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2011年12月の27件の記事

2011年12月31日 (土)

第九あれこれ 2011 朝比奈隆 N響との唯一の第九

朝比奈隆指揮NHK交響楽団、東京藝術大学合唱団ほかによるベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」を紹介します。NHK交響楽団第990回定期演奏会のライブ収録。フォンテック・レーベル。

日本におけるベートーヴェン演奏に第一人者といわれた朝比奈隆(1908-2001)。朝比奈は大阪フィルハーモニー交響楽団の音楽総監督でしたが、NHK交響楽団の音を「日本一の音色」と評価し、「NHK交響楽団は日本一のオーケストラなのだから、もっとしっかりして貰わないと困る」と苦言を呈したこともありました。

年末になると日本では全国各地で第九が演奏されますが、この嚆矢となったのもNHK交響楽団で、ローゼンシュトックが「ライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が年末に第九を演奏する」と紹介し、戦後に尾高尚忠の指揮で年末に第九を演奏したところ、これが大好評で、N響(当時の名前は日本交響楽団)は毎年、年末に第九を演奏するようになり、他の日本のオーケストラもこれを真似て、「日本の年末といえば第九」が定番となりました。今や「年末の第九」は日本の風物詩です。

そのため、NHK交響楽団も第九の演奏には誇りがあり、良い指揮者でない限り第九を振らせることはありません。年末の第九は外国人著名指揮者の招聘が続いています。

そんな中で、N響の第九を振った日本人指揮者が朝比奈隆でした。

朝比奈隆指揮NHK交響楽団 ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」 この第九は実は年末の第九ではありません。演奏が行われたのは1986年4月25日。しかも当初の指揮者は朝比奈ではなく、ギュンター・ヴァントの予定でした。ただ、ヴァントは厳しい練習を課すことで知られた指揮者でしたので、結局この時はN響側の提示した条件にヴァントが納得せず、キャンセルとなりました。そこで代わりに指揮台に立つことになったのが朝比奈隆でした。年末以外の第九となると、年末の第九以上に指揮者は厳選されます。その中で朝比奈が選ばれたのです。

朝比奈がN響と第九の演奏を行ったのはこの時だけですので、それだけでも貴重な記録です。

演奏ですが、朝比奈らしい、巨大なスケールを誇ります。客演でもあり、また相手がNHK交響楽団ですので、手兵の大阪フィルや、東京における拠点オーケストラだった新日本フィルハーモニー交響楽団を指揮した時ほどには朝比奈は自由には振る舞っていませんが、日本で一番ドイツ的な音を出すNHK交響楽団を指揮しただけあって、重厚で渋い演奏を味わうことが出来ます。
日本音楽史上に残るベートーヴェン指揮者の朝比奈隆と、朝比奈が「日本一」と認めたNHK交響楽団による第九。ベートーヴェン好きなら一度は聴いておきたい演奏です。

朝比奈隆指揮NHK交響楽団 ベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」(フォンテック)タワーレコード

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2011年12月30日 (金)

没後20年 山田一雄指揮札幌交響楽団 「ベートーヴェン交響曲全集」

情熱的な指揮で人気のあった山田一雄(愛称は「ヤマカズ」。1912-1991)。今年はヤマカズさんの没後20年に当たります。
ベートーヴェンを得意としたヤマカズさん。そんなヤマカズさんが最晩年に札幌交響楽団とベートーヴェン交響曲チクルスを行い、ライブ録音が行われて、「ベートーヴェン交響曲全集」となりました。なお、交響曲第1番だけは山田一雄急死のため、矢崎彦太郎の指揮代行で演奏が行われ、録音されています。

山田一雄指揮札幌交響楽団 「ベートーヴェン交響曲全集」

1989年から1991年にかけて、札幌の北海道厚生年金会館大ホールで行われたライブ収録。

20年前の札幌交響楽団は今よりもアンサンブルが粗めで、ヤマカズさんは「振ると面食らう」と言われたほど棒がわかりにくい指揮者だったということもあり、ライブ特有の傷もあります。しかし、それを補って余りある快演揃いです。札幌交響楽団の演奏も鑑賞に十分堪える水準で、20世紀の日本を代表する指揮者の一人であるヤマカズさんのベートーヴェンを堪能出来ます。

なお、録音は日本コロムビアによって行われましたが、長く廃盤になっており、タワーレコードが日本コロムビアの協力を得て、復刻しています。ですのでタワーレコードのみでの限定販売です。

山田一雄指揮札幌交響楽団 「ベートーヴェン交響曲全集」(タワーレコード)

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笑いの林(2) 「笑い飯・千鳥の大喜利ライブ」2011年11月

2011年11月7日 京橋花月にて

午後7時30分から京橋花月で、「笑い飯・千鳥の大喜利ライブ」を観る。

笑い飯と千鳥は東西の吉本若手漫才師のエース的存在である(ちなみにみな私と同世代である。人を笑わせることほど難しいことはないので、我々の世代でもまだ若手なのである)。そこに、若手ホープの麒麟・川島(相方の田村は出ない。というより出られない。理由はお笑いにちょっとでも詳しい人ならわかるはずである)も加わるという鉄壁の布陣。まず外れはないはずである。更にすべり芸も出来る土肥ポン太と大阪の若手としてはトップランクの天竺鼠・川原が加わるという強力ラインナップである。更にR-ぐらんぷり決勝に進んだヒューマン中村、関西では人気のあるファミリーレストランが加わるという出血大サービス公演である。

司会を千鳥のノブが務める。

ノブが大阪マラソンの出場したときの笑える話をした後で、出演者が登場し、まずは、日テレ系で日曜夕方に放送される某お笑い番組をコピーした大喜利の真似。大喜利というのはラストにあるものなので、本当の大喜利はラストにもう一度ある。最初にやるのはあくまで真似である。京橋花月が今月末で閉鎖ということで、京橋花月ゆかりの芸人の顔写真が用意され、出演者はその人の気持ちになって思いを語るのだが、用意された顔写真の人物はみな京橋花月ゆかりだが、余り売れていない芸人である。いわゆる不景気芸人と呼ばれる人が何人も混じっている。売れっ子の芸人の写真はない。ということでマイナス感たっぷりのギャグが繰り広げられる。これも面白かったが続く演目が凄かった。

まずは替え歌のコーナー。爆風スランプの「ランナー」のサビ「走る走る俺たち」の部分の替え歌なのだが、みな芸人の名前を歌詞に入れようとする。ほぼ無理矢理である。もちろんわざとやって笑いを取りに来ている。千鳥・ノブが「芸人の名前なし」と一応いうが、笑い飯・哲夫は「焼き鳥Diningハマー」と、テンダラーの浜本広晃が経営する焼き鳥店の名前を出して、「店の名前だからええんちゃうの?」とぼけてみせる。ちなみに、笑い飯・哲夫とテンダラー・浜本は今月、京橋花月において、二人でのお笑いライブを行う。私もチケットは確保してある。

続いて、オフコースの「さよなら」の出だしの替え歌コーナーになるのだが、笑い飯・哲夫の店のギャグが影響したのか、今度は閉店間際の店の様子をみなで描写しようとする。一人が店の紹介のボケをやると、次の人がその続きをやったりする。冒頭の大喜利もどきで使われた不景気芸人の名前もギャグに取り入れられる。千鳥・大悟に至っては、閉店間際でもなんでもなく普通に行きつけの店の紹介をしたりする。

ヒューマン中村による漫談。ヒューマン中村は知能犯的な風貌で、それを生かしたギャグも勿論行う。かなり面白いギャグと今一つのものの差がありすぎるというのが正直な感想である。打率を高めるとR-1王者も狙えるだろう。ネタ終了後にノブと笑い飯・西田が登場してフォローする。

