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2013年11月の25件の記事

2013年11月28日 (木)

コンサートの記(110) 三ツ橋敬子指揮京都市交響楽団「華麗なる2大コンチェルト」

2013年7月13日 京都コンサートホールにて

午後2時から、京都コンサートホールで、京都ミューズ・クラシック・シリーズ2013第2回7月例会、三ツ橋敬子指揮京都市交響楽団「華麗なる2大コンチェルト」という演奏会に接する。京都の音楽事務所である京都ミューズ主催の演奏会。

指揮者の三ツ橋敬子(みつはし・けいこ)は、日本人若手指揮者三羽烏の一人とも称されるホープ(三羽烏の残りの二人は、山田和樹と川瀬賢太郎)。東京都生まれ。東京藝術大学大学院音楽研究科指揮専攻修了。その後、ウィーン国立音楽大学と、イタリアのキジアーナ音楽院に留学する。これまでに小澤征爾、小林研一郎、ジャン・ルイジ・ジェルメッティ、松尾葉子らに師事。また「小澤征爾音楽塾オーケストラ・フェスティバル」と「小澤主催の「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」で小澤のアシスタントを務めている。ただ、暗譜で振ることを常とする小澤と違い、暗譜には否定的のようで、今日は全て譜面台に楽譜を置き、譜面をめくりながら指揮していた。2008年に第10回アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクールで優勝に輝く。日本人として、また女性ととして初の、更に同コンクール史上最年少での優勝であった。10年にはアルトゥーロ・トスカニーニ国際指揮者コンクールで2位に入り、合わせて聴衆賞を受賞している。

日本人若手指揮者三羽烏のうち、山田和樹指揮の演奏は実演とCDで、川瀬賢太郎指揮の演奏は実演で聴いているが、三ツ橋の指揮する音楽を聴くのは私は今日が初めてである。

コンサートタイトル通り、協奏曲がメインのコンサート。
プログラムは、前半がいずれもチャイコフスキー作品で「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズ、ヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン独奏:黒川侑)。後半は共にラフマニノフの作曲で、「ヴォカリーズ」(作曲者自身によるオーケストラ編曲版)、ピアノ協奏曲第2番(ピアノ独奏:小山美稚恵)。オール・ロシアものである。
協奏曲がメインのコンサートということもあってか、ステージ後方のいわゆるP席の販売は今日はなし(ピアノの場合、蓋が反響板の役目を果たすので、舞台後方の席だと、ピアノが聴き取りにくくなることが考えられる)。私は今日は3階席に陣取る。京都コンサートホールは、天井が高く、またステージ上に反響板がないため、音がステージの上に行ってしまうという独特の傾向がある。弦楽器は全てそうだが、管楽器もホルンやチューバ、ファゴットなどは音が上に行く楽器であるし、他の菅楽器も、ステージに反響して音が上に行きやすい。ということで、ステージからは最も遠いが、直接音が当たる天井に近い3階席で聴く音が一番良いという、世にも奇妙なコンサートホールである。指揮台上で聴く音響は良いようで、佐渡裕や尾高忠明などが京都コンサートホールの音響を褒めている(1階席は音が上に行ってしまい、天井に反響してから返ってくるまでが遠いということで、ステージはよく見えるが音がクッキリと聞こえないというケースが多い。というわけで二人の発言は信用されていない。京都市交響楽団常任指揮者である広上淳一は流石というか、第九の演奏会で1階席でも音の伝わる音楽作りをしていた)。1階席の聴衆は高いチケット料金を払って視覚面は良いが音は今一つの席を買うことになり、理不尽な思いをすることが多い。

三ツ橋はポニーテールにスーツという姿で登場。京都市交響楽団の今日のコンサートマスターは泉原隆志。ただ、今日のフォアシュピーラーはもう一人のコンサートマスターである渡邊穣ではなく、女性奏者が務める。その結果、泉原以外のヴァイオリン奏者は第一、第二ともに全員女性ということになった。フルートは前半から首席奏者の清水信貴が入っており、独奏者への配慮が感じられる。

