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2009年1月28日 (水)

観劇感想精選(60) 「エレンディラ」

2007年9月14日 大阪・京橋のシアターBRAVA!にて観劇

大阪・京橋のシアターBRAVA!で、蜷川幸雄演出の公演「エレンディラ」を観る。
『百年の孤独』、『予告された殺人の記録』のガブリエル・ガルシア=マルケスの小説「エレンディラ(無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語)」を坂手洋二が戯曲化。出演は、中川晃教、美波、嵯川哲朗、國村隼、品川徹、あがた森魚、石井愃一、山本道子、立石涼子ほか。音楽:マイケル・ナイマン。
全3幕。2度の休憩を含んで上演時間約4時間の大作である。

南米コロンビア。森の奥の豪邸で祖母とともに暮らすエレンディラ(美波)は、ある風の強い日に、蝋燭をつけたまま眠ってしまい、家を全焼させてしまう。祖母(嵯川哲朗)は、エレンディラを娼婦にし、失った財産の分だけ稼ぐように命じる。ある日、エレンディラはウリセスという名の青年(中川晃教)と恋に落ちる。ウリセスとの駆け落ちを図るエレンディラ。しかし逃亡はしたものの祖母に見つかってしまい、引き離される二人。
やがて再会したエレンディラとウリセスは祖母の殺害を企てるのだった……。

マイケル・ナイマンのミニマル・ミュージックは、繰り返される音型が呪術的でもあり、印象に残るが、他の映画音楽からの使い回しがあるのが気になる。

エレンディアとウリセスの恋を描く第1幕と第2幕は、物語も面白いし、テントやジープなどを全て人力で動かし、舞台下手(向かって左側)で、紙芝居をやったりする蜷川の意欲的な演出も興味深い。しかし何といっても圧巻だったのは第3幕。ガルシア=マルケスの分身ともいうべき作家(國村隼が演じた)が現れ、エレンディアの物語の真実が明かされていく。ミステリー仕立ての面白さだ。
そしてラストシーンの絵のような美しさ。ラストシーンを観るだけでも十分に価値のある公演であった。

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