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2013年4月の13件の記事

2013年4月28日 (日)

前田健太 『エースの覚悟』(光文社新書)

今や広島東洋カープのエースのみならずセントラル・リーグのエース、そして日本を代表するエースの一人にまで成長した前田健太。そんなマエケンこと前田健太の投球する際の心がけや、2012年に達成したノーヒットノーランのこと、少年時代の回想、見たり接したりしたプロ野球の選手の姿などを綴ったのが本書『エースの覚悟』(光文社新書)です。

前田健太 『エースの自覚』(光文社新書)前田投手の特徴の一つとして、子供の頃からコントロールに苦労したことがほとんどないということが挙げられます。普通はプロになる投手でもスピードはあってもコントロールがない、コントロールがあっても球威がない、あるいはスピードもコントロールも思うようにいかないところからスタートすることがほとんどなのですが、前田投手の場合はコントロールで苦労したことがないので、スピードを上げることだけに専念出来たということは大きいと思います。前田投手は子供の頃から「プロ野球選手になるのが当たり前」だと思っていたそうですが、コントロールが抜群だったので、自分が投手をやることに疑問を持たなかったのでしょう。しかし、それでもPL学園高校時代には、大先輩の桑田真澄投手の球を受けていたOBが捕手をかってでたりして、「桑田ならここに10球来たぞ」と、伝説的なコントロールの持ち主を比較に出されて、自然にコントロールの精度を高めることが出来るという幸運にも恵まれていたようにも思います。

前田投手はスピードとコントロールは抜群でしたが、変化球を投げるには苦労したようで、スライダーなどは他のピッチャーが絶対にやらないような握りで独自のものを投げます。前田投手の信条として、他の選手の話を聞いたりはするけれど、全てを受けいれるということはないということが挙げられます。何でも取り入れてやろうという良く言えば研究熱心になりますが、悪く言えば思考停止的な面がなく、柔軟な発想が出来る選手であることがわかります。また「僕はまだ全盛期じゃない」といつも自分に言い聞かせており、WBCでベストナインに選ばれても、更に上を追求しようとする姿勢に好感が持てます。

広島東洋カープは13年連続Bクラスが続いており、前田投手は日本シリーズはおろか、クライマックスシリーズでも投げたことがなく、「いい経験をしていない」という自覚が投手タイトルをいくつも受賞しながら、もっと上を目指す原動力になっていることは確かです。

また、阿部慎之助、アレックス・ラミレス、坂本勇人、井端弘和、稲葉篤紀、糸井嘉男といった相手に対する評価、そして田中将大、澤村拓一、斎藤祐樹、吉川光夫といった同じ1988年生まれのプロ野球投手への思いを窺うことも出来る一冊です。

前田健太 『エースの覚悟』(光文社新書) honto

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2013年4月25日 (木)

決定版大河ドラマ全曲集

毎回視聴率が話題になるなど、国民的ドラマの価値をすでに不動のものにしている感のあるNHK大河ドラマ。その大河ドラマのテーマ曲を第1回の「花の生涯」から第49回「龍馬伝」まで収めたのが本CDです。大河ドラマのテーマ曲を集めたCDは「秀吉」(第35回)のオリジナル・サウンドトラックが出た際に、それまでのものが全て収められていましたが、その「秀吉」から14作プラスされてのリリースです。NHKサービスセンターの発行、EMIミュージック・ジャパンからの発売。

