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2008年6月29日 - 2008年7月5日の7件の記事

2008年7月 5日 (土)

ギャビン・ブライヤーズ 「Jesus’blood Never Failed Me Yet」

ギャビン・ブライヤーズ(ギャヴィン・ブライアーズ)のミニマル・ミュージック、「Jesus’blood Never Failed Me Yet」のCDを紹介します。ポイント・ミュージック・レーベル。

「Jesus’blood Never Failed Me Yet」は、わずか数小節の歌が何遍も何遍も繰り返され、伴奏が弦楽五重奏に始まり、弦楽が足され、管楽器が足されという形で曲が進む度に分厚くなっていきます。

一応、「イエスの血は決して私を見捨てたことはない」という邦訳タイトルもありますが、奇妙な日本語なので、英語そのままのタイトルで紹介します。

ギャビン・ブライヤーズ 「Jesus’blood Never Failed Me Yet」 1971年にギャビン・ブライヤーズの友人が、ロンドンで暮らす貧しい人々を取材したドキュメンタリー映画を作り、映画音楽を担当したブライヤーズがラッシュ・フィルムを見ていた時のこと、ある酒場で、一人の老人が讃美歌「Jesus’blood Never Failed Me Yet」を歌い出すシーンがありました。そのシーンは映画本編には採用されなかったのですが、ブライヤーズを老人の歌声を使った楽曲を作ることに決めます。

最初に作られたのは約25分のバージョンで、歌声と伴奏とが、徐々に大きくなり、最高潮に達したところで音が弱くなってフェードアウトするというものでした。

今回紹介するバージョンは、その約3倍の長さのあるバージョンで、伴奏が一度弱まったり、フル編成の弦楽オーケストラや合唱が加わって奥行きが増すなど、深みが出ています。ラストでは、トム・ウェイツの歌う「Jesus’blood Never Failed Me Yet」が加わるというのもポップスファンにとって嬉しいサービスといえるでしょう。

構造的にはシンプルですが、そうした曲の性格のためか、感動があたかもボディーブローのように、ゆっくりと、確実に心を捉えていきます。

Bryars   Gavin *cl*/Jesus’blood Never Failed Me Yet: Tom Waits / Riesman / Hampton.q.o

Gavin Bryars - Miniatures, Vol. 2 (Edited By Morgan Fisher) - Jesus' Blood Never Failed Me Yet (Minature)

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これまでに観た映画より(27) 「蒲田行進曲」

DVDで日本映画「蒲田行進曲」を観る。階段落ちのシーンで知られる作品である。原作&脚本:つかこうへい、監督:深作欣二。出演は、松坂慶子、風間杜夫、平田満、原田大二郎、蟹江敬三、石丸謙次郎、萩原流行ほか。JACの千葉真一、真田広之、志保美悦子が本人役で友情出演している。

「蒲田行進曲」というタイトルなのに舞台は京都。松竹映画なのに、東映京都撮影所を中心に繰り広げられる物語で、監督も東映の深作欣二というひねくれた作品である。

スターだが、実生活では女ったらしの駄目男、「銀ちゃん」こと倉岡銀四郎(風間杜夫)、大部屋俳優の「ヤス」こと村岡安次(平田満)、かつては映画女優だったが今は全く売れていない小夏(松坂慶子)。普通の人生からは完全にはみ出てしまっている人が織りなす人情劇、というのもひねくれている。

くさい芝居が売り物の銀ちゃんだが、銀ちゃん役の風間杜夫を始め、出演者全員がくさい芝居をする。というより、くさい芝居でないと観ていられないし面白くない映画だろう。そういう映画もある。

笑えるシーンはたくさんあるが、基本的には人間ドラマ。今はもう時代遅れな気もするけど泣かせるねえ。私は泣かなかったけれど。
笑いを武器に、アングラ演劇第二世代を独走した、つかこうへいは、「私はコメディなどというゲスなものを書いたことは一度もありません」と語っているが、本音だろう。この映画を観てもそれはうなずける。

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2008年7月 3日 (木)

京都LRT構想について

京都市内にLRT(ライトレール。次世代型路面電車)の導入が検討されています。

かつては京都市内に張り巡らされていた路面電車網(京都市電)は京都名物の一つでしたが、「これからはモータリゼーションの時代」という言葉のもと廃止が進み、1978年に全廃となりました。

代わって市バス網が発達しましたが、それと同時に、京都市内の交通量が増え、モータリゼーションの負の面である自動車の排出ガス増加の問題も浮上します。

自動車の排出ガスには二酸化炭素が多量に含まれており、京都のような盆地にある街で、道幅が狭く、しかも碁盤目状という特殊な町割りのなされているところでは、排出ガスが貯まりやすいというこことになります。碁盤目状の町割りは、建物が低ければ問題ないのですが、ビルなどが建ち並ぶようになると、風が吹き抜けにくくなるため、空気の循環が悪くなり、温室効果ガスが溜まって、ただでさえ暑い京都の夏の気温を一層上げます。

