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2008年10月 1日 (水)

観劇公演パンフレット(32) 加藤健一事務所 「レンド・ミー・ア・テナー」2008

加藤健一事務所の公演「レンド・ミー・ア・テナー」2008年公演のパンフレットを紹介します。2008年7月3日、京都府立府民ホールALTIにて購入。

加藤健一事務所「レンド・ミー・ア・テナー」2008公演パンフレット「レンド・ミー・ア・テナー」の副題は“オペラ騒動記”。歌唱力は抜群でありながら、内面は子供のままのようなオペラのテノール歌手が登場(現実にも内面が子供のまま生涯を終える音楽家は案外多いのです。例えば、ホ×ヴィッ○だとか、グー△ドなど。更にはクラシック界には「テノール馬鹿に……」といったような言葉もあり、高音を出すテノールは脳みそが余り詰まっていないので頭蓋骨に声がよく響くのだという、悪口もあったりします)。

そうした音楽家の生態に題材を取った抱腹絶倒(というのも古い言葉ですが、この作品にはこの言葉が一番ピッタリ来ます)のコメディーが「レンド・ミー・ア・テナー」。加藤健一と大島宇三郎の朗々としたアリアも見所の一つです。

パンフレットには出演者のインタビュー、題材となったヴェルディのオペラ「オテロ」の紹介。翻訳者である小田島雄志・若子夫妻へのインタビューなどが載っています。

「レンド・ミー・ア・テナー」の概要および感想

午後7時から、京都府立府民ホールALTIで、加藤健一事務所の公演「レンド・ミー・ア・テナー オペラ騒動記」を観る。「バッファローの月」「クレイジー・フォー・ユー」などを書いているケン・ラドウィッグの作、小田島雄志&小田島若子のテキスト日本語訳、久世龍之介の演出。出演は、加藤健一、日下由美、塩田朋子(文学座)、有福正志、大峯麻友、横山利彦、一柳みる(劇団昴)、大島宇三郎。

加藤健一事務所による「レンド・ミー・ア・テナー」は1990年と1996年に上演されており、今回は12年ぶりの上演とのことである。

1930年代のアメリカ・クリーヴランドが舞台。

クリーヴランド・グランド・オペラ・カンパニーは、イタリア人の偉大なテノール歌手であるティトー・メレリ(大島宇三郎)を迎えて、ヴェルディのオペラ「オテロ」を上演することになっている。しかし、肝心のティトーの到着が遅れており、オペラ・カンパニー総支配人のソーンダーズ(有福正志)も総雑用係のマックス(加藤健一)も気が気でない。

やっとのことでティトーが二人の待つホテルに到着する。しかし、このティトー、歌は上手いのだが、子供がそのまま大きくなったような人物。そしてティトーの奥さんであるマリアという女性が女帝のような性格。

マックスはオペラ・カンパニーの万年雑用係のような人物だが、長年に渡ってオペラ・カンパニーの公演に接しており、今回上演される「オテロ」の歌とセリフを全て憶えてしまうほどのオペラ好きでもある。

そんなマックスとティトーはなぜか馬が合い、マックスがオペラ好きだと知ったティトーは即席のレッスンをマックスに施す。

だがティトーは女好きであり、ティトーに憧れて訪ねて来た女性達にちょっかいを出すため、怒ったマリアは書き置きを残して、ホテルの部屋を出て行ってしまう。

マリアに去られて、絶望したティトーは自殺しようとするが、マックスが止める。疲れているのでぐっすり眠りたいというティトーのために、マックスは睡眠薬をワインに入れて出すが、ティトーも睡眠薬をすでに飲んでおり、効き目が強すぎて、ティトーは死んだようにぐっすり眠り込んでしまう。

叩いても揺さぶっても目を覚まさないティトーを見、マリアの書き置きをティトーの遺書と勘違いして、ティトーが自殺してしまったと思い込んだマックスとソーンダーズ。公演を中止にしようと考えた二人だが、ソーンダーズにある考えが浮かぶ。今日の演目は、ムーア人が主役の「オテロ」。オテロを演じる歌手は顔を黒塗りにするため、遠目からは誰がオテロをやっているのかわからないはず。そこでマックスをティトーだということにして、オテロを歌わせようと目論む……

加藤健一事務所が上演したケン・ラドウィッグの作品は、「バッファローの月」を観たことがあり、これも優れたコメディーであったが、「レンド・ミー・ア・テナー」は「バッファローの月」よりも更に笑える傑作コメディーであった。

加藤健一と元劇団四季の大島宇三郎によるアリアも聴き応えがあり、ストーリーも役者陣も最高。この公演を観に来なかった京都の演劇人が可哀想になる。と書くと反感を買いそうだが、私以外の京都の演劇人も、この作品を観たのなら同じような思いを抱くはずだ。

出演者全員によるアフタートークも面白く、良き夜を過ごすことが出来た。

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