チャイコフスキーの「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズ。三ツ橋の指揮する京都市交響楽団は良く鳴る。三ツ橋の指揮であるが、基本的にビートは小さめ。ここぞという時に大きく両腕を動かす。また、タクトを握らない左手がものをいっており、拍を刻んだり、ピアノを弾くように動かして、オーケストラを操る。弦と管のバランスは最上級。また管楽器のソロパートを浮き上がらせる術にも長けており、京響から清澄な音を引き出す。噂に違わぬ逸材のようだ。またオール・ロシアものということもあるのかも知れないが、チェロやコントラバスという低音担当弦楽器を強めに弾かせ、日本人指揮者としては珍しいピラミッド型に近いバランスを採っている。

ヴァイオリン協奏曲。ソリストの黒川侑(男性)は今年23歳という若手。京都市生まれ。京響のコンサートマスターであった故・工藤千博(男性。弦楽器奏者は、楽器自体が高く、幼時から始める必要のあるレッスン代も馬鹿にならないので、裕福で音楽に理解のある家に生まれないとプロになることは極めて難しい。そのためか、男性奏者も雅やかな男女共用の名前を持つ人は他の業界に比べて多い)らに師事。ウィーン留学を経て、現在はブリュッセル王立音楽院に在籍中である。京都市交響楽団とは広上淳一の指揮でプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番の独奏を務めて共演。この演奏はライヴ・レコーディングが行われ、京都市交響楽団の自主制作盤として市場に出ており、街のCDショップやWebCDショップで購入することが可能である。現時点での黒川のレコーディングはこの1点のみである。

今日の京都市は荒天。雨が時折、激しく降り、ヴァイオリン協奏曲演奏中には雷鳴がホールの中まで聞こえるという悪条件での演奏である。

黒川のヴァイオリンは音が磨き抜かれている。ただ、第1楽章はやや型にはまった感じを受け、伸び悩みが心配される。それでも23歳という若いヴァイオリニストの演奏としては十分な出来であった。
第2楽章はメランコリックな表現に成功。音の一つ一つに哀しみが宿っており、3つの楽章の中ではこの第2楽章が一番良かった。
第3楽章は超絶技巧の見せ場であり、外連味たっぷりに弾くヴァイオリニストが多いが、黒川は涼しい顔をしてスラスラ弾いてしまう。メカニックがかなり優れていることの証である。望むらくは、男性奏者なので、低弦を奏でる際は、もっと太い音を出して貰いたかった。
不満なところもあるが、独奏者の年齢を考えれば、優れた出来である。三ツ橋指揮の京都市交響楽団の伴奏も華麗な音でソリストに色を添える。演奏終了後、黒川はステージ袖から出てきた若い女性から花束を受け取った。

後半のラフマニノフ作品2曲。オーボエ首席の位置に本当のオーボエ首席奏者である高山郁子が入り、前半は首席の位置にいたフローラン・シャレールが次席に下がる。京都市交響楽団の有名奏者であるクラリネットの小谷口直子は今日は降り番であった。

「ヴォカリーズ」は実に繊細な表現で、哀しみが自然に滲み出てくるという秀演であった。

現時点での、事実上の日本人「ピアノの女王」、小山美稚恵のソロによるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。小山実稚恵は、東京藝術大学と同大学院を修了しており、三ツ橋の大先輩に当たる。
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は小山の十八番の一つ。今日も冒頭から男性ピアニスト顔負けの力強くて深みのある音を出し、抜群の技術を武器に華麗な音楽を展開していく。演奏スタイルは情熱的。出る音はクリアである。鍵盤の一つ一つを一番奥までしっかりと弾くタイプのピアニストであり、鍵盤を舐めるように弾く美音家ピアニスト(ウラディーミル・アシュケナージが代表格であろう)の対極にある演奏家だ。第3楽章の冒頭では一瞬、音がもつれそうになった部分があったが、それ以外は完璧な演奏を成し遂げる。
三ツ橋指揮の京響は、透明感のある美しい伴奏を聴かせる。
2曲共に優れたラフマニノフであった。
演奏終了後、小山実稚恵と三ツ橋敬子の二人に花束が贈られる。

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2013年11月26日 (火)

滝廉太郎 「憾」

私が千葉にいた頃によく弾いていた曲です。

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2013年11月23日 (土)