続いて、ファミリーレストランによるコント。4年に一度行われる、笑いの祭典「ワラリンピック」に下林朋央(しもばやし・ともお)が出場して体を使ったギャグを披露、原田良也(はらだ・りょうや)が実況中継を行うというネタである。下林のネタの受けがいまいちだったりすると、原田がそれをそのまま「やや受け」などと語って笑いに変える。コンビネーションは抜群である。下林は私よりも年下だが、やはり加齢により身体能力は落ちているようで、ジャンプして着地したときに、足が乱れて、あやうく舞台から落ちそうになったり、体を前に進めた時にきちんと体を止めることが出来なかったりするが、原田は「おーっと、着地が乱れた」とそのままずばりを言って笑いに変えていた。

ファミリーレストランは「よしもとネタネットワーク あなたの街に住みますプロジェクト」に参加していて、滋賀県に移住して活動を行っているという。やはりフォローのためにネタ終了後に加わったノブとともに「京橋花月が閉まるので、大津にある、びわ湖ホールで大喜利をやるのはどうか」と提案。客席に賛同の挙手を求める。大津市は実は京都市の隣町なので、私は賛成の手を挙げたが、やはり大阪のお客さんには「大津は遠い」というイメージがあるようで、挙手する人は少なかった。

料理教室ネタのコーナー。「どんな料理を作るのか」、「キャベツの千切りのコツ」、「フライパンから火が出た」という3つの設定の中から1つを選んで、ギャグを行い、一番面白いネタを披露した芸人がチャンピオンになるというもの。アシスタントとして、新人の女性芸人が加わる。相手はみな売れっ子芸人なので新人といえど、ちゃんとした人のはずである。たまたまスケジュールが空いていたという理由で起用したりはしないだろう。

お笑いと演劇、どちらも舞台であるが、決定的な違いが一つある。演劇には端役がいる場合も多いが、お笑いは今日のケースなどを除いて、舞台上に端役の人はいない。全員が主役である。それだけにお笑いの場合、力のない人は舞台に立つことが出来ない。しかも吉本のトップレベルの人が集まっているわけだから、今日は天才集団を見るということになる。

笑い飯・哲夫は「若王子(わかおうじ)さん誘拐事件(三井物産マニラ支店長誘拐事件。1986年に起きている。私は当時小学校6年生だった。1974年生まれなので、小学校1年から6年までは、そのまま1981年から1986年ということになる。当時話題になった事件である。笑い飯は実は二人とも私と同い年なのでよく覚えているはずである)」をネタに使い、更にこの後でももう一度使って、千鳥のノブから「大阪限定で、『若王子さん』が検索ワード上位になるわ」と突っ込まれていた。それまでは天竺鼠の川原がやったネタをノブは1位に選んでいたが(実は私と意見が一致している。偶然では多分ない。ノブは誰が一番面白いかをちゃんと理解しているということになる)、哲夫により、若王子さん誘拐事件の2度目のネタを1位に選ぶ。
ちなみに京都には、若王子と書いて「にゃくおうじ」と読む地名がある。どうでもいいか。
その後、ノブは「もうすぐ終わり」と言ってカウントダウンを始めるのだが、みんな誰も手を挙げないのが一番面白いということはわかっているので、挙手する人はいなかった。この辺は流石である。

最後は本当の大喜利。「出番の少ないオーケストラのシンバルの奴〈ママ〉の心境」、「パンで挟みたいもの」、「ハクション大魔王がオナラをしたときに出てくるものは?」、「もう地球に帰って来られないかも知れない宇宙飛行士が家族に向かって最後に言うセリフ」などのお題に、芸人達がスケッチブックにギャグを書いて答えるというものであるが、これが凄まじかった。これは誰にも遠慮はいらない、ということで、芸人が全員、真剣になって自分が一番の笑いを取りに行く。勿論、仲間なので、他の芸人のネタを真似したりはする。だが、売れっ子芸人が本気で笑いを取りに行くとここまで面白いのかと感心することしきりである。抱腹絶倒とはまさにこのことで、客席が大いに沸く。私も大笑いの連続である。
余談であるが、ブルックナーの交響曲第7番は演奏時間1時間を超える大作であるが、シンバルが一度だけ鳴る。ノヴァーク版限定で、ハース版の楽譜には存在しないが、たった一度音を鳴らすためにシンバル奏者はステージにいるのである。鳴るのは第2楽章のクライマックス。ここで一度鳴る。そしてその前にもその後にもシンバルの出番はない。ブルックナーは強迫性障害を患うなど、精神的に不安定なところのあった人で(今でこそブルックナーの交響曲はオーケストラの王道レパートリーであるが、ブルックナーの生前は交響曲第7番が成功を収めたくらいで、他の曲は等閑視されている。ブルックナーが評価されるのは彼が亡くなってから大分経ってからのことである。この事も彼の精神状況に影響を及ぼしているだろう)、ウィーン・フィルに自分の交響曲を演奏して貰えるというので、大喜びしたが、ウィーン・フィルからリハーサルまで行いながら本番での演奏を拒否されるという屈辱を味わってもいる。自分に自信のある人だとよかったのだが、ブルックナーは神経質で、「曲が悪いから演奏されないのだ」と思い込み(実は曲の本当の良さというのは時を経ないとわからないのである)楽譜の校訂を繰り返したため、同じ曲の別バージョンが何種類も存在するということになった。交響曲第7番は例外的にブルックナーの生前に成功した曲なので、校訂は少ないが、ノヴァーク版とハース版の二種類が存在する。シンバルが鳴ったらノヴァーク版の楽譜使用。シンバル奏者がいなかったらハース版の楽譜使用である。個人的にはシンバル奏者の心境よりも、なぜブルックナーが一音だけシンバルが鳴るなどという曲を書いてしまったのかに興味がある。

余談はともかくとして大当たりの公演であった。

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2011年12月27日 (火)

桜 稲垣早希 三徳山投入堂に挑む ロケみつDVD「桜 稲垣早希の目指せ!鹿児島 西日本横断ブログ旅」9 キリンの巻

現在、関西地方の深夜で再放送が行われている「ロケみつ 桜 稲垣早希の目指せ!鹿児島 西日本横断ブログ旅」。今回はそのDVDを紹介します。

岡山県倉敷市の美観地区を訪ねる第7巻「ヒツジの巻」、鳥取砂丘で早希ちゃんがパラグライダーに挑戦する第8巻「カエルの巻」も面白いです。残念なのは、「ヒツジの巻」に入るはずだった、岡山県高梁市立吹屋小学校のオルガンで、早希ちゃんが「ジングルベル」を演奏するシーンがカットされていることです。

そして、ロケみつ史上、最も過酷な通過ポイントとされるのが、鳥取県の三徳山投入堂。投入堂挑戦の模様が収録されているのが、第9巻「キリンの巻」です。

ロケみつDVD「桜 稲垣早希の目指せ!鹿児島 西日本横断ブログ旅」9 キリンの巻

三徳山投入堂への道は断崖絶壁。90度に近い角度の坂を木の根や岩などを伝いながら登っていきます。三徳山は、滑落事故で、1年に20人以上が救急車のお世話になるという、「日本一危険な国宝鑑賞」「恐怖の絶景」と呼ばれる山です。ロケみつのスタッフ(実は親玉ディレクターだそうです)も坂から滑り落ちています。

しかも、ブログを書いて、頂いたコメントが資金源となり、資金はサイコロを振って、出目により、全額没収、0.1倍、1倍、10倍があるのですが、早希ちゃんのサイコロは絶不調で、己の不甲斐なさに早希ちゃんが泣き出してしまう場面もあります。
それでも頑張る早希ちゃんの姿に勇気づけられるDVDです。