決定版大河ドラマ全曲集シンセサイザーを使った音楽で世界から注目を浴びていた冨田勲(第1回「花の生涯」、「天と地と」、「新・平家物語」、「勝海舟」、「徳川家康」と最多となる5作で音楽を担当)、日本の現代音楽を代表する武満徹(「源義経」)、湯浅譲二(「元禄太平記」、「草燃ゆる」、「徳川慶喜」)、池辺晋一郎(「黄金の日日」、「峠の群像」、大河史上最高作品と呼び声の高い「独眼竜政宗」、「八代将軍吉宗」、「元禄繚乱」)、三善晃(「春の坂道」)、黒澤映画でおなじみの佐藤勝(「さん姉妹」)、ポップスとクラシックの融合に生涯を捧げた山本直純(「風と雲と虹と」、「武田信玄」)、当時新進気鋭の若手作曲家だった三枝成彰(「太平記」、「花の乱」)やドラマの音楽で定評のある岩代太郎(葵 ~徳川三代~」、「義経」)、服部隆之(「新選組!」)、吉俣良(「篤姫」)、大島ミチル(「天地人」)、佐藤直紀(「龍馬伝」)、世界最高の映画音楽作曲家の一人であるエンリオ・モリコーネ(「武蔵」)、そして大河ドラマのテーマソングの枠を超えて今でも暮れになると様々なテレビ局で使用される芥川也寸志の「赤穂浪士」などを収録。意外なところでは、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドとNHK交響楽団を共演させた宇崎竜童の「獅子の時代」、バンドとヴォーカルだけという、およそ大河ドラマのテーマらしくない谷村新司の「琉球の風」などもあります。

指揮者も岩城宏之、外山雄三、山田一雄、森正、秋山和慶、高関健、井上道義、尾高忠明、大友直人、広上淳一など日本を代表する顔ぶれが揃っており、更にはシャルル・デュトワ(「葵 ~徳川三代~」)、ウラディーミル・アシュケナージ(「義経」、功名が辻」)など世界的指揮者も加わっているなど、いずれも単なるテーマ音楽を超えた価値のある作品が並び、映像音楽好きのみならず、ポップス、クラシックファンも楽しめる仕上がりです。

決定版大河ドラマ全曲集(HMV) icon

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2013年4月24日 (水)

コンサートの記(86) 藤岡幸夫指揮関西フィルハーモニー管弦楽団第244回定期演奏会

2013年2月27日 ザ・シンフォニーホールにて

午後7時からザ・シンフォニーホールで、関西フィルハーモニー管弦楽団の第244回定期演奏会に接する。今日の指揮は首席指揮者の藤岡幸夫(ふじおか・さちお)。藤岡は昨年から、年に1回、得意とするシベリウスの交響曲を1曲取り上げる予定で、昨年は交響曲第7番を演奏。今年は交響曲第3番を演奏する。

 

プログラムは、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番(ピアノ独奏:児玉桃)、シベリウスの交響曲第3番、黛敏郎の「舞楽(BUGAKU)」。アメリカ式の現代配置による演奏である。

 

プログラムの文章が下手くそなので誰が書いたのだろうと思ったら、音楽評論家の片山杜秀氏であった。氏はおちゃらけた文章から真面目な論文まで書ける人だが、今回のプログラムの文章は手抜きなのではないだろうか。

 

児玉姉妹の妹である児玉桃は昨年の年末にもNHK交響楽団の大阪公演のソリストとして聴いたばかりだ。力強いピアノを奏でるが、時折、バランスがおかしくなったり、響きが濁ったするという瑕疵がある。いかに名手といえども毎日毎日名演というわけにはいかないようだ。
藤岡の指揮する関西フィルは相変わらず大阪フィルや日本センチュリー響に比べるとあっさりとした音を出すが、弦の憂いなどはそれなりに出ている。一方、管はホルンが安定性を欠く。最近、大阪フィルのホルンが安定し出しただけに、関西フィルのホルンの不安定さが目立ってしまった格好だ。

 

 

 

シベリウスの交響曲第3番。この曲を生で聴くのは2度目である。前回は2007年に東京・四谷の紀尾井ホールで、ヨーン・ストルゴード指揮紀尾井シンフォニエッタ東京の演奏で聴いている。
紀尾井シンフォニエッタ東京は室内編成のオーケストラで、メンバーも非固定式なので、常設のフルサイズのオーケストラでこの曲を聴くのは初めてになる。