笑いの林(12) 「挑戦者! 桜 稲垣早希の果たし状」

2013年7月10日 大阪・なんばの5upよしもとにて

午後8時から、大阪・なんばにある、5upよしもとで、「挑戦者! 桜 稲垣早希の果たし状」という公演を観る。

5upよしもとは、元はワッハ上方ワッハホールといって、落語などの伝統芸能や、現代劇の公演などに使われてきたが、それまでの若手の劇場だったbaseよしもとが、NMB48劇場に改装されたため、5upよしもととして若手の芸人が芸を磨く劇場となっている。午後8時直前まで公演があり、GAG少年楽団などの人気若手漫才師が出演していて、劇場からは若い女の子が次から次へと出てくる。基本的に男性の若手芸人のための劇場なので、女性客多いのが特徴。

ただ、今回は女芸人である桜 稲垣早希の公演とあって、客席の大半は男性客で埋まっている。

「挑戦者! 桜 稲垣早希の果たし状」は、桜 稲垣早希が、アジアン・馬場園梓、三浦マイルド、シャンプーハットてつじの3人先輩芸人と技を競うものである。

5upよしもとのステージに現れた早希ちゃんは、グレーの袴に緋色の打ち掛け。早希ちゃんが大好きで、中学の頃に剣道部に入るきっかけとなった「るろうに剣心」の緋村剣心を意識した衣装であると思われる。髪型はポニーテールで、これは束髪をイメージしたものだろう。

早希ちゃんは、行く行くは「吉本のダウンタウンになりたい」と宣言する。後に、突っ込まれることになるのだが、ダウンタウンは吉本所属である。

司会者兼レフェリーは、先程まで同じ舞台で漫才を行っていたGAG少年楽団の宮戸洋行。レフェリーの格好をして登場する。

最初のゲストは、アジアンの馬場園梓。早希ちゃんは馬場園に、「遅かったな」と巌流島で佐々木小次郎が宮本武蔵に向かっていうようなセリフを話すが、馬場園は「いや、随分前に来てました」と返す。

早希ちゃんは、よしもとべっぴんランキングで、馬場園が3年連続で1位になり、自分は3年連続で2位、4年目は3位になるなど、ランキングで馬場園に勝てないことの不満をいう。

早希ちゃんは馬場園に勝ったら、雑誌「steady.」のモデル出演権を獲得したいというが、馬場園は「steady.」にポッチャリモデルとして出ているので、「『steady.』でいいの?」聞き返す。早希ちゃんは「いいです」、「なんなら太りましょうか」と説得する。

まずは「女心診断対決」。心理学に基づいた心理テストでその人の内面を明らかにしようというもの。ただ心理テストは最近では科学的根拠に乏しいとされていて、参考程度にしかならないといわれている。

最初は、「木洩れ日の射し込む、喫茶テラスで、あなたは可愛いお友達と一緒にいます。お友達が、『さっきから私のことをずっと見ている人がいる』というので、振り向いたら、その男性はどんなタイプの人?」というものであった。aが「アキバ系ストーカー」、bが「肉体系労働者」、cが「エリート系サラリーマン」である。
ストーカー被害にあったこともあるという早希ちゃんは、aの「アキバ系ストーカー」を選び、馬場園さんはbの「肉体系労働者」を選んだ。
これはその人の腹黒さを測るテストである。早希ちゃんは結構、腹黒キャラなので、会場からは笑いが起こる。

bの「肉体系労働者」は、腹黒さ50%。比較的、生活の苦しい肉体系労働者が美女を狙うというところに腹黒さが反映されているそうだ。

aの「アキバ系ストーカー」は、腹黒さ100%。会場大爆笑。プライドの高さの裏返しだという。ちなみにcの「エリート系サラリーマン」を選ぶと腹黒さを0%であった。

次の心理テストは答えが選択制ではなく筆記制で、自由に書くというものだった。出題は、「あなたは子豚です。悪戯をしているのが見つかって、怒られ、『ご飯抜きよ』と言われました。その時にあなたが取った行動は?」
馬場園は、「ぶーぶー泣きながら(ママ)、お腹を出して訴える」というもの、早希ちゃんはイラストで解答。豚の画を描いて、鳴いてはいるがしっぽも振っているというものだった。
これで分かるのは、「彼氏と喧嘩をしたときの対応」。心理テストではあるが、状況を置き換えただけなので、そのまま通じるテストではある。馬場園さんは辛口だが、甘えキャラ。早希ちゃんはツンデレなところがあるので、当たっているといえば当たっている。