特典として親玉ディレクターが撮影した、早希ちゃんの写真コレクションが付いています。

ロケみつDVD「桜 稲垣早希の目指せ!鹿児島 西日本横断ブログ旅」9 キリンの巻(HMV) icon

ロケみつDVD「桜 稲垣早希の目指せ!鹿児島 西日本横断ブログ旅」8 カエルの巻(HMV) icon

ロケみつDVD「桜 稲垣早希の目指せ!鹿児島 西日本横断ブログ旅」7 ヒツジの巻(HMV) icon

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2011年12月26日 (月)

観劇感想精選(86) 當る辰歳 吉例顔見せ興行 東西合同大歌舞伎

「昼の部」 2011年12月19日、京都四条南座にて観劇

午前10時30分から、京都四条南座(南座としては旧字体で四條南座と書いて欲しいようではある)で、「吉例顔見せ興行 東西合同大歌舞伎」昼の部を観る。演目は、「寿曽我対面」、「お江戸みやげ」、「隅田川」、「世話情浮名横櫛」。

3階席。いわゆる「大向こう」に陣取る。といっても、私がこの演目を観るのは今日だけで、「大向こう」を名乗るほどの客ではない。とはいえ、やはり掛け声は大向こうから一番起こる。私も何度も声を掛けた。

「寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)」。曾我兄弟の仇討ちの話であるが、工藤祐経と曾我兄弟が対面する場面のみで仇討ちは描かれない。出演は工藤祐経に片岡我當(かたおか・がとう。屋号・松嶋屋)、曽我十郎に片岡孝太郎(松嶋屋)、曽我五郎に片岡愛之助(松嶋屋)、舞鶴に(片岡秀太郎(松嶋屋)、大磯の虎に上村吉弥(かみむら・きちや。美吉屋)ほか。
大名達が居並ぶ堂々とした舞台である。書き割りには庵木瓜の紋があしらわれている。

曽我兄兄弟を演じる。片岡孝太郎と愛之助が気っぷの良い演技を見せてくれる。片岡我當の堂々とした工藤祐経も見事であった。

「お江戸みやげ」。昭和になってから川口松太郎が書いた世話物で、笑いの要素がふんだんに取り込まれている。主役の常陸結城の呉服行商人お辻を演じるのは坂東三津五郎(屋号・大和屋)である。お辻が役者の坂東栄紫(片岡愛之助)の演技に惚れ込むのだが、坂東栄紫の屋号は大和屋なので、大和屋の坂東三津五郎が松嶋屋である片岡愛之助演じる坂東栄紫に「大和屋さん」と呼びかけるという捻りがある。

「隅田川」。能でもお馴染みの演目である。狂女(斑女)を演じるのは坂田藤十郎(屋号・山城屋)、船長を演じるのは息子の中村翫雀(なかむら・かんじゃく。成駒屋)である。坂田藤十郎の細やかな心理描写は流石は人間国宝である。ちなみに斑女の里は、京・北白川。私が住んでいる場所のすぐ近くである。

「世話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」。「♪死んだはずだよお富さん。生きていたとはお釈迦様でも知らぬ仏のお富さん」という歌でもお馴染みの演目である。切られ与三郎こと伊豆屋若旦那与三郎に片岡仁左衛門(屋号・松嶋屋)、お富さんには中村時蔵(萬屋)、鳶頭金五郎の坂東三津五郎、蝙蝠の安五郎に尾上菊五郎(音羽屋)、和泉屋多左衛門に市川左團次(高島屋)。

現在の千葉県木更津市と、江戸が舞台である。途中で、仁左衛門と三津五郎が、舞台から渡された階段を下りて、客席の間の通路を歩いたり、仁左衛門が、「いい男だねえ。どこかで見た顔だな、誰かに似てる。そうだ、十五代目片岡仁左衛門だ」と言われる場面がある。

大団円。私も仁左衛門と時蔵に、「ご両人!」と声を掛ける。

「夜の部」 2011年12月22日、京都四条南座にて観劇

午後4時15分から、京都四条南座で、「吉例顔見せ興行 東西合同大歌舞伎」夜の部を観る。

演目は、「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」、「実盛物語」(『源平布引滝』より)、「元禄忠臣蔵」より仙石屋敷の場、六歌仙容彩「喜撰」、「らくだ」

「楼門五三桐」。五三桐は豊臣秀吉の家紋の一つで(五七桐などもある)、秀吉の代名詞の一つでもある。主人公は石川五右衛門(片岡我當。屋号・松嶋屋)。舞台は南禅寺の三門で、「絶景かな絶景かな」の台詞で知られる。秀吉は真柴久吉として登場。久吉を演じるのは片岡秀太郎(松嶋屋)。久吉は五右衛門を捕らえようと南禅寺三門に住む五右衛門に追っ手を差し向けるが、五右衛門はこの攻撃を交わす。久吉が現れ、五右衛門の辞世とされる「石川や浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ」を読み上げ、五右衛門とにらみ合うところで幕となる。

「実盛物語」。斎藤別当実盛(尾上菊五郎。屋号・音羽屋)を主人公にした作品で、「源平布引滝」の中でも名場面として知られる。
舞台は近江堅田。百姓九郎助(市村家橘。橘屋)は、木曾義賢の子を身籠もる葵御前(片岡孝太郎。松嶋屋)を匿っている。九郎助の娘で、源氏の白旗を預かっている小万の身を案じる葵御前であるが、九郎助の孫の太郎吉が、漁に出て、女の切断された片腕を釣り上げる。源氏の白旗を握りしめており、これは小万の片腕のようだ。
詮議のために斎藤別当実盛と瀬尾十郎兼氏(市川左團次。高島屋)がやって来る。葵御前の子が男なら殺すが、女なら助けるという二人。瀬尾は葵御前の腹を割いて、男か女か調べるというが、実盛が取りなす。
実盛は今は平氏に使えているが、元は源氏の武将であり情けをかけたのであった。
小万(市川時蔵。萬屋)の亡骸が村の漁師達によって運ばれてくる。小万は太郎吉の掛け声に一瞬、目を覚まし、源氏の白旗の無事を確認して息絶える。
葵御前の子は男の子であった。実盛から手塚太郎光盛と名を賜った幼き太郎吉は瀬尾の腹を小刀で突き刺す。実は瀬尾は小万の生みの親であり、孫に功名を挙げさせたのだった。
実盛は、葵御前の子に駒王丸と名付け、手塚光盛が元服したら相まみえんと言って去っていく。
ちなみに、駒王丸はのちの朝日将軍・木曾義仲であり、斎藤実盛は手塚光盛に討たれることになる。

菊五郎の達者振りが印象的である。

「元禄忠臣蔵」より仙石屋敷の場。吉良上野介を討ち果たした赤穂浪士達は仙石伯耆守(坂東三津五郎。屋号・大和屋)の屋敷に寄り、御公儀にこの度の沙汰を告げることになる。仙石伯耆守と大石内蔵助(片岡仁左衛門。松嶋屋)のやり取りが見事。仁左衛門の長台詞の巧みさには感心することしきりである。心理劇であり、リアリズムを取り入れた、第一級の忠臣蔵であった。

舞踊、六歌仙容彩(ろっかせんすがたのいろどり)「喜撰」。喜撰法師(坂東三津五郎)と茶汲み祇園のお梶(市川時蔵)の舞である。
三津五郎の舞は驚くほどの完成度。時蔵の舞も妖艶である。

「らくだ」。初代桂文枝による上方落語が原作である。遊び人の「らくだ」こと宇之助(中村亀鶴。屋号・八幡屋)がフグに当たって頓死する。熊五郎(片岡愛之助。松嶋屋)が宇之助の弔いに来たのだ。そこへ通りかかる紙屑屋の久六(中村翫雀。成駒屋)。熊五郎は久六とともに、ある企みをする。途中で、酒屋の丁稚長吉(中村壱太郎。成駒屋)が現れ、妙な真似をして、久六に「あの子の父親は苦労するに違いない」と言わせるが、壱太郎は翫雀の息子であり、翫雀のアドリブである。
笑える芝居であった。

