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2008年10月 7日 (火)

観劇公演パンフレット(33) さよなら緒形拳 緒形拳ひとり舞台「白野 ─シラノ─」2007

今月5日に逝去された緒形拳氏の一人芝居(ひとり舞台)「白野 ─シラノ─」の2007年版のパンフレットを紹介します。2007年11月15日、大阪・京橋の大阪ビジネスパーク円形ホールにて購入。

緒形拳ひとり舞台「白野 ─シラノ─」公演パンフレット 「白野 ─シラノ─」はエドモンド・ロスタンの戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」を、幕末の日本を舞台に置き換えて作られた「白野弁十郎」を、緒形拳独自の一人芝居として作り替えたものです。

パンフレットには、緒形拳のへのインタビューのほか、山田洋次、豊川悦司から緒形拳へのメッセージ(なお、緒形拳はトヨエツのことを、「豊川→豊川稲荷」ということで、「お稲荷さん」と呼んでいたとのことである)。串田和美、内野聖陽、竹内まりや、真田広之、竹野内豊、Gackt、秋元康、堤幸彦、池部良、三國連太郎からの緒形への応援メッセージなどが収められています。

緒形拳ひとり舞台「白野 ─シラノ─」概要と感想

午後7時30分より大阪・京橋の大阪ビジネスパーク円形ホールで、緒形拳ひとり舞台「白野 ─シラノ」を観る。エドモンド・ロスタンの戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」を額田六福と澤田正二郎が幕末を舞台にした芝居として翻案し、島田正吾が一人舞台として構成した「白野弁十郎」を基に、相手役のセリフまで語る緒形拳独自のバージョンである。
2006年に緒形版「白野」は初演され、教育テレビでも放映された。今回は再演となる。
演出は鈴木勝秀、音楽:朝比奈尚之、チェロ独奏:ウォルター・ロバーツ。

幕末の京。
京都守護職松平容保に率いられて入京している会津藩朱雀隊士の白野弁十郎。鼻が異様に大きいという特異な容貌をした男である(緒形拳は普通は用いる付け鼻なしで演じている)白野。剣を取っては京でも一、二、算術、詩作なんでもござれの多芸多才の人であるが、自身の容姿の醜さゆえに女にはからっきしである。白野は従姉妹の千種に恋しているが思いを打ち明けられないでいた。

四条南座で役者相手の大太刀回りを演じた翌日、白野は千種に祇園の店に呼び出される。機を得たりとばかりに千種に恋文をしたためる白野。しかし千種から好きな人がいると告白された白野は結局、恋文を渡しそびれる。千種が恋したのは会津藩朱雀隊に入隊したばかりの色男、来栖生馬であった。しかし、この来栖、色男だが田舎育ちで気の利いたことは一つも言えないし書けない。

来栖の後見人になると千種から約束させられた白野は、来栖も千草に恋していることを知る。しかし歌の一つも詠めない来栖を見るに見かねた白野は、自分の語る言葉をそのまま来栖に真似させることで来栖を教養と詩心に溢れる青年に仕立て、また千草への恋文も全て代筆してやることにするのだった……。

緒形拳の舞台を観るのは久しぶり。2002年に京都府立文化芸術会館で行われた「子供騙し」以来だと思う。

緒形は声は小さいが発音は明瞭でセリフは聴き取りやすい。余り声音を変えずに複数の役を演じるので、観る方も集中力と想像力がいるが、緒形は人を惹き付ける力があるので、大して難しいことではない。そもそも緒形拳が一人で演じるのだから、こちらも真剣勝負にならざるを得ない。

恋を語る場面の緒形拳の若々しさといったら、まるで青年のよう。こういう芝居を観ると、役者っていいな、素晴らしい仕事だなと心から思う。

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