最後の心理テストは、画によるもの。中央に小川が上から下へと流れており、ピンクの橋が架かっている。左岸と右岸にウサギが一羽ずついる。ここの画にもう一羽(宮戸は一匹の方を使っていたが)描き加えるとしたら、どこに描きますかという出題である。
馬場園は右岸の上方にウサギを描く。早希ちゃんはというと、何と川の中にウサギを描く。ウサギが溺れていて、両岸にいるウサギが溺れているウサギを助けるという物語があるという。
これは、「恋人と別れた時の未練度」を測るもので、右岸は20%で馬場園さんはここに該当。橋の上だと未練度は50%とやや高く、左岸に描いた場合は80%で引きずるタイプだという。ただ川の中にいるウサギを描く人はいないので、早希ちゃんの未練度は測定不可能であった。司会の宮戸も「川の中に描く人なんている?」と呆れていた。

心理テストの勝敗は、まともだという理由からか、馬場園梓が勝利する。

続いては「悪口対決」。小道具が運ばれてきて、それに対する悪口をいい、より面白かった方が勝利するという対決である。

まずはピンクのドライヤー。早希ちゃんが、「ドライヤーには裏表がある」とホットとクールがあることを指摘してスタート。馬場園は、スイッチも人に入れて貰わなければならない、そもそも、コードを電源に繋がないと使えないということで、コードを指して「ヒモみたいなもの」という。早希ちゃんは「ピンクが好きな女性は性格が悪い人が多い」というどこからの情報なのかわからない発言をする。
早希ちゃんは更に、「ドライヤーはわがままで、風で自分以外のものを地球の外に放り出そうとしている」というが、馬場園は、「スケールが大きすぎてよく分からない」と苦笑いであった。

続く対象はフライパン。馬場園が「テフロン加工っていうけれど、テフロンって何? 何かよう知らん間にテフロンが常識みたいになってる」と発言。更に、フライパンを持って「重い」という。早希ちゃんもフライパンを持って「重い。デブ」という。そして馬場園を指さす。馬場園が「しかも黒いし」というと、早希ちゃんは「ガングロとかあった」、馬場園「ヤマンバ」、早希「汚ギャル」などと続ける。

より意地が悪かったということで(?)、ここは早希ちゃんの勝利。

司会の宮戸は、「最後の方が二人とも90年代のテイストが入っていましたが」という。

これで、馬場園梓との初戦は終了。幕間に「桜 稲垣早希のお笑い武者修行」という映像が中央のスクリーンと、左右にあるディスプレイに映る。まずは洗濯ばさみとの対決。よくお笑いでは洗濯ばさみを耳や目蓋などにつけて、痛みを与えるという罰ゲームをやるが、早希ちゃんは自分で洗濯ばさみを耳や目蓋につけて、洗濯ばさみ一つ一つに繋がった紐を一気に引っ張る。勿論、痛いので後ろにひっくり返る。「耳のが取れてへん」ということで、耳たぶにつけた洗濯ばさみはつまんで外した。

 

続く挑戦される側は、R-1ぐらんぷりのチャンピオンである三浦マイルド。早希ちゃんは、先程と同じように「遅かったな」といい、「三浦さんのせいで、R-1に勝ち進めない」と愚痴をいう。早希ちゃんは三浦に勝ったら「R-1王者の称号を譲る」ことを条件に出す。三浦の方は、若手女性芸人に余り無理なことは出来ないからと「勝ったら早希ちゃんの首筋をクンクンする」に落ち着く。

イメージフラッシュクイズ。複数の写真が短時間で変化していき、それらの写真に共通するものを当てるというもの。

1問目は、林檎、電車、猫、コンビニ、苺などがスライドしていくもの。正解は「キティちゃん」だったが、二人とも正解出来なかった。

2問目は、タマネギ、きゃりーぱみゅぱみゅ、ポールダンスなどの画像が短時間で切り替わっていく。早希ちゃんは「レディ・ガガ」と答え、正解。小泉エリさんによると早希ちゃんはレディ・ガガのファンだという。