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2011年12月21日 (水)

森田芳光監督死去

映画監督の森田芳光氏が死去。61歳。「まさか!」ですね。

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コンサートの記(78) 河村尚子ピアノ・リサイタル2011京都

2011年10月26日 京都コンサートホール小ホール「アンサンブルホールムラタ」にて

午後7時から、京都コンサートホール小ホール「アンサンブルホールムラタ」で、今年30歳になる若手ピアニスト河村尚子(かわむら・ひさこ)のソロ・リサイタルに接する。
河村尚子は兵庫県西宮市の生まれ。父親の仕事の関係で幼くしてドイツに渡り、音楽教育もドイツで受ける。今もドイツのハノーファー在住である。2006年、ミュンヘン国際コンクール・ピアノ部門第2位、2007年のクララ・ハスキル国際コンクール・ピアノ部門で優勝を果たしている。
関西生まれということで、京都市交響楽団、大阪シンフォニカー交響楽団(現・大阪交響楽団)、関西フィルハーモニー管弦楽団などに客演。私も何度も実演に接しているが、ソロ・リサイタルに接するのは初めてである。

曲目は、J・S・バッハ/ブゾーニの「シャコンヌ」、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番「月光」、ショパンの前奏曲嬰ハ短調とピアノ・ソナタ第3番という豪華なものである。

河村はグレーとピンクの混ざり合ったドレスで登場。私は下手側の席だったので、河村の手の動きが良く見える。何か魔法のようなものがかかっているんじゃないか思うほど俊敏に動く。実は河村尚子は愛らしい外見とは裏腹に魔女のような声の持ち主で、本当に魔法を使っていそうなところがある。

「シャコンヌ」。河村の奏でる音楽のスケールは大きく、音色はクリアである。ただ、低音を強調することで、人智を超えた音楽のように感じさせるなど、一筋縄ではいかないピアニストだ。

ベートーヴェンの「月光」。第1楽章は技巧的には簡単で、私でも独学で弾けたほどだが、河村は速めのテンポを採用し、他のピアニストが強めに弾くところを敢えて柔らかく弾いたりするなど、やはり個性的なピアノである。速めのテンポで幻想的な雰囲気を強調するということは並のピアニストでは思いつかないところである。普通は逆に遅くする。
アタッカで弾かれ始めた煌めくような音色の第2楽章を経て、やはりアタッカで疾風怒濤の第3楽章に突入。3つの楽章からなるソナタではなく、3楽章形式で書かれた一曲の幻想曲という解釈のようである。第3楽章でも音がクッキリしている。あれだけ速いパッセージで音が濁らないということは、ペダリングを含めた技術が抜群なのだろう。聴衆を圧倒して前半を終える。

後半。河村は衣装を変えることなく登場。ショパンの前奏曲嬰ハ短調では透明感ある音色を生かした独特の音楽世界を構築。
メインのショパン、ピアノ・ソナタ第3番では技術だけでなく、深い楽譜の読みを感じさせる見事な演奏を聴かせた。

アンコール。まず、シューマン/リストの「献呈」が弾かれる。その後、聴いたことのないピアノ曲が弾かれる。ロマンティックでウエットな音楽であったが、実は作曲者はリヒャルト・シュトラウスで、「さびしい泉のそばで」という曲であった。リヒャルト・シュトラウスは管弦楽法の天才で、そちらばかり注目されるため、ピアノ曲を聴く機会は滅多にないので、貴重な体験であった。

ラストはリストの「愛の夢」第3番。河村はサンソン・フランソワのような絶妙の歌い崩しを見せる。サンソン・フランソワにしてもファジル・サイにしても変人系のピアニストなので、そうでないピアニストを求めて河村に行き着いたのだが、河村は変人でこそないが、やはりフランソワとどこか繋がるところのある人で、私のピアニストの好みは実は変わらないということが確認出来た。ロマンティックでチャーミングな出来であった。

最後は、ピアノの蓋を閉じて終了。生地である西宮で行われたピアノ・リサイタルでも同じことをしていたのはわかっていたので、それを直に見ることが出来たのも楽しかった。

終演後、サイン会があり、買った輸入盤CDに河村のサインを入れて貰う。輸入盤は盤面が黒で、ライナーノーツも黒が基調のモノクロであり、仕方がないので、ライナーノーツの河村の顔写真(そこだけが白い)の部分にサインを入れて貰った。

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2011年12月20日 (火)

観劇感想精選(86) 新作能「邪馬台(やまたい)の詩(うた) -吉備大臣(きびのおとど)と阿倍仲麻呂-」

2011年3月31日 大阪の森ノ宮ピロティホールにて観劇

午後7時から、大阪の森ノ宮ピロティホールで、新作能「邪馬台(やまたい)の詩(うた) -吉備大臣(きびのおとど)と阿倍仲麻呂-」を観る。

狂言の野村家と能の梅若家がタッグを組んだ新作能で、脚本は小田幸子、梅若六郎の節付、梅若六郎と野村萬斎の共同演出による作品。国立能楽堂の制作である。出演は、野村萬斎、梅若六郎玄祥、野村万作、石田幸雄、野村裕其ほか。

なお、震災からの一日も早い復興を願って演出を一部変えて上演されることが予めアナウンスされる。

サブタイトルにある通り、吉備真備と、阿倍仲麻呂の幽霊が主人公である。完全なオリジナルではなく、「江談抄」「吉備大臣入唐絵巻」などに出てくる「邪馬台詩」の話を基にしている。

まず、唐の国の通辞(石田幸雄)が自己紹介した後で、先頃、日本から遣唐使として吉備真備(野村萬斎)が唐にやってきたが、この者が才がありすぎて何者か得体が知れないので、高楼に幽閉し、四日間、食事はおろか水も与えておらず、すっかり干上がっているのではないかと告げる。更に高楼がいかに高いかを説明し(実際の高楼のセットは2m弱で、背後に雲を浮かべ、観客の想像力で高さを補って貰うという設定になってる)、高楼には鬼(中国では「鬼」というと日本でいう「鬼」ではなく亡霊のことを指す)が出ると話し、「怖ろしや怖ろしや」といって退場。

その直後に、高楼の部分の窓が開き、野村萬斎演じる吉備真備が顔だけ出して「腹減ったー」と言って笑いを取る。

そこに日本に帰ることを願いつつも叶わず、唐で亡くなった阿倍仲麻呂の幽霊(梅若玄祥)が現れ、自身も高楼に幽閉されて殺され(この辺は史実ではなく、才能を妬まれ34歳で殺されたという伝説に基づいている。吉備真備と阿倍仲麻呂とは3歳ほどしか年が離れておらず、同時に遣唐使として唐に渡っており、亡くなるのも数年差である)、死後も魂は日本に帰れず、唐の地獄にあって餓鬼道を彷徨っていると告げ、子孫は無事かと真備に尋ねる。阿倍一族の繁栄を仲麻呂に伝える真備。

仲麻呂は、吉備真備が唐の皇帝から三つの難題を突きつけられることを知らせる。一つは文選、一つは囲碁、最後の一つは「邪馬台詩」の読解である。

当時、囲碁は日本には伝わっていなかったが、真備はすぐにルールを理解し、仲麻呂と対戦(舞台上部に照明で格子模様が浮かび、それが碁盤に見立てられる)、勝ってみせる。次は文選で、仲麻呂は真備を連れて唐の都・長安に飛び立つ。都では唐の管理達が文選という文章を読み上げている。900からなる長文であるが、そこは日本一の英才である吉備真備、一回聴いただけですぐに憶えてしまう。

