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2008年10月16日 (木)

中広全延 『カラヤンはなぜ目を閉じるのか』

ヘルベルト・フォン・カラヤンは1908年生まれであるため、今年2008年が生誕100年に当たります。その年に敢えて出版された、カラヤンと自己愛を巡る、精神科医の書いたエッセイ、『カラヤンはなぜ目を閉じるのか 精神科医から診た“自己愛”』(新潮社)。

中広全延 『カラヤンはなぜ目を閉じるのか』(新潮社~ 「帝王」としてクラシック音楽界の頂点に君臨したヘルベルト・フォン・カラヤン。カラヤンの指揮の特徴は目を閉じて指揮するということでしたが、「アイコンタクトが取れず演奏しにくい」という声がオーケストラ奏者からもありました。指揮するときに目を閉じた指揮者は世界広しといえどもカラヤンだけです。
なぜカラヤンが目を閉じるのかについて、カラヤン本人は「見ることをやめて、まったく別の世界に入っていくのです」と答えている。ではその入っていくまったく別の世界とはどこなのか?

本書では、カラヤンは自己愛性人格障害(著者である中広全延によると、カラヤンの場合は「自己愛性人格」障害)、若しくは自己愛性人格を持つ人と仮定して、この「まったく別の世界」の正体に迫っています。

完璧を求め、自身が音楽世界の中心であることを望み、事実その座に君臨し、君臨し続けるためにあらゆる手法を駆使したカラヤン。20世紀という「指揮者の世紀」に現れるべくして現れたカラヤンという人間の側面にアプローチする好著です。

中広全延 『カラヤンはなぜ目を閉じるのか』(新潮社) 紀伊國屋書店BookWeb

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