3問目は、傘、トウモロコシ、日曜洋画劇場のラストタイトルなどの画像が浮かんでは消える。早希ちゃんは、「となりのトトロ」と答えて正解。早希ちゃんは分かった理由を色々解説するが、早希ちゃんはアニメに詳しいため、これも早希ちゃんに有利な問題であった。

4問目は、眼鏡、綾瀬はるか、鶏などの写真が切り替わっていく。「肯徳基」という文字が一瞬浮かび、私は中国語が多少出来るので、その一発で分かり、眼鏡、綾瀬はるか、鶏などともすぐに繋がったのだが、この問題は二人とも正解を出すことが出来なかった。正解は「ケンタッキーフライドチキン」。「肯徳基」の北京語での発音は「ケンダーチー」であり、ケンタッキーのことだとすぐに分かった。カーネル(中尉)・サンダースの眼鏡。KFCのテレビコマーシャルに出ている綾瀬はるか。そして勿論、食べるのは鶏肉である。

この戦いは、2問正解した早希ちゃんの勝利となる。

暗転中の「桜 稲垣早希のお笑い武者修行2」。パンストを使った変顔に挑戦していた。

 

三人目のチャレンジされる先輩芸人は、シャンプーハットてつじ。早希ちゃんはやはり佐々木小次郎風に、「遅かったな」というが、てつじは、「三人目やから、ずーっと待ってたわ」と返す。
早希ちゃんが勝った場合に要求するのは「宮田麺児の神戸店開店」。宮田麺児は吉本一のラーメン通といわれるてつじが経営するラーメン店。早希ちゃんは神戸市出身である。

まずは「模擬レポート対決」。グルメレポーターをよりそれらしく演じるという勝負である。舞台上手側には椅子とテーブル。テーブルの上にはチャーハンの皿が置いてある。

ここで、「グルメレポートの絶対3ヶ条」がフリップで説明される。「一、店の佇まいを褒める。一、店員をベタホメする。一、見ていて食べたくなるようなレポートをする」である。

早希ちゃんは、いったんしゃがんで、飛び上がって、カメラにフレームインという始まり方を選択。てつじに「古いわ」といわれる。早希ちゃんは、中華料理店の外観を「金で出来てますね。金閣寺よりも金色です」と、どこにそんな中華料理店があるのかと不思議に思う解説をする。店内に入ると、おばちゃんに、「若いですねえ。お幾つですか。56歳。うちの母親なんて同年代でもう皺だらけ」と謙譲スタイルで褒める。
チャーハンを食べる前に、蓮華でチャーハンを掬って、カメラに向かって、「アーンして」とやる。てつじは「こういうの一番、嫌やわ」と声を発する。その後、チャーハンを食べた早希ちゃんであるが、猫舌という設定で、「猫舌なんてグルメレポーターに一番向いてないやん」と、てつじの突っ込みを受ける。早希ちゃんは「美味しい!」と驚いてみせ、その後、「美味しいです! 美味しいですよ!」と何度も絶叫。最後は、「ボヨヨーン」という、かつみさゆりのさゆりのネタをやる。てつじは「他人のネタやってる」と文句をいう。

てつじのグルメレポート。てつじは店の外観を「ぼろい」といい、「こんなぼろい店が名店なの?」とカメラマンに聞くが、店に入るなり、「もうチャーハンが用意されている」と驚く。「みんなチャーハンしか頼まないからチャーハンがすでに置いてあるんやわ」と推理。チャーハンを食べて、「硬い」というが、「でも、このチャーハンがこの世になかったら戦争が起きる。第三次世界大戦が起きるかも」とやって残念ながらすべった。早希ちゃんの勝利。

続くは「バレル?!知ったかぶり賢者対決」。「バレル」は、その道の通と呼ばれる芸人が出演し、その知識量がどれほどのものかを試すテレビ番組「バレベルの塔」から取られたもの。「バレベルの塔」には、早希ちゃんは「エヴァンゲリオン」で、てつじも「ラーメン」で出て、てつじは賢者認定獲得。早希ちゃんもラスト1問までは超難問だったにも関わらず、連続正解を続けた。
だが、今回は、知識ではなく、知ったかぶりの演技をして巧いほうが勝つという設定。