真備は、高楼で文選を紙に書いて投げ落とし、それを見た唐の役人達を仰天させる。

高楼から出された真備は、囲碁の対戦を行い、石一つの差で唐の隋臣に勝ってみせる。唐の通辞は石一つの差というのは怪しいので、占いをさせたところ、真備が黒い石を一つ呑み込んだと出たので、真備に下剤を飲ませ、黒い石を探そうとするという尾籠な話をし、結局、石が見つからなかったと嘆く。

最後は「邪馬台詩」。会場の際に配られたパンフレットの中に、「邪馬台詩」が書かれた紙が入っているので、唐の通辞は客席に向かってそれを見るように要求。「邪馬台詩」は一見、漢文に見えるが、漢字の配列はバラバラで中国文にはなっていない(配られた紙の裏側には読み順が記してある)。なんでも暗号文であるとのこと。これなら真備も読めまいとほくそ笑む通辞。

唐の皇帝(野村万作)が登場し、その前に連れてこられる真備。「邪馬台詩」を解読できれば日本に帰ることが出来るが、読めなければ死罪だという。当然ながら真備は読めず、仲麻呂の幽霊を探すが現れない。しかし、代わりに蜘蛛の精(野村裕其)が現れ、文字の読み順を示していく。示されたのは「東海姫氏国」の文字。それが海を隔てて唐の東にあり、姫神である天照大神を最高神として祀る日本のことだとわかった真備はその後も蜘蛛の精の導きで日本が亡国の危機にあることを解読する。すぐの帰朝を願い出る真備であったが、唐の皇帝は「邪馬台詩」を読み解いた真備の才能を高く買い、唐の政に加わるよう命令する。反対する真備であったが、唐の隋臣が真備を取り囲む。その時、阿倍仲麻呂の幽霊が現れ、唐の隋臣を蹴散らすも、真備に「邪馬台詩」を渡すよう要求。真備と仲麻呂の幽霊がもみ合っているうちに「邪馬台詩」の文字はバラバラになり、正確な漢文に組変わる。そこには日本の悲惨な光景が描かれていた。野村萬斎が階まで乗りだし、それを読み上げる。いつの間にか舞台は日本に変わっており、真備は、「おーい、日本に帰ってきたぞ。誰かいないのか、おーい!」と呼ぶ。すると背後に子役が現れて、「おーい!」と返し、日本に未来があることが告げられる。おそらく原作には最後の子役の登場はなく、ペシミスティックな終わり方をしたのだと思われるが、震災のためにここの演出を変えたのだろう。

能の謡いはやはり独特だけに聴き取りにくい。何度も聴いて慣れるべきものなのだろうが、私はそこまで能が好きではない。野村萬斎のセリフは狂言調だけに聞き取りやすかった。

能ではあるが、新作だけに、野村萬斎と梅若玄祥がカーテンコールに応えて登場した。

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2011年12月18日 (日)

没後10年 朝比奈隆指揮NHK交響楽団 ブルックナー 交響曲第8番

今年が没後10年にあたる朝比奈隆(1908-2001)の代表的録音の一つ、NHKホールでライブ録音された、NHK交響楽団とのブルックナー交響曲第8番のCDを紹介します。フォンテック。

実は私はこの演奏を生で聴いています。1997年5月6日。3階席の上の方でしたが、NHK交響楽団がこれまで聴いたことがないような温かい音色を奏でたのが印象的でした。

朝比奈隆指揮NHK交響楽団 ブルックナー 交響曲第8番 録音には残念ながら、朝比奈がN響から引き出した温かな音色は収録されていません。あれはマイクに入る類のものではないからです。

朝比奈御大は演奏終了後に、N響の団員からメッセージカードと花束を受け取ったそうです。
テレビで、「N響のメンバーというのは意地が悪いので、また何か言ってきたかと思ったらプレゼントだった」と朝比奈が語っていたのが印象的でした。

温かな音こそ入っていませんが、立派な造形と密度の濃い音楽性、高齢の指揮者とは思えないほどの若々しい歌で聴かせてくれます。
生涯青年であり続けた、朝比奈隆の貴重な記録です。

朝比奈隆指揮NHK交響楽団 ブルックナー 交響曲第8番(フォンテック)タワーレコード

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2011年12月17日 (土)

笑いの林(1) 「桜 稲垣早希ネタイヴェント新劇場版:九 ~YOU CAN(NOT)MAKE A GOAL~」

2011年11月1日 大阪の京橋花月にて

京橋花月で、午後7時30分開演予定の「桜 稲垣早希ネタイヴェント新劇場版:九 ~YOU CAN(NOT)MAKE A GOAL~」を観る。 開演予定と書いたのは機材の故障で開演が25分も押したからである。オープニングのナレーションは「新世紀エヴァンゲリオン」で葛城ミサトを演じた三石琴乃。

オープニングの映像が凝っている。

アスカのコスプレで登場した早希ちゃんは、「MAGIが故障」と『新世紀エヴァンゲリオン』に例えて話す。

今回も映像と舞台上演が交互に繰り返される。

「エヴァ」がらみで、シンクロ率というものを挙げていく。様々なものがどれだけ似ているかをフィリップで紹介していく。「イチゴ」と「大福」のシンクロ率は高く、早希ちゃんは「私もイチゴ大福大好きです。私の丸い顔はイチゴ大福で出来てます」という。実は早希ちゃんの顔は自分でいうほど丸くはない。エヴァの「惣流・アスカ・ラングレー」と「セーラームーン」のシンクロ率はわずか2%でも、アスカのコスプレをしている早希ちゃんがセーラームート間違えられる可能性は90%以上と言って笑わせる。

映像。早希ちゃんは、高野健一のシングル「桜ひらり」のプロモーションビデオや、シカゴプードルのシングル「桜色」の 関西版テレビCMに起用されているので、色々な音楽のPVに出たいと言い、自分で作成したPVをザ・プラン9のヤナギブソンに批評して貰うというものである。桜 稲垣早希ということで桜にちなんだタイトルを持つ曲が選ばれ、最初はケツメイシの「桜」。早希ちゃんの可愛らしさを意識した映像作りだが、早希ちゃんが前面に出すぎている感じがする。しかし、この前へ前へ路線はどんどんエスカレートし、コブクロの「桜」では援助交際風のシーンがあったり、その後もセーラー服姿を披露して、歌を口パクで歌い出し、つぼみの「りなんなん」こと井内里菜が早希ちゃん以上に目立っていたり、その後もやはり「りなんなん」が登場していたり、音楽以上に早希ちゃんメインのPVになっていたりする。ヤナギブソンが呆れて、「こんなPV誰が興味あんねん?!」という持ち前のギャグで一刀両断にする。

「風の谷のナウシカ」のシータが35歳になったらというシチュエーションのコント。ジブリ作品の登場人物が次々に登場する。

続いて、「新世紀エヴァンゲリオン」のパロディー映像。葛城ミサトの声はやはり実際にミサトを演じた三石琴乃が演じる。明らかに使徒でないものが次々に攻撃の対象になる。

次いで、「もしアスカがレンタルビデオショップの店員だったら」の変則バージョン「もしアスカがスーパーマーケットの店員だったら」をバッファロー吾郎の竹若元博とともに二人で演じる。今日が開店のスーパーマーケット。初来店者は竹若元博である。オムライスを作りたいという竹若に、アスカはカレーライスにするよう勝手に薦めたり、無理矢理商品を買わせようとする。ついには竹若相手に万引きを促すなど、ブラックな内容なのだが、実は竹若の正体は、というところで終わる。

次は、碇シンジをメインにした映像「碇のシンジられないグルメレポート」。ミヤネ屋の映像も用いられる。シンジに扮した早希ちゃんがグルメレポートをするのだが、シンジなのでウルトラネガティブである。更に早希ちゃんは綾波レイのコスプレをするのだが、シンジの声も、綾波の声もクオリティが高い。早希ちゃんというとアスカの声真似というイメージだが、シンジの方が似ているようにも思う。