二酸化炭素排出量の少ないLRTを導入し、同時に自動車の京都市中心街への乗り入れ量を減らすことが出来れば(ここが重要。LRTを導入しても、京都市中心部への自動車乗り入れに規制が行われなければ渋滞が更に酷くなって排出ガスも却って増える)、温室効果ガス削減を定めた京都議定書が採択された街・京都がCO2削減に大きく舵を取ったことをアピール出来ます。また暑すぎる京都の夏の気温を幾分かでも下げる効果も合わせて期待できるように思うのです。

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2008年7月 2日 (水)

チャールズ・マッケラス指揮プラハ室内管弦楽団 ヘンデル 組曲「水上の音楽」

「音楽の母」という称号でも知られるゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル(英語名 ジョージ・フレデリック・ハンデル)。
現在のドイツに生まれ、ハノーファーの宮廷で楽長を務めながら、イギリスに渡り、のちには英国に帰化したヘンデル。当時、音楽後進国であった英国において、音楽先進国ドイツ出身のヘンデルは厚遇を受けて気を良くし、ハノーファー選帝候の帰国命令を無視していました。
ところがそのハノーファー選帝候があろうことかイギリス王家の後継者として、ロンドンにてイギリス王ジョージ1世として即位するという展開に。命令を無視し続けたことで、ヘンデルは王に不愉快な思いをさせているため、王のご機嫌取りをする必要がありました。
そこで、テムズ川での王の船遊びの際に流れる音楽をヘンデルが作曲。これが3つの組曲にまとめられたのが、現在伝わっている「水上の音楽」です。

チャールズ・マッケラス指揮プラハ室内管弦楽団 ヘンデル「水上の音楽」組曲 ユネスコ・クラシックス盤ジャケット 「水上の音楽」のCDには古楽器によるものもありますが、私が気に入っているのは、現代楽器の室内オーケストラであるプラハ室内管弦楽団をチャールズ・マッケラスが指揮したCD。1978年にEMIが録音した音源を、ディスキーがユネスコへの協力のために「ユネスコ・クラシックス」として再リリースしたもの。

マッケラスとプラハ室内管弦楽団は、その後、モーツァルトの「交響曲全集」を録音して高い評価を得ましたが、ヘンデルの「水上の音楽」においても抜群の相性を示しています。

溌剌とした音楽を作る指揮者であると同時に、音楽学者としての顔を持つマッケラスの知情意のバランスの良さも印象的な一枚です。

ヘンデル/Water Music Suites.1-3: Mackerras / Prague.co  Etc

チャールズ・マッケラス指揮プラハ室内管弦楽団 ヘンデル「水上の音楽」組曲第1番~第3番 現行ジャケット

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2008年7月 1日 (火)

観劇公演パンフレット(29) 松本幸四郎&市川染五郎主演 松竹百年記念公演『アマデウス』(1995)

1995年10月に、東京・池袋のサンシャイン劇場で購入した、『アマデウス』のパンフレットを紹介します。

作:ピーター・シェファー、テキスト日本語訳:倉橋健&甲斐萬里江、演出:ジャイルス・ブロック、主演:松本幸四郎(サリエーリ)、市川染五郎(モーツァルト)、出演は渡辺梓(コンスタンツェ)ほか。制作:松竹株式会社。

松竹百年記念公演『アマデウス』 公演パンフレット

F・マリー・エイブラハム主演によって映画化されたことでもおなじみの、ピーター・シェファーの『アマデウス』。日本でもたびたび舞台に掛けられており、1995年の公演は7度目、幸四郎のサリエーリ、染五郎のモーツァルトによる親子共演としては2度目の公演でした。1995年は松竹の創業100周年にあたり、この『アマデウス』は松竹百年記念公演と銘打たれていました。

江守徹翻訳による戯曲が劇書房から出ており、私も事前に何度か読んでいたので知っていたのですが、『アマデウス』では、劇場が開場した時点ですでにサリエーリが舞台上にいることになっています。ただし、背もたれの高い椅子に腰掛け、客席とは反対の方向を向いて。

その日、私は開演30分前の開場と同時に劇場内に入ったのですが、舞台上にはもうすでにサリエーリを演じる松本幸四郎がいました。しかし、背もたれの高い椅子の陰になっているので、頭にかぶったナイトキャップと白髪のカツラ以外は見えません。そして、驚くべきことですが30分以上もの間、幸四郎さんはピクリとも動きません。ということで、『アマデウス』の戯曲を読んだことのない観客は、まさか舞台上にすでに幸四郎さんがいるとは知らず、思い思いに雑談をしていたりします。