まずは、「4Kテレビ」、「2014年から本格的に発信される新型テレビ放送」で、「視力が良くなったように」感じ、「これまでのスーパーハイビジョンの4倍の解像度」があって、「USJでは7月からスパイダーマンのアトラクションで使用されている」ものだという。この4Kテレビは実在のものである。ただNHKスタジオパークに行くと、4Kテレビより更に画質のよいスーパーハイビジョンによる映像を大画面で見ることが出来、2020年に普及することを目指しているというから、4Kテレビは流行らないかも知れない。ちなみに「これまでのスーパーハイビジョン」と書いたのは吉本側のミスで、正確には「これまでのフルハイビジョン」である。
早希ちゃんは、「視力が良くなったように思えるならそれはレーシックと同じです」というが、てつじは「それは3Kテレビやろ。4Kテレビは目を閉じてても見られるねん」という。早希ちゃんは「眠ってても見られるような感じ。映像が飛び込んでくる」と伝える。

次のお題は、「米良美一」。スタジオジブリのアニメ映画「もののけ姫」の主題歌を歌ったことで有名になったカウンターテナー歌手である。「宮崎県西都市出身」で、「カウンターテナー」であり、「得意料理は、のりたまスパゲッティー」、「安倍なつみと、『なっち、めらっちの会』を結成」という4つの項目が、上から順番にめくられていく。宮崎県西都市というと西都原(さいとばる)古墳群で有名だが、二人ともそうした知識は持っていないようだ。てつじは、「『めら・よしかず』ではなく、『こめ・よしみかず』だとわざというが、最後に「なっち、めらっち」と出てきたので、「やっぱり『めら』やわ」と認める。早希ちゃんはカウンターテナーで、イタリアに行っていたから日本のものとイタリアのものが合体して「のりたまスパゲッティーになった」と語った。
ちなみに、米良美一は、生まれつき骨の折れやすい病気持ちで、脚をすぐ骨折してしまうため、背も小さく、幼い頃は養護学校に通っていた。
対決は、発言の多かったてつじに軍配が上がる。

暗転中の「桜 稲垣早希のお笑い武者修行3」。劇辛ミックスジュース。ジュースにまずミルクを混ぜ、その後、様々な飲料を混ぜて、最後にタバスコを入れる。勿論、辛い上に飲めたものではない。早希ちゃんは飲んですぐにフレームアウトして、「おえー」という声と、字幕が入る。

 

再び、馬場園梓との対決。「モデルウォーク大喜利」。レッドカーペットが用意され、そこをモデル歩きし、止まってポーズを決めたところで大喜利に答えるというもの。早希ちゃんは「コウコレに出たことがあるので、自信がある」。コウコレとは「神コレ」と書いて、「神戸コレクション」の略だという。早希ちゃんも馬場園さんも着替えてきていて、早希ちゃんはギンガムチェックのワンピース。馬場園さんは、海外の歌手の似顔絵の入ったTシャツの上にクリーム色のジャケットを羽織り、縦縞のタイトスカートという出で立ちである。

最初のお題は、「絶対に感動しないジブリのアニメ映画のタイトル」。
馬場園梓が先に手を上げて、落ち着いた歩き方を見せた後で、「ストッキング着払いの宅急便」と答える。
早希ちゃんは「よみがえる節子」と「火垂るの墓」からのネタである。歩き方もいかにもモデル風。必要以上に可愛さを強調するところもあり。
馬場園さんが、「パンケーキ焼いてるから耳をすまして」、早希ちゃんが「脇の下をそりシカ(「風の谷のナウシカ」のもじり)」、馬場園さんが「嫁の名前はポニョ、夫の名はジョージ・クルーニー」、早希ちゃんは「金を積ませば」と「耳をすませば」のパロディーを答える。

次のお題は、「20年前に埋めたタイプカプセルから出てきたら嫌なもの」。馬場園さんが「ヴィンテージのシャツ」、早希ちゃんが「昨夜落としたイヤリング」、馬場園さんが「ユナイテッド・カラーズ・オブ・ベネトン」とブランド品をいうと、早希ちゃんは「二十年前に無くなった給食費」とブラックなネタで攻める。