早希ちゃんと竹若元博によるお絵かきしりとりコーナー。竹若元博も早希ちゃんも絵心があるということで、絵を書いて、それでしりとりをして遊ぶというコーナーである。

早希ちゃんらしく、「京橋花月が終わっちゃう」の「う」からというネガティブなスタート。

竹若の先攻で、竹若は「ウコンの力」を書く。描写力は高い。次いで、早希ちゃんの番なのだが、なんだか滅茶苦茶な絵である。正解は「ランダム」なのだが、多分ESPでない限り当てることは不可能である。竹若は「麦わら帽子」を高い描写力で書いたのだが、その答えを早希ちゃんは「しつこい」という絵で返す。女性のスカートをしつようにめくろうとしているおじさんの絵なのだが、これで「しつこい」という言葉が浮かぶ人はそうはいない。ツジカオルコなら思い浮かぶかも知れない。

竹若は「仮面ライダー」の悪役ショッカーの叫び声「イー」で返し、早希ちゃんもやはり「イー」で返すのだが、通販番組の人ということで誰なのかよくわからない。

竹若は「イマジン」で返そうとして、ジョン・レノンの絵をシンプルなタッチで描いたのだが、「イマジン」では「ン」で終わると言うことで、「イマジンの人」と伸ばす。早希ちゃんは「と」で始まる絵を書くのだが、空を飛んでいる何かということしかわからない。ただこれは「とんぼ返り」だと客席で当てた人がいた。飛行機の絵のようなのだが、普通はエンジンは翼の下にあるものだということを竹若に指摘されていた。

後半は、「キャラもん」でおなじみの、あさくら南(浅倉南)の格好で登場。野球ネタなどを取り入れた漫談でスタートする。セーラー服姿で登場した早希ちゃんはあだち充のマンガが野球マンガばかりだったり、登場人物の顔が似ていることをネタにする(あだち充本人も登場人物の顔が似ていることはわかっており、自嘲気味に「あだち充劇団」などと呼んだりしている)。

「ロケみつ」舞台裏映像。「ロケみつ」でカットされた部分をやるというコーナーである。勿論、今回の単独ライブのために作ったもので、撮影場所も大阪市内である。早希ちゃんがチューハイのCMに出ているサンガリアを立てる場面などもあり、また、「ロケみつ」で訪れた熊本で、梅酒に酔っぱらった早希ちゃんは熊本城のライトアップを観に行って、なぜか万歳三唱したり、カメラに向かったおどけたりと醜態をさらしてしまったのだが、それもネタにしていた。前回の単独公演「新劇場版:弐」でも「ロケみつ」ネタはあったものの早希ちゃんの演技力不足は顕著で、余り楽しめなかったが、今回は気にならないレベルまで上がっていた。

早希ちゃんがバスガイドに扮しての大阪観光案内。少しだらけた感じがあったのが残念。

最後の映像。早希ちゃんを題材にしたゲームを作ろうというので、スーパーマリオやストリートファイターなどの早希ちゃんバージョンが作られる。早希ちゃんはここでも自分の顔が丸いということを自虐ネタにしていた。

宇多田ヒカルの「桜ドロップス」が流れる中でエンディング。

ネタはやはり面白かったし、早希ちゃんも仕事に継ぐ仕事でリハーサル時間が十分に取れない中での公演にしては良くできた方だと思う。また、コスプレが多いが、これは早希ちゃんだから見ていて痛々しくないのであり、他の女芸人は真似することが出来ないので早希ちゃんの個性も生きていた。

問題点があるとすれば、やはり一つ一つのネタが長すぎること。思いついたことは全て取り込もうという貪欲な姿勢の表れだと思われるが、本当にいいネタというのはかなりの部分を削って出来ているはずである。今のネタは悪くいうとダラダラ続いてしまっているようなところがある。早希ちゃんはまだネタを削って削ってシンプルにまとめるという技術が不十分であるように感じた。ただそれが出来たらかなり良い線を行くのではないだろうか。

早希ちゃんは芸人らしからぬ容姿が逆に災いしてアイドル的に見られがちだが、実は力のある芸人さんである。早希ちゃんより若くて美人の吉本タレントもいるが、お笑いでは早希ちゃんに全く及ばないというのがいい証拠である。

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2011年12月16日 (金)

コンサートの記(77) ギュンター・ノイホルト指揮 京都市交響楽団第552回定期演奏会

2010年11月19日 京都コンサートホールにて

午後2時30分から、京都コンサートホールで京都市交響楽団の第552回定期演奏会を聴く。

今日の指揮者はギュンター・ノイホルト。オーストリアのグラーツの生まれ(カール・ベームと同郷である)。歌劇場を中心に活躍している人で、コンサートでもウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮している。日本での知名度こそ低いが、実力者である。10年以上前になると思うが、大野和士がインタビューの中で「ノイホルト先生」と呼んでいた。師弟関係なのか、実力を認めているから先生と呼んだのかはわからないが、大野和士が「先生」と呼ぶのだから凄い指揮者である。

前半、後半ともにブラームスというプログラム。ピアノ協奏曲第2番(ピアノ独奏:キム・ソヌク)と交響曲第3番である。

ピアノ協奏曲第2番。ノイホルトは京響から美しい響きを引き出す。これはもう大野和士も「先生」と呼ぶわけである。
そして、キム・ソヌクのピアノ。キム・ソヌクに関しては全く情報を入れていなかった。というわけで、苗字からいって韓国人であるという以外は何者か知らずに聴いたわけであるが、驚いた。巧すぎるのである。若いから深みはないが、メカニックは抜群である。第1楽章が終わってからキム・ソヌクのプロフィールを確認。1988年生まれの大変若いピアニストである。10歳でリサイタル・デビューという神童系ピアノスト。海外留学はせず、韓国芸術大学でピアノを学んでいる。2004年にエットリンゲンコンクールを制し、翌年にはクララ・ハスキル国際コンクールのチャンピオンになっている。2006年に開かれたリーズ国際ピアノ・コンクールにおいては、40年のコンクール史上最年少、アジア人初の優勝を成し遂げたピアニストであるという。韓国を代表する指揮者であるチョン・ミョンフンとも勿論共演しているし、その他にもイヴァン・フィッシャー、ジャナンドレア・ノセダ、マーク・エルダーなどという実力派指揮者とも共演している。実力派ではないかも知れないが、曲目によっては名演を展開するウラディーミル・アシュケナージの指揮でも演奏している。
ともに知名度こそ低いが、実力派の組み合わせを聴くことになったのだ。招く指揮者とソリストは京都市交響楽団の常任指揮者である広上淳一を中心に決められる。広上は実力もある上に、明るい性格の人なので人脈がある。凄い人を呼べるのである。

キム・ソヌクはテクニックで聴衆を圧倒。アンコールを弾くことになる。モーツァルトのピアノ・ソナタ第16番(旧15番)第2楽章。ちゃんとモーツァルトの響きがする。優れたピアニストである。モーツァルトのピアノ・ソナタ第16番は第1楽章が有名で、クラシックに全く興味がない人でも聴いたことはあるという曲である。

交響曲第3番。ノイホルトは京響から澄んだ音色を引き出す。スケールも大きく、語りも上手い。大変明晰な演奏であり、ブラームスの意図が手に取るようにわかる。予想以上に優れた指揮者であった。

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WEBぶらあぼ

クラシック情報無料雑誌「ぶらあぼ」の宣伝は以前にも行いましたし、その際、Webぶらあぼのこともお伝えしましたが、改めてWebぶらあぼの紹介をしたいと思います。

クラシックコンサートの情報というと「音楽の友」誌が充実していますが、地方も含めたコンサート情報というと、「ぶらあぼ」の方が多いです。Webぶらあぼは、その名の通り「ぶらあぼ」のインターネット版です。「ぶらあぼ」は無料ですが置いてある場所が限られているので、Webぶらあぼを活用することをお薦め致します。

