇場が開場した時点ですでにサリエーリが舞台上にいることになっています。ただし、背もたれの高い椅子に腰掛け、客席とは反対の方向を向いて。

その日、私は開演30分前の開場と同時に劇場内に入ったのですが、舞台上にはもうすでにサリエーリを演じる松本幸四郎がいました。しかし、背もたれの高い椅子の陰になっているので、頭にかぶったナイトキャップと白髪のカツラ以外は見えません。そして、驚くべきことですが30分以上もの間、幸四郎さんはピクリとも動きません。ということで、『アマデウス』の戯曲を読んだことのない観客は、まさか舞台上にすでに幸四郎さんがいるとは知らず、思い思いに雑談をしていたりします。

さて、『アマデウス』は、風と呼ばれるサリエーリの従者の登場に続き、スピーカーから、「サリエーリ! サリエーリ!」と呼ぶ声がし、それが段々大きくなって頂点に達したところで、サリエーリを演じる幸四郎がサッと手を挙げて、「モーツァルト!」と叫ぶのですが、戯曲を読んだことのない人はそこで初めて幸四郎が舞台上にずっといたことに気づき、驚いて、ハッと息を呑む音と空気が会場に拡がります。
この時点ですでに演者のペースに観客を巻き込むことに成功しており、ピーター・シェファーの作劇方の巧さと、幸四郎の忍耐強さに感心させられることになりました。

パンフレットには、作品の概要、演出家の言葉のほかに、蜷川幸雄が松本幸四郎にあてた、毬谷友子が市川染五郎にあてた、仲代達也が渡辺梓にあてた賛辞が載っています。

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