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2008年12月30日 (火)

コンサートの記(32) 佐渡裕指揮 モーツァルト 歌劇「魔笛」

2007年8月4日 兵庫県立芸術文化センター大ホールにて

兵庫県立芸術文化センター大ホールまで、モーツァルトのオペラ「魔笛」を観に行く。
佐渡裕と兵庫芸術文化センター管弦楽団によるオペラシリーズ。昨年の「蝶々夫人」(変換したら「町長夫人」と出た。そんなオペラは嫌だよ)は大好評で、2008年春の再演が決定している。

今年の新作は、オペラ史上おそらく人気ナンバー1だと思われる「魔笛」。私は昨年(2006年)の暮れにポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場の「魔笛」を観ているが、比較してみたかったし、私も「魔笛」は大好きなので今日も観に出かけたのだ。今後も、「魔笛」が関西で舞台にかかったら観に行くと思う(海外の有名歌劇場の引っ越し公演は除く。何しろチケット代が高すぎる。2008年の7月にパリ国立歌劇場が兵庫県立芸術文化センターと、東京・渋谷の東急文化村オーチャードホールで初の来日公演を行うが、チケットは最低でも2万円である)。

オペラではアルバン・ベルクの「ヴォツェック」も好きだが、関西で舞台にかかることは当分ないだろうな(原作であるゲオルク・ビューヒナーの「ヴォイツェック」は舞台にかかったようだが、観に行かなかった)。

白人歌手&日本人歌手の日と、オール日本人キャストの日があるのだが、今日はオール日本人キャスト。

演奏はもちろん佐渡裕指揮の兵庫芸術文化センター管弦楽団。演出はフランス出身の女性演出家、エマニュエル・バステ。舞台美術はイギリス生まれで、全ヨーロッパとアメリカで活躍するアントニー・マクドナルド。

バステの演出は、夜の女王の支配する世界を母性の世界、ザラストロの支配する昼の世界を父性の世界とし、マクドナルドの舞台美術はこれを受けて、前者では床に水を張り(羊水ということだろう)、後者では巨大な書棚のある部屋(男性的支配の象徴である言語=書籍という意図だろう)を舞台としている。
シリアスな演出であり、人間ドラマ(といっても「魔笛」なのでさほど大した人間ドラマではないのだが)を描くには適していた。

個人的には、ポーランド国立ワルシャワ室内歌劇場がやった、おもちゃの世界のような舞台構築の方が「魔笛」に似合うのではないかと思うのだが、メルヘンチックな「魔笛」ばかりでは面白くないので、たまにはこうした舞台美術と演出を観るのも良いと思う。

ちなみに、冒頭に登場する怪物は大蛇でもライオンでもなく巨大な蛸(吸盤のある数本の足)であった。

佐渡の指揮はモーツァルトには余り向いていないのではないかと思っていたが、激しすぎる部分はあるものの、ドラマティックであり、バステの演出した「魔笛」の世界には良く合っていた。

歌手では、パミーナ役の天羽明惠(あもう・あきえ)と、夜の女王を歌った飯田みち代が良かった。天羽の伸びやかな歌声とチャーミングな演技は魅力的であり、飯田の夜の女王は貫禄十分で妖艶であった。

ラストでは、合唱が、1階席の通路に出てきて歌う。ホール全体に声が朗々と響き、効果的な演出であった。

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