Webぶらあぼ
http://www.mde.co.jp/

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2011年12月15日 (木)

男として生まれてきてよかった100の理由・女として生まれてきてよかった100の理由

男として生まれてきてよかった100の理由
http://labaq.com/archives/50751078.html

女として生まれてきてよかった100の理由
http://labaq.com/archives/50752378.html

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2011年12月14日 (水)

全ての伝説はここから始まった 「桜・稲垣早希の関西縦断ブログ旅」トラの巻・パンダの巻(「ロケみつ」DVD)

現在、「桜 稲垣早希の目指せ!鹿児島 西日本横断ブログ旅」が大詰めに来ている「ロケみつ」。親玉ディレクターが編集賞を受賞するなど関西の深夜番組の顔的存在ですが、その稲垣早希のブログ旅の第1弾が、「桜・稲垣早希の関西縦断ブログ旅」です。早希ちゃんは現在の芸名は、桜 稲垣早希ですが、この時はまだコンビを組んでいて桜・稲垣早希でした。

ロケみつDVD「桜・稲垣早希の関西縦断ブログ旅」

和歌山県の潮岬からスタートし、京都府の経ヶ岬を目指して関西2府4県を回ります。ブログに寄せられたコメントに、サイコロを振って出た目を掛けて旅の資金とするというシステム。最初はコメント0の日があるなど、早希ちゃん四苦八苦。「ロケみつ」(当時は「なまみつ」)のURLとメッセージを書いた紙を配ったりしますが、アスカのコスプレという奇抜な格好をしているために避けられたりと苦難の連続。コメントが増えたと思ったら、サイコロの目が…

更に、早希ちゃんのドジっ子ぶりや突飛な発想により、予想のつかない展開が待ち受けています。

「近江牛」エピソードなどは今も伝説です。

とにかく御覧下さい。

ロケみつDVD「桜・稲垣早希の関西縦断ブログ旅」1 トラの巻(HMV) icon

ロケみつDVD「桜・稲垣早希の関西縦断ブログ旅」2 パンダの巻(HMV) icon

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2011年12月13日 (火)

コンサートの記(76) マティアス・バーメルト指揮 村治佳織(ギター) 京都市交響楽団第540回定期演奏会

2010年10月21日 京都コンサートホールにて

午後7時から京都市交響楽団の第540回定期演奏会に接する。今日の指揮はマティアス・バーメルト。

曲目は、ロッシーニの歌劇「どろぼうかささぎ」序曲、武満徹の「夢の縁へ~ギターとオーケストラのための」、カステルヌオーヴォ・テデスコのギター協奏曲第1番(以上2曲、ギター独奏:村治佳織)、フランクの交響曲ニ短調。

ロッシーニの歌劇「どろぼうかささぎ」序曲は、冒頭の2台のスネアドラムの音量に極端に差をつけるのが特徴的。金管がやや不安定であり、全体的にスケールが小さいのが難点である。

武満徹の「夢の縁」では、弦が妖しい音を出し、大変美しい。バーメルトはオケの音を磨く才能に長けているようだ。村治のギターも味わい深い。

カステルヌオーヴォ・テデスコのギター協奏曲第1番。小編成、古典配置での演奏である。第1楽章の村治のギターは「天翔る」という言葉がピッタリくるほど華麗なもの。第2楽章のしっとりとした味わいも見事。第3楽章でのテクニックの鮮やかさは聴く者を驚かす。

村治はアンコールとして「アルハンブラ宮殿の思い出」を弾いた。見事な演奏であった。

フランクの交響曲ニ短調。バーメルトはこの曲を手中に収めているようで、この曲だけは暗譜で振った。管が輝かしく、弦も美しい。これで弦にもっと厚みが出るということないのだが、それでも優れた演奏であった。

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2011年12月12日 (月)

「ムーンリバー」(訳詞付き)

映画「ティファニーで朝食を」に出てくる名曲「ムーンリバー」。ヘンリー・マンシーニの作曲です。アンディ・ウィリアムズの歌唱でお楽しみ下さい。歌詞に出てくる「ドリフターズ」というのは「漂流者達」という意味です。また、ハックルベリーというのはマーク・トウェインの小説に出てくるハックルベリー・フィンのことですが、日本では通じにくいので意訳したのだと思われます。

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パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン 「ベートーヴェン交響曲全集」(DVD盤)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンによる「ベートーヴェン交響曲全集」。RCAからスタジオ録音盤も出ていますが、今日紹介するのは、2009年9月にベートーヴェンの生まれ故郷であるボンで行われた、ベートーヴェン音楽祭の目玉であるベートーヴェン交響曲チクルスの模様を収めたDVD盤です。ソニー・クラシカルからの発売。

パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン 「ベートーヴェン交響曲全集」(DVD盤)

RCAのCD盤も21世紀に発売された「ベートーヴェン交響曲全集」としては最高峰を争うものですが、このDVD盤はライブならではの熱狂も加わり、更に優れた出来になっています。照明の色も演奏会によって異なるなど、凝った演出も見物です。

また、インタビュー映像などの特典もついており、パーヴォ・ヤルヴィやドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンのメンバーの他に、パーヴォと同じエストニア出身の女性指揮者、アヌ・タリ(指揮者界のジャンヌ・ダルクと呼ばれたこともある)のメッセージも入っているなど豪華な仕上がり。

また、ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンは、実はフランクフルトで結成されたのですが、財政上の理由でフランクフルト市から助成を打ち切られたため、ブレーメン市に本拠地を移しています。ブレーメンでは地元の音楽学校を提携、食事なども音楽学校の学食などで取っているようで、その模様なども紹介されています。限定盤ですので早めのご購入をお薦めします。

パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン 「ベートーヴェン交響曲全集」DVD盤(HMV) icon

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2011年12月11日 (日)

没後15年 岩城宏之指揮 「弦楽のためのレクイエム 岩城宏之」

2006年に惜しまれつつも亡くなった、名指揮者の岩城宏之(1932-2006)。その追悼盤を紹介します。亡くなった直後にリリースされていますが、死後5年ということでの紹介です。

「弦楽のためのレクイエム 
岩城宏之」

1961年、NHK交響楽団初のスタジオレコーディングが文京公会堂で行われましたが、その時の指揮者が岩城宏之であり、大部分はこのN響初レコーディングから取られています。
曲目は表題作となった、武満徹の「弦楽のためのレクイエム」、外山雄三の「ラプソディ(管弦楽のためのラプソディ)、外山雄三の「子守唄」、小山清茂の「管弦楽のための木挽歌」、尾高尚忠のフルート協奏曲(フルート独奏:吉田雅夫)。
そして、岩城が東京混声合唱団を指揮して録音したメシアンの「ばら色の扉~5つのルシャン」と同じくメシアンの「天国の色彩」(演奏担当はNHK交響楽団と新日本フィルハーモニー交響楽団の混成メンバーからなる、東京コンサーツ。ピアノは岩城宏之夫人である木村かをり)が収められています。メシアンの「天国の色彩」は1973年の録音。

1961年の録音ですが、NHK交響楽団はなかなかの健闘振りで公演です。
メシアンの「天国の色彩」入ったアルバムは日本では不評で、出て2年も経たずに廃盤になったそうですが、メシアン本人に認められて、フランスで発売され、なんと名誉あるACCディスク大賞を受賞。日本盤としては初の受賞でした。当時の日本とヨーロッパのクラシックシーンに開きがあったことがわかる重要な証言者となった録音でもあります。

「弦楽のためのレクイエム 岩城宏之」(キングレコード)タワーレコード

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観劇感想精選(85) 東京セレソンデラックス「くちづけ」