最後のお題は、「調子に乗って作ったはいいが、全く売れない、うまか棒の味」。早希ちゃんの先攻で、「ファンデーション味」、馬場園さんは、「おふくろの味」、早希ちゃんは「(チェーン状の)リング」、馬場園さんは「PRADA」とこれまたブランドもので勝負する。

馬場園さんが勝利した。

暗転中の「桜 稲垣早希のお笑い武者修行4」。辛子入りシュークリームに挑戦。辛子は自分で入れるのだが、余りの辛さに悶絶して終わる。

 

三浦マイルドとの再度の対戦。
「何でも絶叫 怖い話」。日常の出来事をあたかも怪談のように語るという対決である。早希ちゃんの先攻。お題はボックスの中に入ったものを引いて決める。「失敗した話」。早希ちゃんはMBSラジオの「こんちわコンちゃん」に前任で元相方の増田倫子さんからバトンタッチされる形で、毎週金曜日にレギュラー出演しているが、お昼3時頃の番組なのに、早希ちゃんは毎回、「おはようございます」といっていたという。3年以上、誰もそれを指摘しなかったとのことだ。
後攻の三浦マイルド。「あの人にありがとう」というお題。三浦は、なんばグランド花月(NGK)に村上ショージとヤナギブソンと三人で出演したことがあったが、村上ショージから散々駄目だしされたという。だが、ヤナギブソンは「気にするな。お前、面白い」といってくれたそうだ。

「家族の話」というお題で早希ちゃんの怪談風小話。早希ちゃんの父親は普通のサラリーマンであるが、早希ちゃんとは大変仲が良く、早希ちゃんが神戸から大阪に出て一人暮らしを始めたときも、毎日、「大丈夫か」、「ちゃんと食べてるか」などのメールをくれたという。早希ちゃんが実家に帰った時のこと。父親とは仲が良いので、気軽な気持ちで、父親が撮った写メを見ていたら、早希ちゃんが営業に回った先が全部写っていたという。娘可愛さが半端ではない。

「ラッキーな話」というお題で、三浦マイルドが語る。「あるラーメン店(具体的な名前を出していたがここでは自粛する)に入ったところ、出されたご飯が異様に硬かった。そこで店員に苦情を言ったところ、相手は平謝りで、買える際におまけをくれた」という。「ラーメン一杯無料」。これが観客に受けて三浦マイルドの勝利。早希ちゃんと三浦マイルドとは1勝1敗であるが、レフェリーの宮戸の独断と偏見により、三浦マイルドの勝利となる。三浦マイルドはR-1チャンピオンの称号を守った。三浦は「勝てて良かった。負けてたら、ヒューマン中村(R-1ぐらんぷり2位)に何て説明しようかと思っていた」と語った。早希ちゃんの首筋クンクンであるが、三浦マイルドは「早希ちゃんのファンには熱狂的な人がいて、下手なことをすると命が危ないといわれた」といい、「ボコボコにするなら天津・向をボコボコにして下さい」といって嗅ぐ。調子に乗って嗅ぎすぎたが、「いいシャンプー使ってるね」と褒める。

溶暗して、「桜 稲垣早希のお笑い武者修行5」。「ガリガリ君」早食いに挑戦するが、冷たすぎて早々にギブアップとなった。

 

シャンプーハットてつじとの再対決。将棋をやることになる。てつじは将棋初段で強いというが、本当の将棋をやっていたら朝までかかるので、積み将棋をやる。但し、両者ともにハンデあり。ハンデはボックスから紙を引いて決める。てつじがビリビリマッサージ、早希ちゃんは大音量ヘッドフォンを引く。
早希ちゃんの先攻で、初手を成功させる。てつじの番だが、ビリビリマッサージは手が震えてまともに動かせなくなるということで、てつじは最初の一手で失敗してしまう。宮田麺児の神戸店出店であるが、前向きに考えたいと表明した。

