コンサートの記(27) 大植英次指揮大阪フィルハーモニー交響楽団京都特別演奏会2008「大植英次スペシャル」
2008年11月13日 京都コンサートホールにて
午後7時から京都コンサートホールで、大阪フィルハーモニー交響楽団京都特別演奏会「大植英次スペシャル」を聴く。何がどうスペシャルなのかはよくわからなかったが。
曲目は、武満徹の「弦楽のためのレクイエム」、マーラーの「亡き子を偲ぶ歌」(独唱:ナタリー・シュトゥッツマン)、リヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」。
メインの交響詩「英雄の生涯」は大植の十八番で、CDも二種出ている。そのうちの一つ、大阪フィルハーモニー交響楽団とのザ・シンフォニーホールにおけるライブ録音は、私が接したコンサートで収録されたものだ。ということで、ザ・シンフォニーホールと京都コンサートホールでの印象の違いの聞き比べも出来る。
大植は減量したようで、顔つきが前回見たときより精悍になっている。髪も短くしていて、遠目に見るとトニー・レオンのようだ。あくまで遠目に見るとですよ。
ステージ左手サイド、やや後ろ側の席で聴く。
「弦楽のためのレクイエム」はこの曲をやるには京都コンサートホールは響きのプレゼンスが足りず音が小さく且つリアルに過ぎ、「亡き子を偲ぶ歌」も管楽器の音の輪郭がクッキリ聞こえたが、その分、ちょっとしたミスでもはっきりわかってしまう。
「亡き子を偲ぶ歌」の独唱、ナタリー・シュトゥッツマンは、フランス出身の世界的なメゾ・ソプラノ。芯のしっかりした良く通る声で、心理の表出は絶妙。名唱であった(「名唱」は一般的に使われるが、辞書には載っていないので俗語なのかな。伝わるから用いても良いか)。
メインの交響詩「英雄の生涯」。客演奏者を多く招き、ステージ上にびっしりと人が並ぶ巨大な編成である。大植の振る大阪フィルは透明感溢れる音を出し、あらゆる楽器の音が聞き取れる。過度な残響のない京都コンサートホールの特徴を最大限に生かした演奏が展開された。こうしたことが出来るのは、大フィルの演奏の精度が高いからで、大植のトレーニングの成果が現れている。
精度が高いといっても、ライブ故の傷はいくつかあり、京都コンサートホールは音の動きがはっきりわかるだけに、ちょっとしたずれでもわかってしまう。演奏する側からしてみれば怖い会場だろう。
以前聴いた、ザ・シンフォニーホールの響きを生かした厚みのある演奏も良かったが、音の全てが把握できる今日の演奏の方が好印象であった。どうも大植は京都コンサートホールの音響を計算に入れた上で適宜演奏を変えているようであり、相当な賢さと能力を持った音楽家であることがわかる。
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<京都の秋音楽祭>
2008年11月13日(木)19:00/京都コンサートホール
指揮/大植英次
アルト/ナタリー・シュトゥッツマン
大阪フィルハーモニー交響楽団
武満徹「弦楽のためのレクイエム」
マーラー「亡き子を偲ぶ歌」
R.シュトラウス「英雄の生涯」op.40
大フィルが武満の“弦レク”をやる、そう聞いただけで何やら懸念が募る。あれは青白く底光りするような、美しい弦の音色を聴く為の曲だが、大フィルにそんな音出せるのかぁ、と誰しも思う筈。実際に聴いたところは、もちろん透明な音色は全く無... [続きを読む]
受信: 2008年11月30日 (日) 15時53分











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