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2011年12月30日 (金)

笑いの林(2) 「笑い飯・千鳥の大喜利ライブ」2011年11月

2011年11月7日 京橋花月にて

午後7時30分から京橋花月で、「笑い飯・千鳥の大喜利ライブ」を観る。

笑い飯と千鳥は東西の吉本若手漫才師のエース的存在である(ちなみにみな私と同世代である。人を笑わせることほど難しいことはないので、我々の世代でもまだ若手なのである)。そこに、若手ホープの麒麟・川島(相方の田村は出ない。というより出られない。理由はお笑いにちょっとでも詳しい人ならわかるはずである)も加わるという鉄壁の布陣。まず外れはないはずである。更にすべり芸も出来る土肥ポン太と大阪の若手としてはトップランクの天竺鼠・川原が加わるという強力ラインナップである。更にR-ぐらんぷり決勝に進んだヒューマン中村、関西では人気のあるファミリーレストランが加わるという出血大サービス公演である。

司会を千鳥のノブが務める。

ノブが大阪マラソンの出場したときの笑える話をした後で、出演者が登場し、まずは、日テレ系で日曜夕方に放送される某お笑い番組をコピーした大喜利の真似。大喜利というのはラストにあるものなので、本当の大喜利はラストにもう一度ある。最初にやるのはあくまで真似である。京橋花月が今月末で閉鎖ということで、京橋花月ゆかりの芸人の顔写真が用意され、出演者はその人の気持ちになって思いを語るのだが、用意された顔写真の人物はみな京橋花月ゆかりだが、余り売れていない芸人である。いわゆる不景気芸人と呼ばれる人が何人も混じっている。売れっ子の芸人の写真はない。ということでマイナス感たっぷりのギャグが繰り広げられる。これも面白かったが続く演目が凄かった。

まずは替え歌のコーナー。爆風スランプの「ランナー」のサビ「走る走る俺たち」の部分の替え歌なのだが、みな芸人の名前を歌詞に入れようとする。ほぼ無理矢理である。もちろんわざとやって笑いを取りに来ている。千鳥・ノブが「芸人の名前なし」と一応いうが、笑い飯・哲夫は「焼き鳥Diningハマー」と、テンダラーの浜本広晃が経営する焼き鳥店の名前を出して、「店の名前だからええんちゃうの?」とぼけてみせる。ちなみに、笑い飯・哲夫とテンダラー・浜本は今月、京橋花月において、二人でのお笑いライブを行う。私もチケットは確保してある。

続いて、オフコースの「さよなら」の出だしの替え歌コーナーになるのだが、笑い飯・哲夫の店のギャグが影響したのか、今度は閉店間際の店の様子をみなで描写しようとする。一人が店の紹介のボケをやると、次の人がその続きをやったりする。冒頭の大喜利もどきで使われた不景気芸人の名前もギャグに取り入れられる。千鳥・大悟に至っては、閉店間際でもなんでもなく普通に行きつけの店の紹介をしたりする。

ヒューマン中村による漫談。ヒューマン中村は知能犯的な風貌で、それを生かしたギャグも勿論行う。かなり面白いギャグと今一つのものの差がありすぎるというのが正直な感想である。打率を高めるとR-1王者も狙えるだろう。ネタ終了後にノブと笑い飯・西田が登場してフォローする。

続いて、ファミリーレストランによるコント。4年に一度行われる、笑いの祭典「ワラリンピック」に下林朋央(しもばやし・ともお)が出場して体を使ったギャグを披露、原田良也(はらだ・りょうや)が実況中継を行うというネタである。下林のネタの受けがいまいちだったりすると、原田がそれをそのまま「やや受け」などと語って笑いに変える。コンビネーションは抜群である。下林は私よりも年下だが、やはり加齢により身体能力は落ちているようで、ジャンプして着地したときに、足が乱れて、あやうく舞台から落ちそうになったり、体を前に進めた時にきちんと体を止めることが出来なかったりするが、原田は「おーっと、着地が乱れた」とそのままずばりを言って笑いに変えていた。

ファミリーレストランは「よしもとネタネットワーク あなたの街に住みますプロジェクト」に参加していて、滋賀県に移住して活動を行っているという。やはりフォローのためにネタ終了後に加わったノブとともに「京橋花月が閉まるので、大津にある、びわ湖ホールで大喜利をやるのはどうか」と提案。客席に賛同の挙手を求める。大津市は実は京都市の隣町なので、私は賛成の手を挙げたが、やはり大阪のお客さんには「大津は遠い」というイメージがあるようで、挙手する人は少なかった。