2010年9月22日 大阪の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて観劇

午後7時からシアター・ドラマシティで、東京セレソンデラックスの公演「くちづけ」を観る。宅間孝行:作・演出・出演。出演:金田明夫、加藤貴子、石井愃一、藤吉久美子、芳賀優里亜、伊藤高史、大見久代、須加尾由二、尾畑美依奈、たなかたく、菊池優、東風万智子(旧芸名:真中瞳)。映像出演:宮根誠治。

東京セレソンデラックス3年ぶりの新作上演である。

埼玉県本庄市の知的障害者のグループホーム「ひまわり荘」が舞台。

知的レベルが幼稚園程度の、うーやん(宅間孝行)、頼朝くん(菊池優)、島ちん(たなかたく)らが暮らすグループホーム「ひまわり荘」。そこに住み込みのスタッフとして、かつて一度だけヒットマンガ「長万部くん」を世に出した漫画家の愛情いっぽん(金田明夫)が加わる。愛情いっぽんの娘であるマコ(加藤貴子)もやはり知的障害者である。健常者の男性には決して近づけないマコだったが、「ひまわり荘」の人々とは良い関係を築くことが出来ていたのだが……

知的障害者をテーマに扱いながら、重くもならず、冷ややかに見るわけでもなく、知的障害者の純粋さを最大限に生かし、残酷な結末を用意しながら、ユーモアを絡めた作品に仕上がっている。

それにしても東京セレソンデラックスには勢いがある。著名人にファンが多いというのも肯ける。

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2011年12月10日 (土)

正鵠を射た言葉

正鵠を射た言葉に誠少なく、的を外した言説に真実宿ることあり。故に「正しきが善」とは限らず。

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市川森一氏逝去

脚本家の市川森一氏が逝去されました。
松たか子氏にはモバイルサイトからメッセージを送りました。

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2011年12月 9日 (金)

工藤公康、ありがとう

工藤公康投手、ありがとうございました。何歳になってもチャレンジを続けるあなたの姿に沢山の勇気を貰いました。あんた、最高だぜ!

工藤公康氏の公式サイト「諦めない心」
http://sports.nifty.com/kudoh/

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THE BLUE HEARTS 「終わらない歌」

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オダギリジョー 「悲しくてやりきれない」

俳優、オダギリジョーによる「悲しくてやりきれない」です。

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2011年12月 8日 (木)

コンサートの記(75) 大植英次指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団第453回定期演奏会

2011年11月9日 大阪のザ・シンフォニーホールにて

午後7時より、大植英次指揮大阪フィルハーモニー交響楽団の第453回定期演奏会に接する。

曲目は、シューベルトの交響曲第5番と、マーラーの交響曲「大地の歌」である。「大地の歌」の独唱者はメゾ・ソプラノがナタリー・シュトゥッツマンの予定であったが、体調不良のため降板、小川明子が代わりに歌う。テノールがジョン・ヴィラーズである。大植英次はミネソタ管弦楽団と「大地の歌」を録音しているが、その時のテノールもジョン・ヴィラーズであった。

シューベルトの交響曲第5番。室内管弦楽団編成での演奏である。大植なので古典配置かなと思ったが、ドイツ式の現代配置であった。

大植は指揮棒を持たずに登場。もちろん、ノンタクトで振る。

演奏開始から、「あっ!」と驚く。大阪フィルの音色が軽やかなのだ。まるで音符に翼が生えて飛んでいく姿が見えるかのようである。あの大フィルの演奏とは信じられない。朗らかなシューベルトであるが、第3楽章ではシューベルト特有の毒もちゃんと出ていた。大植英次はやはり凄い男なのである。
大植英次は、演奏終了後にガッツポーズ。大植が前半でガッツポーズをすることはまずない。余程自信があったのだろう。


後半、マーラーの交響曲「大地の歌」。この曲には番号が振られていないが、マーラーの9番目の交響曲である。マーラーは極度に神経質であり、ベートーヴェンやシューベルトが交響曲を9曲書いて亡くなっているのを気にしていたので(シューベルトが交響曲を9番まで書いたというのは最近では覆りつつある)、9番目の交響曲に番号を付けずに発表。次の交響曲を第10番にしようとしたが、結局、次の曲は交響曲第9番と出版社により番号が振られ、やはりマーラーも交響曲第9番を完成して亡くなるのである。本物の交響曲第10番は1楽章のみしか完成させることが出来なかった。

さて、大植英次指揮大阪フィルハーモニー交響楽団、メゾ・ソプラノ独唱:小川明子、テノール独唱:ジョン・ヴィラーズによる「大地の歌」であるが、これがとんでもなく凄かった。もう第1楽章からオーケストラの音色は煌びやか。金管は澄んだ音色を響かせ、フルートは孤独につぶやき、弦の弱音がゾッとするくらい美しい。実は私の席からは独唱者の声はそれほどはっきりとは聞こえないのだが、名唱らしいことはわかる。
その後も、低弦は戦きを表すし、ハープは不吉な音を出すしで、ここまで来ると日本人指揮者(大植英次は日本生まれの日本育ちであるが、海外での生活が長いので、「日本人であるが、中身は欧米人」といわれることもある)と日本のオーケストラによる演奏とは信じられないほどである。仮に録音して、演奏者を明かさずに聴かせたとして、日本人指揮者と日本のオーケストラの演奏だと当てられる人はまずいないだろう。
「大地の歌」は李白をはじめとする唐代の詩人の作品のドイツ語訳がテキストになるのだが、1曲を除いて後ろ向きの歌詞である。残る1曲も本当に明るい内容なのかわからない。というわけで不吉な作品なのである。マーラー本人が「この曲を聴いて自殺する人が出るのではないか」と発言したほどである。
そうした曲でこれだけの超名演を聴かされると、感動を通り越して怖くなる。ただでさえ、日本人指揮者と日本のオーケストラの組み合わせではあり得ないほどの高水準である。「聴いてはいけないものを聴いてしまった」気分になるのだ。

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2011年12月 6日 (火)

人間ていうのは

男がいて、女がいて、ただそれだけなんです。知恵なんてものがあるからややこしくなるんだ。自分の「半身」を見つけたら、もうそれでいいんです。

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去った方々に敬礼を

「週刊現代」をたまたま買ったら、今年亡くなった方々の特集をやっていました。お礼をいいたいと思います。

立川談志さん、ありがとう。田中好子さん、ありがとう。竹脇無我さん、ありがとう。児玉清さん、ありがとう。長門裕之さん、ありがとう。細川俊之さん、氏家齊一郎さん、ありがとう。大賀典雄さん、ありがとう。松田直樹さん、ありがとう。伊良部秀輝さん、ありがとう。坂上二郎さん、ありがとう。小松左京さん、ありがとう。日吉ミミさん、ありがとう。原田芳雄さん、ありがとう。湯木博恵さん、ありがとう。尾藤公(びとう・ただし)さん、ありがとう。西本幸雄さん、ありがとう。成田文男さん、ありがとう。宮尾すすむさん、ありがとう。山内賢さん、ありがとう。柳ジョージさん、ありがとう。ジョー山中さん、ありがとう。和田勉さん、ありがとう。前田武彦さん、ありがとう。北杜夫さん、ありがとう。

横澤彪(よこざわ・たけし)さん、ありがとう。与那嶺要さん、ありがとう。エリザベス・テイラーさん、ありがとう。田中実さん、ありがとう。上原美優さん、ありがとう。ピーター・フォークさん、ありがとう。正力亨さん、ありがとう。辺見じゅんさん、ありがとう。スティーブ・ジョブズさん、ありがとう。

杉浦直樹さん、ありがとう。

これもう、そっちに行くのかと思ってたら、神様から、「お前には役目がある」って言われた格好になりました。まだそっちに行けませんね。

そして無名の方々。あなた達が一番、偉大かも知れない。ありがとう。

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