 

フィンランドの作曲家であるシベリウスの交響曲をドイツ系指揮者として初めてレパートリーに加えたのはヘルベルト・フォン・カラヤンとされるが、カラヤンは交響曲第3番だけはお気に召さなかったようで、他の交響曲は複数録音しているのに、交響曲第3番は録音も演奏された記録もない。
その理由として、第1楽章が滑稽味を帯びたというか野暮ったいというか、独特の舞曲で始まることが、スタイリッシュな音楽を好むカラヤンの感性に合わなかったことが想像される。

 

その第1楽章冒頭の舞曲。指揮者によって、音の大きさが大きく異なるが、藤岡は普通に強く弾かせていた。チェロ、そしてヴィオラを旋律が受け渡される。関西フィルの低音楽器群は残念ながらこの曲を演奏するには洗練度不足の気がするが、音の立体感の表出は見事だ。藤岡のテンポも適切で、フルートやオーボエといった木管楽器の涼やかな音色にも惹かれる。

 

第2楽章もある種の沈鬱さを大仰でなく表現することに成功。

 

第3楽章ではまたホルンに不調があったが、推進力に富んだ優れた演奏が展開された。

 

 

 

黛敏郎の「舞楽(BUGAKU)」。ニューヨーク・シティ・バレエの委嘱によるバレエ音楽である。これまでに岩城宏之指揮NHK交響曲盤(DENON=日本コロムビア)、湯浅卓雄指揮ニュージーランド交響曲盤(NAXOS)盤のCDが出ており、音盤ではおなじみの曲なのであるが、私がこの曲の実演に接するのは初めてである。
「舞楽」は、雅楽の響きをオーケストラが模倣し、それにパワーを加えた、おそらく日本作曲史上、最も日本的な楽曲であると思われる。ちなみにマンガ『のだめカンタービレ』で主人公の千秋真一が唯一指揮している日本人作曲家の楽曲でもある。

 

第2ヴァイオリン、ヴィオラ、そして第1ヴァイオリンなどが、雅楽の笙や篳篥の音に似た音を奏で、やがて神秘的な旋律から、「タン、タタ、タン」というリズムに乗せて音は大きくうねり出す。ピアノやチェレスタの音が絶妙のアクセントとなり、雅やかにして壮大な音の伽藍が築かれる。

 

第2部では「トントン・トトト」というリズムの繰り返しに乗せて、大変ダイナミックな音楽の塊が姿を現す。関西フィルもこの曲の演奏に関しては力不足を感じさせない。

 

好きではあるが、滅多に演奏されないという曲を2曲続けて聴けて、満足した夜であった。

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2013年4月23日 (火)

忌野清志郎 「デイ・ドリーム・ビリーバー」

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2013年4月19日 (金)

猫町通り通信・鴨東記号 ピエタリ・インキネン指揮日本フィルハーモニー交響楽団 「シベリウス交響曲チクルスⅡ」

サントリーホールで行われるピエタリ・インキネン指揮日本フィルハーモニー交響楽団の「シベリウス交響曲チクルスⅡ」を聴くために東京に向かう。

今日は春にしては肌寒い日であったが、それは東京も同じであった。明日、明後日の東京は更に寒くなるという。体調に気をつけねばなるまい。

ピエタリ・インキネンはフィンランド出身の若手指揮者。1980年生まれだから指揮者としては若手の中でも更に若手の部類に入る。NAXOSから音楽監督を務めているニュージーランド交響楽団を指揮した「シベリウス交響曲全集」をリリースしているが、30歳になるかならないかの指揮者とは思えないほどの完成度を示し、注目を集める存在である。現在、日本フィルハーモニー交響楽団の首席客演指揮者の座にあり、その縁で、日本フィルとしては12年ぶりの「シベリウス交響曲全曲演奏会(チクルス)」に繋がった。ちなみに12年前に「シベリウス交響曲チクルス」を指揮したのは「シベリウス交響曲全集」を2度リリースしているネーメ・ヤルヴィである。

