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2013年4月24日 (水)

コンサートの記(86) 藤岡幸夫指揮関西フィルハーモニー管弦楽団第244回定期演奏会

2013年2月27日 ザ・シンフォニーホールにて

午後7時からザ・シンフォニーホールで、関西フィルハーモニー管弦楽団の第244回定期演奏会に接する。今日の指揮は首席指揮者の藤岡幸夫(ふじおか・さちお)。藤岡は昨年から、年に1回、得意とするシベリウスの交響曲を1曲取り上げる予定で、昨年は交響曲第7番を演奏。今年は交響曲第3番を演奏する。

 

プログラムは、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番(ピアノ独奏:児玉桃)、シベリウスの交響曲第3番、黛敏郎の「舞楽(BUGAKU)」。アメリカ式の現代配置による演奏である。

 

プログラムの文章が下手くそなので誰が書いたのだろうと思ったら、音楽評論家の片山杜秀氏であった。氏はおちゃらけた文章から真面目な論文まで書ける人だが、今回のプログラムの文章は手抜きなのではないだろうか。

 

児玉姉妹の妹である児玉桃は昨年の年末にもNHK交響楽団の大阪公演のソリストとして聴いたばかりだ。力強いピアノを奏でるが、時折、バランスがおかしくなったり、響きが濁ったするという瑕疵がある。いかに名手といえども毎日毎日名演というわけにはいかないようだ。
藤岡の指揮する関西フィルは相変わらず大阪フィルや日本センチュリー響に比べるとあっさりとした音を出すが、弦の憂いなどはそれなりに出ている。一方、管はホルンが安定性を欠く。最近、大阪フィルのホルンが安定し出しただけに、関西フィルのホルンの不安定さが目立ってしまった格好だ。

 

 

 

シベリウスの交響曲第3番。この曲を生で聴くのは2度目である。前回は2007年に東京・四谷の紀尾井ホールで、ヨーン・ストルゴード指揮紀尾井シンフォニエッタ東京の演奏で聴いている。
紀尾井シンフォニエッタ東京は室内編成のオーケストラで、メンバーも非固定式なので、常設のフルサイズのオーケストラでこの曲を聴くのは初めてになる。

 

フィンランドの作曲家であるシベリウスの交響曲をドイツ系指揮者として初めてレパートリーに加えたのはヘルベルト・フォン・カラヤンとされるが、カラヤンは交響曲第3番だけはお気に召さなかったようで、他の交響曲は複数録音しているのに、交響曲第3番は録音も演奏された記録もない。
その理由として、第1楽章が滑稽味を帯びたというか野暮ったいというか、独特の舞曲で始まることが、スタイリッシュな音楽を好むカラヤンの感性に合わなかったことが想像される。

 

その第1楽章冒頭の舞曲。指揮者によって、音の大きさが大きく異なるが、藤岡は普通に強く弾かせていた。チェロ、そしてヴィオラを旋律が受け渡される。関西フィルの低音楽器群は残念ながらこの曲を演奏するには洗練度不足の気がするが、音の立体感の表出は見事だ。藤岡のテンポも適切で、フルートやオーボエといった木管楽器の涼やかな音色にも惹かれる。

 

第2楽章もある種の沈鬱さを大仰でなく表現することに成功。

 

第3楽章ではまたホルンに不調があったが、推進力に富んだ優れた演奏が展開された。

 

 

 

黛敏郎の「舞楽(BUGAKU)」。ニューヨーク・シティ・バレエの委嘱によるバレエ音楽である。これまでに岩城宏之指揮NHK交響曲盤(DENON=日本コロムビア)、湯浅卓雄指揮ニュージーランド交響曲盤(NAXOS)盤のCDが出ており、音盤ではおなじみの曲なのであるが、私がこの曲の実演に接するのは初めてである。
「舞楽」は、雅楽の響きをオーケストラが模倣し、それにパワーを加えた、おそらく日本作曲史上、最も日本的な楽曲であると思われる。ちなみにマンガ『のだめカンタービレ』で主人公の千秋真一が唯一指揮している日本人作曲家の楽曲でもある。

 

第2ヴァイオリン、ヴィオラ、そして第1ヴァイオリンなどが、雅楽の笙や篳篥の音に似た音を奏で、やがて神秘的な旋律から、「タン、タタ、タン」というリズムに乗せて音は大きくうねり出す。ピアノやチェレスタの音が絶妙のアクセントとなり、雅やかにして壮大な音の伽藍が築かれる。

 

第2部では「トントン・トトト」というリズムの繰り返しに乗せて、大変ダイナミックな音楽の塊が姿を現す。関西フィルもこの曲の演奏に関しては力不足を感じさせない。

 

好きではあるが、滅多に演奏されないという曲を2曲続けて聴けて、満足した夜であった。

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