さて、『アマデウス』は、風と呼ばれるサリエーリの従者の登場に続き、スピーカーから、「サリエーリ! サリエーリ!」と呼ぶ声がし、それが段々大きくなって頂点に達したところで、サリエーリを演じる幸四郎がサッと手を挙げて、「モーツァルト!」と叫ぶのですが、戯曲を読んだことのない人はそこで初めて幸四郎が舞台上にずっといたことに気づき、驚いて、ハッと息を呑む音と空気が会場に拡がります。
この時点ですでに演者のペースに観客を巻き込むことに成功しており、ピーター・シェファーの作劇方の巧さと、幸四郎の忍耐強さに感心させられることになりました。

パンフレットには、作品の概要、演出家の言葉のほかに、蜷川幸雄が松本幸四郎にあてた、毬谷友子が市川染五郎にあてた、仲代達也が渡辺梓にあてた賛辞が載っています。

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2008年6月30日 (月)

スピードガンと勝負しなかった男

投手の世界では、「スピードは麻薬」という言葉が使われることがあります。ここで使われているスピードとは覚醒剤の隠語では勿論なく、球速のことです。

スピードガン表示で良い数字が出るとそれが快感となり、やみつきになって、「もっと速い球を投げてやろう」と思うようになり、それが高じると、バッターよりもスピードガンと勝負するようになってしまいます。「快速球投手」と呼ばれながら、出れば打たれるで活躍出来なかった投手の中にはスピードガンと勝負してしまった人が少なからずいます(1球ごとにスピード表示を確認する投手は要注意です。かつて、西武のU投手は、勝ち星を満足に挙げられないという状態だったのに、ストレートを投げるたびにスコアボードを振り返って球速確認を行ったため、首脳陣から「スピードガンと勝負する奴はいらない」と言われてトレードに出されています)。

かつて、中日のリリーフエースとして活躍した牛島和彦氏が千葉ロッテの選手時代にテレビ出演した際に、自身の球速(前の記事で紹介した「データルーム」によると牛島の最速は中日時代にマークした143km)のことを訊かれて、「どこ行こうと関係ないというならもっと速い球は投げられますけれど、コントロールを重視しなければいけないので」というようなことを語っていました。

余興としてのスピードガンコンテストでなら、スピードガンと勝負してもいいのでしょうが、野球の場合は、投手の相手はあくまでバッター。いくら速くてもストライクが入らなかったり、打たれてしまうような球なら意味がないということです。

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2008年6月29日 (日)

野球の速球王データが充実 「データルーム」

野球に関する様々なデータ(歴代の速球王、年度別速球王、本塁打距離記録、選手年俸など)を集めたホームページ「データルーム」を紹介したいと思います。

「データルーム」 http://speed.s41.xrea.com/index.html

一個人のホームページですが、その充実ぶりは驚くばかり。特に速球王のページは更新も頻繁に行われていて、データも豊富。日本のプロ野球、高校野球、メジャーリーグ・ベースボールの歴代、年度別。四国・九州アイランドリーグ、社会人野球、大学野球、高校野球甲子園大会、韓国プロ野球、台湾職業棒球、世界最強といわれるキューバチームの通算。日本国内主要球場での最高記球速記録までも載っています。

しかし、速球王のデータを見て思うのは、スピードガンで上位に入る記録を出しながら、ほとんど活躍出来ないままプロ野球生活にピリオドを打った選手が多い一方で、「遅球王」というスピードガンがマークした最高記録速度が遅い投手の中に名投手とされるピッチャーが多く含まれており(山田久志のように、スピードガンが導入された時代には軟投派に転じていたピッチャーもいるが、全盛期でもMAX計時の低いピッチャーも多い)、改めて投手はスピードではないのだということがわかります。

また、速球派のイメージが強いのに、スピードガンが計時した最高速度がそれほどでもない投手や、軟投派とみなされながら、最高速度の記録においては速球派投手よりも上の投手がいたりするのも興味深いところ。

高校野球の通算本塁打記録のページもありますが、興味深いのは、高校時代の本塁打数で上位30名に入った選手で、プロ入り後もホームランバッターとして本当に活躍したのは清原和博(西武→巨人→オリックス)、江藤智(広島→巨人→埼玉西武)、城島健司(福岡ダイエー→福岡ソフトバンク→シアトル・マリナーズ)の三人(しかもシーズン本塁打王になったことがあるのは江藤智ただ一人)。ホームランバッターとしてそれなりに活躍したのも鈴木健(西武→ヤクルト)ぐらいしかいないということ。上位50名までを見ても、ホームランバッターとして活躍しているのは松井秀喜(巨人→ニューヨーク・ヤンキース)、山崎武司(中日→オリックス→東北楽天)の二人が加わるだけで、高校時代のスラッガーがプロに入っても活躍出来るという保証はどこにもないということになります。

ちなみに現在、日本プロ野球屈指のパワーヒッターとして知られる小笠原道大選手は「データルーム」の高校野球本塁打記録には登場しません。なぜかといえば小笠原選手は高校時代は非力で、本塁打を1本も記録していないためです。やはり高校時代の記録というのは当てにならないようです。

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