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2008年12月30日 (火)

DVD 演劇集団キャラメルボックス 「きみがいた時間ぼくのいく時間」

演劇集団キャラメルボックスの公演「きみがいた時間ぼくのいく時間」を収録したDVDを紹介します。2008年4月、東京・池袋のサンシャイン劇場での収録。NHKエンタープライズの発行・販売。

「黄泉がえり」の梶尾真治の同名小説の舞台化。脚本・演出:成井豊。主演:上川隆也、西山繭子。出演は、西川浩幸、温井摩耶、阿部丈二、渡邊安理、筒井俊作、坂口理恵、岡田達也、左東広之、青山千洋、三浦剛、小林千恵。出演&ストーリーテラー:岡内美喜子。

演劇集団キャラメルボックスは、内容のわかりやすい劇をやっていて、それゆえに人気を博していますが、基本的に若者向けであり、演劇入門者をも意識した芝居作りをしているので、演劇を見慣れた方には「煩わしい」と思えるほどの説明過多の部分や、ストーリーと直結したセリフの用い方などの特徴があり、苦手と感じる人も多い団体です。

この「きみのいた時間ぼくのいく時間」でもそうした傾向は変わりませんが、この劇の場合は、主演である上川隆也の魅力で見せるという意図があり、ストーリー自体も感動できる要素が多く、多くの人に薦められます。DVD映像特典として、上川隆也、西山繭子、坂口理恵、成井豊、西川浩幸による座談会の模様(約38分)が収められています。

DVD 演劇集団キャラメルボックス「きみがいた時間ぼくのいく時間」(NHKエンタープライズ) 私は大阪厚生年金会館芸術ホールでの公演を観ていますが、客層が普段とキャラメルボックスとは明らかに違い、上川隆也ファンと思われる女性が多いのが印象的でした。上川隆也は青年期から老年まで、メイクを一切変えず、声と動作の変化だけで年齢の移り変わりを表現していますが、これが実に巧み。演劇人にも参考にして貰いたいDVDです。

演劇集団キャラメルボックス「きみがいた時間ぼくのいく時間」の概要と感想

2008年4月23日 大阪・新町の大阪厚生年金会館芸術ホールにて観劇

午後7時より、大阪・新町にある大阪厚生年金会館芸術ホールで、演劇集団キャラメルボックスの公演「きみがいた時間 ぼくのいく時間」を観る。
梶尾真治の同名の短編小説の舞台化。脚本・演出:成井豊。共同脚本・演出:隈部雅則。主演:上川隆也、西山繭子。出演は、西川浩幸、温井摩耶、阿部丈二、渡邉安理、筒井俊作、坂口理恵、岡田達也、左東広之、青山千洋、三浦剛、小林千恵。出演&ストーリーテラー:岡内美喜子。

人気劇団である演劇集団キャラメルボックスであるが、ここの芝居が苦手な人も多い。
かくいう私もその一人。キャラメルボックスは、東京のUHF局である東京MXテレビと契約を結んでいて、過去の公演が頻繁に放送される。関東にいた頃は私もなるべく観るようにしていたのだが、本当に面白いと思えたのは「また逢おうと龍馬は言った 1995」ぐらい。「嵐になるまで待って」も良かったかな。

公演を観に行ったのは、「カレッジ・オブ・ザ・ウィンド」(2000)以来だから8年ぶりになる。

キャラメルボックスが苦手な理由は、何といっても成井さんの作風で、舞台が開かれすぎている、別の言い方をすると登場人物の性格やストーリーの展開がステレオタイプに陥る確立が非常に高いということ。学生演劇のノリを頑なに守り続けているという気もする。

またキャラメルボックスは、早稲田演劇の一番悪い部分を継承してしまってもいて、俳優の発声が思いっ切り演劇していたり、身振り手振りが大きく且つ説明的だったり、セリフも説明に傾きすぎていたり。

俳優の発声が思いっ切り演劇しているというのは、俳優、特に女優さんにとっては問題で、とにかく大声を出して喉を潰してそれでも発声して、ということをするために、声の良い女優さんがほとんどいないのである。舞台女優にとって声が魅力的であることはルックス以上に重要なので、これは何とかしないと。

キャラメルの女優陣の声は以前よりも良くなっているけれど、それでも客演の西山繭子の声が一番綺麗というのは劇団としてまずいのではないかと思うのだが。

今回の公演は、原作があり、上川隆也が3年ぶりに出て、ヒロインを西山繭子(伊集院静の次女。小説家としても活躍している)が務めるということで観に出かけてみた。

キャラメルボックスの演劇の常として、受け狙いの身振り、余計だったり思いっ切り不自然で説明的だったり体がかゆくなるほどくさいセリフがあったりしたが、そういうのは観なかった聞かなかったことにして、ストーリーに集中。不満なところもイメージ補正して観る。お陰でいつも以上に疲れたけれど。

キャラメルボックスの公演は、これまでずっと一幕休憩なし、上演時間2時間以内だったが、今回は上演時間が2時間を超えるということで、キャラメルボックス史上初の途中休憩あり公演となった。上演時間は15分休憩を含めて2時間40分という大作である。

ストーリー自体に特に新鮮味はないし、基本的にはメロドラマ(実際にメロディーはずっと流れているし)路線でもあるけれど、今回の公演はキャラメルの芝居とは思えないほど感動的な仕上がりになっていた。原作があるということもあるだろうけれど、成功の大半は上川隆也の力。
キャラメルボックスは二枚看板で、西川浩幸という、これまた良い俳優がいるけれど、今回の劇は上川以外の主役は考えられない。
上川隆也はそれほどに良かった。

それに上川隆也は、その演技技術を盗みたくなる俳優でもあり、盗める俳優であるとも思う。他の劇団の舞台俳優も上川の演技はなるべく見るようにして、技術を向上させて欲しい。

演劇集団キャラメルボックス 「きみがいた時間ぼくのいく時間」2008年版

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