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2011年9月10日 (土)

コンサートの記(70) スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮 NHK交響楽団京都公演2004

2004年4月24日 京都コンサートホールにて

京都コンサートホールで17時開演のNHK交響楽団のコンサートを聴きに行く。指揮はミスターSこと名匠スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ。
前から2列目の席で奏者が目の前である。オール・ベートーヴェン・プログラムで最初は「エグモント序曲」。
エグモントを聴くのは久しぶりだが、主旋律を全て憶えていることに我ながら驚く。言語的、視覚的記憶力は衰えたが、音楽的記憶力はまだ相当なものであることがわかった。N響は音色が地味である。

2曲目はヴァイオリン協奏曲。奏者はパトリシア・コパチンスカヤ。名前からわかるようにスラヴ系の女性奏者である。77年生まれだから妹と同い年だ。楽譜を見ながらの演奏。かなり情熱的な弾き方をする人で音楽に勢いがあるが、たまに音程が危うくなる。カデンツァは初めて耳にするものだ。終演後の掲示によると2000年に作曲された新しいものであるという。
アンコールは現代作曲家のバイオリンソロ曲。かなり難度の高いテクニックを要求される曲だと思うが、途中、足踏みが入ったり、スキャットを用いたりと楽しい。最後はターンで決めた。アイススケートのようだ。

メインは交響曲第5番。スクロヴァチェフスキの第5は以前、N響の定期公演で耳にしたことがあり、オーソドックスな名演だった。その時のライヴ録音が Altusから出ている。
冒頭の主題から明快な演奏で特に目新しいことはない。N響の音は渋く、砂利の上の足音のようにざらついた感じがある。
第2楽章も安定した演奏。
ところが第3楽章になるとスクロヴァチェフスキは突如大見得を切り始める。いきなり第1バイオリンが大きなスウィングをはじめて驚いた。旋律の処理も非常に細かい。第4楽章も個性的な表現。特に第1バイオリンの生かし方が巧い。どちらかといえば弦主体の解釈で、旋律の掛け合いが面白い。普通、3連譜で演奏するところを2連譜で演奏したため、使用している楽譜がベーレンライター版であることがわかる。N響の音もいつの間にか艶やかで輝かしいものに変わっていた。砂金が純金になったような感じだ。
文句なしの名演であった。

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