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2013年11月 5日 (火)

コンサートの記(106) 大植英次指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団第470回定期演奏会

2013年7月23日 大阪・福島のザ・シンフォニーホールにて

午後7時から、ザ・シンフォニーホールで、大阪フィルハーモニー交響楽団の第470回定期演奏会を聴く。今日の指揮者は大フィル桂冠指揮者の大植英次。

曲目は、ブラームス作曲、シェーンベルク編曲のピアノ四重奏曲第1番(管弦楽板)と、ラヴェルの歌劇「子供の魔法」(演奏会形式)。

毎回のように聴きに行っていた大植英次と大阪フィルのコンサートだが、大植が大阪フィルの音楽監督を辞任し、出演が年1回ペースに減り、昨年は大植英次指揮の演奏会は聴いていないので、同コンビの演奏を聴くのは久しぶりである。

今日は舞台後方の席を後半の歌劇「子供の魔法」では合唱団が使用するので、販売はなし。下手3階席、舞台上方での鑑賞となる。

 

ブラームス作曲(シェーンベルク編曲)ピアノ四重奏曲第1番(管弦楽版)。大植は普段から短めの指揮棒を使っているが、今日は一際短く、細い指揮棒を使用。この曲は暗譜で振ったので、指揮棒を置く譜面台はなく、指揮棒を振ったり、指揮棒を燕尾服のポケットに入れて、ノンタクトで振ったりを繰り返す。

大植の生み出す音楽は、とにかく明るく、エネルギッシュである。弦も管も音に張りがあり、力強さと緻密さを兼ね備えている。

大植は、第1楽章では、ほとんど拍を刻むことはなく、最初の一拍を示すだけで、後は音型を両手で表現するなど、いかにもレナード・バーンスタインの弟子らしい指揮をする。第2楽章では、拍を刻んだが、体を動かすのを完全に止めてしまい、顔だけで指揮する場面も見られた。全楽章を通して身振り手振りは大きく、動きも多彩である。

先に書いたようにとにかく明るい演奏で、私の趣味とは異なるが、優れた演奏であることに間違いはないだろう。

ラストをジャンプで終えた大植は指揮台の上でガッツポーズをしてみせる。

 

後半、ラヴェルの歌劇「子供の魔法」(演奏会形式)。
大植は、このオペラを何度も指揮しており、いつか大阪フィルの定期演奏会でも取り上げたいと思っていたそうだが、それが叶ったことになる。

出演は、ステラ・ドゥフェクシス(メゾ・ソプラノ)、インゲボルグ・ダンツ(コントラルト)、天羽明惠(ソプラノ)、レイチェル・ギルモア(ソプラノ)、アネリー・ゾフィー・ミューラー(メゾ・ソプラノ)、セヴァスティアン・ノアーク(バリトン)、ドミニク・ヴォルティッヒ(テノール)、ルドルフ・ローゼン(バリトン)。合唱は、ザ・カレッジ・オペラハウス合唱団、すみよし少年少女合唱団。

フランス語歌唱、日本語訳字幕表示付きの演奏であるが、舞台の両袖に電光掲示されるものではなく、ザ・シンフォニーホールの上手と下手の壁面に、パイプオルガンを挟むようにして文字が投影される。左右の花道には大型モニターが設置されており、サイド側の席に座った人はそのモニターで日本語訳を見ることになる。

歌劇「子供の魔法」の筋書き自体は至って単純で、いたずら坊主が幻想の世界の迷い込むという絵本チックな展開である。

この曲は、オーボエ2本が長い前奏を吹き、途中で弦の高音が入って来るのだが、その高音を奏でているのは実はコントラバス奏者である。コントラバスの一番高い音を出しているのだ。特殊演奏によるものである。大植指揮の大フィルは鮮やかな彩りの音を出し、ラヴェルを演奏するのに十分な力がある。大植と大フィルのコンビは長年に渡って聴いてきたが、予想を遙かに超えたところまで来たようだ。

暗譜を常とする大植だが、この曲は歌詞があるということもあり、譜面台を用意してスコアをめくりながらの指揮となる。ノンタクトで振る場面もあり、この時は譜面台にタクトを置いたが、譜面をめくった時に指揮棒が指揮台の下に落ちてしまい、拾えないので、指揮棒が欲しい場面でもノンタクトで続け、横にいたルドルフ・ローゼンがそれに気付いて、指揮棒を拾い、大植に手渡すという場面があった。

主人公の子供役を歌うステラ・ドゥフェクシスはどうしたわけかベリーショートにしていたが、歌唱は安定している。他の歌手達も優れた出来だ。合唱も、少年少女合唱団も良い。

この演奏も優れた出来を示し、大植は、合唱団に向かってサムアップ。少年少女合唱団には口を指で左右に拡げ、「笑顔」の仕草をしてみせる。

大植英次がやはり特別な指揮者であることを知らされた夜であった。

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