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2008年8月30日 (土)

全国学力テスト 結果は公表されたけれど

結果が公表された全国学力テスト。出身地や住んでいる都道府県の成績に一喜一憂される方もあるかと思いますが、テスト結果を基に、何をどうするのかということが問題であるように思われます。

テストの結果をもって、他都道府県に負けじと競争するための材料にするのでしょうか。しかし、それにしても各都道府県ごとの成績と教育との因果関係をどう見つけ、どう対処するのかという問題の答えを探るのは難しそうです(成績上位に北陸地方の県が多い。北陸地方は邸宅が大きいことでも知られる、ということは子供達の多くが個室を持っていてそこで勉強するので成績が上がるという単純な図式は見えそうですが)。

ある県の成績が良かったとして、それは教師の質が良かったのか、生徒が優秀だったのか。平均点は出たけれどもバラツキはどうだったのか。平均点は低くても上位層が厚い(つまり学力が二分化している)のと、平均点は高くてもバラツキがない(優秀とされる層が薄い)のではどちらが良いのか。

とにかく、テスト漬けにして毎年のように全国学力テストを行い、学校同士を競争させているイギリスの教育成果が上がっていないということもあり(福田誠治 『競争しても学力行き止まり』朝日選書)、今、他のことでも話題になっているサッチャーさんの政策追随に疑問を持つ人がもっといても良く、そうした疑問を持つ力は、学力以上に重要だと思われるのですが。

私が生まれ育った千葉県は自慢じゃないですが教育政策がヤクザなところで、私が子供の頃は教師一人当たりの生徒数が全国一位(マスプロ教育であり、つまり教師の目が生徒一人一人に行き届かない。それ以前に教師の数自体が足りない)になるなど、教育に問題のある県でしたが、一方で県立千葉高校のような、公立校としては全国屈指の進学校を擁するなど、公立校の凋落が明らかだった東京都などに比べると、進学に関しては良い成果を上げていました。今回の全国学力テストでも千葉県の成績は下位ではなく中位で、全国平均よりも上です。普通に考えて、教師の力ではなく、生徒の質が高かった(千葉県の東京湾沿いに家を構えた人達というのはインテリ層が多く、結果、その子供も勉強が出来たということだけなのかも知れない)ということでしょう。こうしたことは、教育において重要である、教師側の問題が見えにくくなっているようにも思われるのです。

となると、全国学力テストで計ることが出来るのは何かが問われてしかるべきなのに、それについては問われることなく、今後も漫然とテストが行われるということが続いてしまうのではないかという危惧の念も起こってくるのです。

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コメント

学力は教育だけで作られているものでしょうか。子どもの能力だけによるものでしょうか。画面の前で、長い時間ボタンを押したり棒を倒したりという、コミットメントが染み着いている子どもをつくっているのは誰か?そういう切り口を忘れてはいけないのではないかと思いました。

投稿: くれまい | 2008年8月31日 (日) 01時17分

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