今日は交響曲第4番と第2番という組み合わせ。
交響曲第2番はシベリウスの交響曲の中で最もポピュラーな曲であり、演奏会のプログラムにたびたび載るが、交響曲第4番は完成度は随一ながら、暗い曲調と特殊な音楽性のために、おそらくシベリウスの交響曲の中でも最も演奏される機会の少ない曲だと思われる。この曲の実演を聴くのは私も初めてである。

前半が交響曲第4番、後半が交響曲第2番というプログラム。

インキネンが現れ、指揮台に立って一礼すると、まだ一音も発していないのに「ブラボー!」がかかる。この曲を取り上げてくれた御礼なのだろうか。

演奏する機会が少ないということは当然ながら演奏しなれていないわけで、指揮者、オーケストラともに負担は大きくなる。日フィルはシベリウスを演奏した回数が日本のオーケストラの中で一番多いと思うが、それでも金管、木管ともに完璧とはいかなかった。
一方の弦は透明で切れ味があり、胸が痛くなるような痛切な音楽を表現してみせる。
インキネンは流石に曲調をよく捉えており、おそらく人類史上最も見事に「絶望」を音楽に表した、この特異な交響曲を適度な抑制を持って演奏する。この曲はモーツァルトの二つのト短調やチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」のように思い切った嘆きをしないだけに却って救いようのない曲である。
第2楽章冒頭で、木管が明るすぎたり、第4楽章でインキネンの交通整理が上手く機能しない場面もあったが、全体としては優れた出来であった。

交響曲第2番は模範的な演奏。他のコンビの演奏と比べると、良い意味で鄙びた印象を受ける。シベリウスの音楽は都会の音楽ではなく、大自然の中の音楽なのである。第4楽章は実に明るく、暗い場面があることなど忘れそうになるほどだった。

アンコールは「悲しきワルツ」。しっかりとした演奏であった。

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2013年4月16日 (火)

さよならコリン・デイヴィス

イギリスの指揮者、サー・コリン・デイヴィスが14日死去。85歳。
私は指揮者のパーヴォ・ヤルヴィがFacebook上でシェアしたロンドン交響楽団のサー・コリン・デイヴィス総裁(President)追悼ページで知りました。
イギリス人の指揮者らしく、エルガーなどのお国ものに強いだけでなく、ベートーヴェンを始めとするドイツものにも明るく、真摯な音楽作りが多くの人に好感を与えました。ちなみにシベリウスの交響曲全集を3度完成させていますが、これは故パーヴォ・ベルグルンドと並ぶ最多記録だと思われます。

実演に接することが出来なかったのが残念ですが、CDで接した数々の名演に感謝したいと思います。

ロンドン交響楽団 サー・コリン・デイヴィス追悼ページ
http://lso.co.uk/sir-colin-davis-1927-2013

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2013年4月13日 (土)

朝比奈隆以来の快演 クラウス・テンシュテット指揮バイエルン放送交響楽団 ブルックナー 交響曲第3番「ワーグナー」

ブルックナーの交響曲というと、後期の交響曲第7番、第8番、第9番の他に第4番「ロマンティック」も人気がありますが、交響曲第3番「ワーグナー」と第5番も隠れた人気曲です。
今回紹介するのは交響曲第3番の方。「ワーグナー」というタイトルが付いていますが、これはブルックナーがワーグナーの大ファンであり、ワーグナーに献呈されたことに由来します。

ブルックナーの交響曲は後期の三大交響曲ともいうべき作品群には名演が多いのですが、初期の交響曲第1番、第2番、第3番(他に交響曲00番、0番などもあります)はコンサートに取り上げられる回数も少なく、名盤と呼べるものも少ないのが現状でした。