料理教室ネタのコーナー。「どんな料理を作るのか」、「キャベツの千切りのコツ」、「フライパンから火が出た」という3つの設定の中から1つを選んで、ギャグを行い、一番面白いネタを披露した芸人がチャンピオンになるというもの。アシスタントとして、新人の女性芸人が加わる。相手はみな売れっ子芸人なので新人といえど、ちゃんとした人のはずである。たまたまスケジュールが空いていたという理由で起用したりはしないだろう。

お笑いと演劇、どちらも舞台であるが、決定的な違いが一つある。演劇には端役がいる場合も多いが、お笑いは今日のケースなどを除いて、舞台上に端役の人はいない。全員が主役である。それだけにお笑いの場合、力のない人は舞台に立つことが出来ない。しかも吉本のトップレベルの人が集まっているわけだから、今日は天才集団を見るということになる。

笑い飯・哲夫は「若王子(わかおうじ)さん誘拐事件(三井物産マニラ支店長誘拐事件。1986年に起きている。私は当時小学校6年生だった。1974年生まれなので、小学校1年から6年までは、そのまま1981年から1986年ということになる。当時話題になった事件である。笑い飯は実は二人とも私と同い年なのでよく覚えているはずである)」をネタに使い、更にこの後でももう一度使って、千鳥のノブから「大阪限定で、『若王子さん』が検索ワード上位になるわ」と突っ込まれていた。それまでは天竺鼠の川原がやったネタをノブは1位に選んでいたが(実は私と意見が一致している。偶然では多分ない。ノブは誰が一番面白いかをちゃんと理解しているということになる)、哲夫により、若王子さん誘拐事件の2度目のネタを1位に選ぶ。
ちなみに京都には、若王子と書いて「にゃくおうじ」と読む地名がある。どうでもいいか。
その後、ノブは「もうすぐ終わり」と言ってカウントダウンを始めるのだが、みんな誰も手を挙げないのが一番面白いということはわかっているので、挙手する人はいなかった。この辺は流石である。

最後は本当の大喜利。「出番の少ないオーケストラのシンバルの奴〈ママ〉の心境」、「パンで挟みたいもの」、「ハクション大魔王がオナラをしたときに出てくるものは?」、「もう地球に帰って来られないかも知れない宇宙飛行士が家族に向かって最後に言うセリフ」などのお題に、芸人達がスケッチブックにギャグを書いて答えるというものであるが、これが凄まじかった。これは誰にも遠慮はいらない、ということで、芸人が全員、真剣になって自分が一番の笑いを取りに行く。勿論、仲間なので、他の芸人のネタを真似したりはする。だが、売れっ子芸人が本気で笑いを取りに行くとここまで面白いのかと感心することしきりである。抱腹絶倒とはまさにこのことで、客席が大いに沸く。私も大笑いの連続である。
余談であるが、ブルックナーの交響曲第7番は演奏時間1時間を超える大作であるが、シンバルが一度だけ鳴る。ノヴァーク版限定で、ハース版の楽譜には存在しないが、たった一度音を鳴らすためにシンバル奏者はステージにいるのである。鳴るのは第2楽章のクライマックス。ここで一度鳴る。そしてその前にもその後にもシンバルの出番はない。ブルックナーは強迫性障害を患うなど、精神的に不安定なところのあった人で(今でこそブルックナーの交響曲はオーケストラの王道レパートリーであるが、ブルックナーの生前は交響曲第7番が成功を収めたくらいで、他の曲は等閑視されている。ブルックナーが評価されるのは彼が亡くなってから大分経ってからのことである。この事も彼の精神状況に影響を及ぼしているだろう)、ウィーン・フィルに自分の交響曲を演奏して貰えるというので、大喜びしたが、ウィーン・フィルからリハーサルまで行いながら本番での演奏を拒否されるという屈辱を味わってもいる。自分に自信のある人だとよかったのだが、ブルックナーは神経質で、「曲が悪いから演奏されないのだ」と思い込み(実は曲の本当の良さというのは時を経ないとわからないのである)楽譜の校訂を繰り返したため、同じ曲の別バージョンが何種類も存在するということになった。交響曲第7番は例外的にブルックナーの生前に成功した曲なので、校訂は少ないが、ノヴァーク版とハース版の二種類が存在する。シンバルが鳴ったらノヴァーク版の楽譜使用。シンバル奏者がいなかったらハース版の楽譜使用である。個人的にはシンバル奏者の心境よりも、なぜブルックナーが一音だけシンバルが鳴るなどという曲を書いてしまったのかに興味がある。

余談はともかくとして大当たりの公演であった。

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