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2009年1月29日 (木)

コンサートの記(34) 大植英次指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団第407回定期演奏会

2007年4月20日 大阪・福島のザ・シンフォニーホールで

大阪へ。ザ・シンフォニーホールで、大阪フィルハーモニー交響楽団の第407回定期演奏会を聴く。指揮は音楽監督の大植英次。曲目は前半がオレグ・マイセンベルク独奏によるラフマニノフのピアノ協奏曲第3番。後半がショスタコーヴィチの交響曲第5番というロシアものである。

今日も満員。補助席が出るほどの盛況である。

ウクライナに生まれ、現在はウィーン国立音楽大学のピアノ科の教授でもあるというオレグ・マイセンベルクは、時々うなり声を上げながら、難曲中の難曲とされるラフマニノフのピアノ協奏曲第3番に立ち向かう。スケールは大きく、技術も高い。良いピアニストだ。
一方の大植英次は、伴奏に徹し、オーケストラの音量もマイセンベルクが弾きやすいように時折落としたりする。また譜面台にスコアを置いていたが、それに目をやることはなく、ほとんどマイセンベルクの手元を見ながらの指揮であった。ピアノに合わせているという印象が強く、大植ならではの味わいは薄い。
大阪フィルは音色の華やかさは今一つ。ただ、抒情的な部分の表現力はなかなかである。

ショスタコーヴィチの交響曲第5番。大植指揮のショスタコーヴィチは交響曲第7番「レニングラード」をCDで聴いており、好感の持てる演奏だった。またマーラー指揮者はショスタコーヴィチも得意としている場合が多く、期待が高まる。

「最初から情熱全開でいくだろう」、と思いきや、冒頭は音量を抑え、ショスタコーヴィチの苦悩を丁寧に描写していく。そして、クライマックスに至るや急激なギアチェンジを行い、派手な演出をしてみせる。その対比が鮮やかだ。

大阪フィルは、木管が健闘。金管もまずまずだが、揃わないところがいくつかあった。

丁寧さと派手さの対比は、第4楽章で多いに発揮される。第4楽章は冒頭のテンポは中庸。しかしすぐに極端なまでの加速を見せる。そして皮相な音の爆発。一方で、静かな部分は第3楽章の続きを思わせるような苦み走った表情を徹底して追求する。結果、凱歌と見なされる第4楽章が凱歌には聞こえず、悲しみの洪水のように感じられた。大植はこの曲が持つ別の一面を示した。優れた演奏だ。ただ、大植が感極まって演奏終了後に泣くような仕草を見せたのは、いかにもレナード・バーンスタインの弟子らしくて嫌だったが。

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