コンサートの記(47) 佐渡裕プロデュースオペラ「カルメン」
2009年6月28日 兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールにて
西宮に行く。兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールで午後2時開演の佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2009「カルメン」を観るためである。
午後1時ちょっと前に兵庫県立芸術文化センターに着いて、今回の「カルメン」の案内展示などを見る。午後1時15分開場。
今回の「カルメン」も恒例のダブルキャストである。今日、タイトルロールを歌うのは、期待の若手メゾ・ソプラノ歌手である林美智子。出演はその他に、佐野成宏、成田博之、安藤赴美子、吉村美樹、田村由貴絵、桝貴志、松本進、大川信之、初鹿野剛、真野郁夫、ジャン=ガブリエル・デュピェイ、ドゥニーズ・マッセ(声の出演)、小林由佳、浜田和彦、二期会合唱団のメンバー、ひょうごプロデュースオペラ合唱団のメンバー、ひょうごプロデュースオペラ児童合唱団のメンバーなど。
演奏は、佐渡裕指揮の兵庫芸術文化センター管弦楽団。演出:ジャン=ルイ・マルティノーティ。
毎年夏に上演される佐渡裕プロディースによるオペラ公演。今年は待望の「カルメン」である。これまでは西宮だけの上演だったが、今年は同じキャストで、名古屋と東京でも公演を行う(オーケストラは名古屋が兵庫芸術文化センター管弦楽団、東京は東京フィルハーモニー交響楽団)。
カルメンの第1幕前奏曲は2つの部分からなるが、後半が始まったところで幕が開き、台本には書かれていない結末の部分が演じられる。
舞台装置(ハンス・ジャヴェルノホが担当)は鏡や映像、紗幕などを駆使した興味深いものである。鏡の使用は実に効果的であったが、映像は時にやり過ぎと感じられるところもある。
佐渡裕の指揮は思ったよりも流れを重視。ここぞというときのダイナミックさはいかにも佐渡らしかったが、その他の部分は思いの外あっさりしている。
舞台である19世紀の風俗と現代のそれがない交ぜになった演出で、それが意外にマッチしている。例えば密輸団のアジトは現代的なバーなのだが、そこにいる人達の格好は19世紀風。しかしそれが奇妙ではない。
歌手も演奏も充実していた。だが、それ以上に「カルメン」という作品の力に感心させられる。特にラストなどは観ていて体の芯が震えて止まらなかった。やはり「カルメン」というのは凄いオペラなのである。
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