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2008年8月16日 (土)

これまでに観た映画より(32) 「赤目四十八瀧心中未遂」

DVDで映画「赤目四十八瀧心中未遂」を観る。車谷長吉(くるまたに・ちょうきつ)の小説の映画化。

現代では数少なくなった私小説の書き手、車谷長吉の作品を映画化するのは難しいと思うが、この作品は原作とは別の力で勝負している。

林海象プロデュース、荒戸源次郎監督作品。出演は、寺島しのぶ、大西滝次郎、大楠道代、内田裕也、大森南朋、新井浩文、麿赤児ほか。

袋小路のような尼崎、主人公の「この世界に受け入れられない疎外感」の映像による表現には限界はあるものの工夫は見られる。

それよりも、この映画では、あや(綾)ちゃん(寺島しのぶ)の「誘う女」、「死神」的色彩が原作よりも遙かに濃く出ている。

主人公の生島が綾の後をつける場面、生島が海岸から戻るときに隧道に入るのだがそこが黄泉への入り口に見える場面、赤目で生島が綾の先を歩いていて、綾が着いてきているのかと、ふと立ち止まる『オルフェウス』を思わせる場面、また、赤目四十八瀧が幻想的でありながら黄泉路をなぞっているところ、また、全てが幻覚であったかのようにも取れるラストなど、「死」的なイメージの連鎖がある。

その「死」的な毒を感じられるかどうかが、この映画に対する好悪を分かつように思う。
主人公・生島を演じる大西滝次郎は、これが映画初出演となる新人だが、モノローグやナレーションが弱い。ダイアローグでは決して上手くない演技も朴訥さとして生きるが、一人語りでは経験の乏しさが如実に出てしまっている。

寺島しのぶは何だかんだといわれるが良い。原作に惚れ込んで自ら綾役を申し出たというだけのことはある。

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