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2009年6月24日 (水)

観劇感想精選(72) 「野村万作・萬斎 狂言公演『唐人相撲』」

2009年3月28日 滋賀県大津市のびわ湖ホール中ホールにて観劇

午後7時から、びわ湖ホール中ホールで、びわ湖ホール開場10周年記念公演「野村万作・野村萬斎 狂言公演 『唐人相撲』」を観る。

野村万之介の独演による「見物左右衛門」と、野村萬斎、野村万作らによる「唐人相撲」の狂言二本立て。2階席の最後列での観劇であった。

まず野村萬斎によるレクチャーがある。びわ湖ホールでの公演の思い出、作品の紹介と、ちょっとしたワークショップなどをユーモアを交えて語る。

能楽囃子の演奏があった後で「見物左右衛門」が始まる。狂言としては珍しい一人語り。京・深草に住む見物左右衛門なる男が深草祭の日に出かけて、様々なものを見聞きし、最後には相撲を取ることになるというお話。一人語りではあるが、目に見えない人々とのやり取りがある。相撲も一人で取るが目に見えない相手がいるという設定である。演劇でも狂言でも一人ものというのは特殊で、「見物左右衛門」もストーリー自体は意外性はあるものの、特別どうこういう代物ではない。珍しいものが観られた、というのが実感である。

「唐人相撲」は、狂言史上もっとも大がかりな作品の一つで、登場人物40人、上演時間1時間近くという大作である。舞台は中国であるが、狂言の主な作品の中で、中国が舞台になっているのは、この「唐人相撲」ただ1作だそうである。セリフは少なく、しかも出鱈目中国語を多用するという特異な演目。大人数を要するということもあって、滅多に上演されることはないという。

日本人の相撲取り(野村萬斎)は、日本での相撲に取り飽きて、唐国へと渡り、皇帝のお気に入りとなる。しかし、望郷の思いが募り、皇帝(野村万作)に帰朝を申し出た。皇帝は帰朝を許すが、名残としてもう一度相撲が観たいという。そこで唐人達が次から次へと日本の相撲取りに挑むことになる。

セリフではなく動きで笑わせる狂言。出演者達もアクロバティックな技を披露して、客席を沸かせる。開演直後の萬斎のワークショップで習った掛け声を観客が発したりと、舞台と客席が一体になる仕掛けも生きて、楽しい演目であった。

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