これまでにリリースされたCDでは、朝比奈隆が晩年に手兵である大阪フィルハーモニー交響楽団とスタジオ録音したキャニオン・クラシック盤がスケール雄大で迫力もあり、他を圧している格好でしたが、久しぶりに朝比奈に匹敵するCDを見つけたので紹介します。
クラウス・テンシュテット指揮バイエルン放送交響楽団盤です。profilレーベル。1976年の録音です。約20年後に録音された朝比奈隆盤以来の名演というのは変な格好ですが、テンシュテット盤は数年前にリリースされたばかりなのでそう表現するしかありません。

クラウス・テンシュテット指揮バイエルン放送交響楽団 ブルックナー 交響曲第3番「ワーグナー」クラウス・テンシュテットは旧東ドイツ出身の指揮者。長く東側のみで指揮活動を行っていたため、西側の諸国にはその存在や録音が知られない状況が続いていましたが、1971年に西側に亡命。1977年にニューヨーク・フィルハーモニックへの客演で大成功を収めると、その桁外れの実力に「五十代の大型新人」と称され、ヘルベルト・フォン・カラヤンがベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督の後任としてに直々に推すのではないかと言われたほどでした。特に1980年代のロンドン・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督時代の人気はもの凄く、ロンドンっ子を大いに沸かせ、オットー・クレンペラー以来の大巨匠扱いを受けました。しかし、酒好きで、リハーサル中にも袖にウィスキーの小瓶を忍ばせ、上手くいかない箇所に来ると小瓶を取り出して一口あおるという癖のあったテンシュテットはおそらくそれも遠因となって1985年に咽頭癌が見つかり、以後は闘病のため指揮台に立つ回数が減り、「テンシュテットのいないロンドン・フィルはミック・ジャガーのいないローリング・ストーンズ」のようだとロンドンの聴衆を嘆かせました。1990年代に入ると指揮活動はほとんど行えないほど病状が悪化、1998年に亡くなっています。

死後も評価は下がるどころか、毎年のように未発表録音が発売されているという人気指揮者であり続けているという稀有な存在です。

この演奏は残響が長い場所で録音されており、それが気になる人はいるかも知れませんが、冒頭からスケール、燃焼度は他の演奏とは比べものにならないほどであり、極めてドラマティックな演奏が展開されます。
朝比奈隆のキャニオン・クラシック盤に匹敵する唯一のCDとして高く評価したい一枚です。

クラウス・テンシュテット指揮バイエルン放送交響楽団 ブルックナー 交響曲第3番「ワーグナー」(profil)タワーレコード

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2013年4月 8日 (月)

ロヴロ・フォン・マタチッチによる巨大なモーツァルト&ベートーヴェン ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮NHK交響楽団 モーツァルト 交響曲第25番&38番「プラハ」、ベートーヴェン「大フーガ」

NHK交響楽団の名誉指揮者として一時代を築いたロヴロ・フォン・マタチッチ。旧ユーゴスラビア(現在の地理でいうとクロアチア)出身という、ヨーロッパ音楽界では不利な出自でありながら一部で高い評価を受け、日本のクラシック音楽界においてはウォルフガング・サヴァリッシュと並ぶかそれ以上の貢献を行いました。

1985年に亡くなっており、N響との録音も3点ほどしか残さなかったため、実演に接したことのない人には実力を確かめる機会が少ない指揮者でしたが、21世紀に入ってからNHKが過去の演奏会の録音をキングレコードやAltusレーベルからリリースすることを許し始めたため、マタチッチの力量を確かめることが可能になりました。

ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮NHK交響楽団 モーツァルト 交響曲第25番&38番「プラハ」、ベートーヴェン「大フーガ」マタチッチのレパートリーはドイツ正統派であり、特にブルックナーには定評があって、日本でのブルックナー人気向上に多いに貢献しました。
スケールの大きな演奏をするというイメージから、マタチッチ指揮のモーツァルトというとイメージ的にピンとこなかったのですが、実際は巨大なスケールを保ったまま典雅さも兼ね備えているという独自の名演であり、小編成、中編成で演奏される愛らしいモーツァルトとは異なる偉大なモーツァルト象が浮かび上がります。

疾風怒濤の台風版ともいえる交響曲第25番小ト短調、マタチッチの風貌からは想像もつかないほど典雅な交響曲第38番「プラハ」などは唯一無二の魅力を湛えています。

得意レパートリーだったベートーヴェンも流石の名演。

昨今の演奏とは違ったタイプのモーツァルトを聴きたい方にはお薦めのCDです。

ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮NHK交響楽団 モーツァルト 交響曲第25番&第38番「プラハ」、ベートーヴェン「大フーガ」(キングレコード)タワーレコード

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2013年4月 4日 (木)

ギルバート・オサリバン 「アローン・アゲイン(ナチュラリー)」

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2013年4月 3日 (水)

俺に告ぐ

おい俺、俺はどこまでが俺なんだい?

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失敗について

大抵の失敗は初歩を間違えているか勘違いしている。だから失敗したときには第一歩を見直すようにしている。

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2013年4月 2日 (火)

悩むということ

悩むということ。それは心が生きているということ。

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コンサートの記(85) 広上淳一指揮京都市交響楽団第555回定期演奏会

2012年3月25日 京都コンサートホールにて

午後2時30分から京都コンサートホールで、京都市交響楽団の第555回定期演奏会に接する。今日の指揮者は常任指揮者の広上淳一。

 

プログラムは、前半がバルトークの管弦楽のための協奏曲、後半がブラームス作曲、シェーンベルク編曲のピアノ四重奏曲第1番。

 

午後2時10分頃から、京響の赤いTシャツを着た広上がステージ上に姿を現し、プレトークが行われる。広上は京響の二人のコンサートマスター、渡邊穣と泉原隆志を招いてプレトークを行う。渡邊も泉原も今日演奏する二曲とも大好きだそうで、ともに18歳ぐらいの頃から好きになったそうだ。広上は指揮者のデイヴィッド・ジンマンが子供の頃、ニューヨークのよく遊んでいたバスケットボールコートのそばに変な老人がいた。そこで老人の家の窓にバスケットボールを投げつけた。3度目に投げた時に、窓ガラスが割れてボールが部屋の中に入ってしまい、老人が怒って出てきた。その老人がバルトークだったという話をする(ジンマンのインタビューによると投げつけたのはバスケットボールではなく石ころだった)。

 

バルトークの管弦楽のための協奏曲。今日の広上は二曲ともノンタクトでの指揮である。今日は前半からクラリネットに小谷口直子、オーボエに高山郁子がおり、清水信貴がいないだけで、一軍編成である。
京響の弦はジューシーで輝きがあり、金管は光に溢れ、木管はチャーミングに歌う。音楽に立体感があり、音響の悪い京都コンサートホールがよく鳴る。
今週は、山田和樹指揮大阪フィルハーモニー交響楽団と飯森範親指揮関西フィルハーモニー管弦楽団の演奏会にも接しているが、広上と京響は前二者よりも確実に充実した演奏を展開している。

 

ブラームス作曲、シェーンベルク編曲のピアノ四重奏曲第1番。
各楽器が時に主張し、時に溶け合う。広上のオーケストラ掌握術は抜群で、神秘的な第2楽章、豪快な第3楽章など、表情の描き方も上手い。

 

演奏終了後にファゴットの山本一宏が今日で定年退職することが告げられ、山本は男性楽団員の仲間3人から花束を受け取った。

 

終演後にレセプションがあり、山本一宏はファゴット仲間3人(中野陽一郎、東口泰之、首藤元)と共に、プロコフィエフの「ユーモラス・スケルツォ」と作曲者不詳のロシアの曲「長い道」を演奏する。

 

私の方は、広上淳一にサインをして貰った。

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