暗転。「桜 稲垣早希のお笑い武者修行6」。パイ投げにチャレンジ。といってもパイを投げる人がいないので、自分で自分の顔にパイをぶつける。何度も何度もぶつけ。顔を真っ白にした早希ちゃんは最後はアシスタントの女性の顔にもパイを押しつけてしまう。

 

ゲスト三人がそろい踏みしての、「捏造思い出エピソード」。タイトルは早希ちゃんが読み上げたが、漢字に弱い早希ちゃんのこと、「捏造」が読めずに総突っ込みを受ける。

嘘の思い出話を語り、4枚の写真に合わせて話を変えていくというもの。

トップバッターは早希ちゃん。「私は『ロケみつ』という番組で色々な国を旅してるんですけど、最近行った国はここです」と背後のスクリーンを指すが、映ったのはどう見ても富士山。ただ早希ちゃんはスイスの通過ポイントになったマッターホルンだと言い張る。2枚目の写真は、おじいさんが「日本最高峰富士山頂」という石碑の横に立っているものだが、おじいさんはガイドさんで、マッターホルンに登っても、日本人観光客が富士山登山の気分を味わえるように富士山としている石碑もあると捏造する。おじいさんは中国人で今でも文通をしているという。だが、3枚目の写真は険しい山肌で、そこに早希ちゃんの姿が遠い場所に合成されているというもの。早希ちゃんは、おじいさんとデートで山に登って、おじいさんは転げ落ちてしまったという。4枚目の写真は救命スーツを着た人物が横たわっていて、顔の部分だけ早希ちゃんに入れ替わっているというもの。周囲をやはり救命スーツを着た人々が取り囲んでいるが、早希ちゃんは、「これは、おじいさんの子供を私が産んだところです」と説明。「帝王切開しました」とも騙る。いや、語る。

二人目は三浦マイルド。自殺を考えたことがあるというリアルな話から入るが、1枚目の写真は公園で皆がダンスしているところ。三浦は自殺する前に一つ馬鹿騒ぎしてやろうじゃないかという風景だと説明する。2枚目の写真はアイドルグループが右手を突き出している写真であるが、「彼女達に自殺を止められたが振り切った」と乗り切る。3枚目は3人組アイドルがステージで歌っているところに三浦マイルドの写真が合成されている。芸人といえば舞台。舞台で死ねたら本望と三浦マイルドは話を作る。最後は4人組アイドルグループのCDジャケットにメンバーとして三浦の顔が入っているというもの。三浦は遺影だと話した。

三人目の馬場園梓。「おばあちゃんっ子だった」というが、最初の写真は西新宿にあるLOVEのオブジェ。おばあちゃんがどうしても生きてる間に行きたかった場所で一緒に行ったということにする。2枚目の写真は、街中で男女4人の若者が肩を並べている写真だが、どう見ても若い女性を、おばあちゃんだと言い張る。3枚目はいきなりスパイダーマンのパフォーマンス。おばあちゃんはスパイダーマンが好きでコスプレしているのだという。最後の写真は、馬場園がスパイダーマンの頭を持って、逆さになったスパイダーマンを支えているという合成写真。おばあちゃんがやってみたかったことだとしていた。

ラストのシャンプーハットてつじ。中学の時の修学旅行で九州に行ったという話をするが、1枚目の写真はどこからどう見てもエジプトのアブ・シンベル大神殿。てつじは九州にあった模型の大神殿だと言い張る。次は宿の話だというが、やはりどう見てもクフ王のピラミッドである。てつじはピラミッドの陰に宿があったのだという。彼女との恋の話になるが、3枚目の写真はツタンカーメンの棺。ごっこ遊びだということにする。告白の話になるが4枚目の写真は、ミイラと人々が対面しているところ。「ちょっと遅かった」と、てつじは言い訳する。

ゲスト組と早希ちゃんとの勝負はゲスト組に軍配が上がり、トータルでもゲスト組の勝ちとなる。

早希ちゃんは、「色々な人に果たし状を送りつけているので」と語って、シリーズ化の予定もあることを暗示した。

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レナード・バーンスタイン指揮ボストン交響楽団 ブリテン 「四つの海の間奏曲」

レナード・バーンスタイン生涯最後の演奏会となった、ボストン交響楽団を指揮したコンサートのライヴ録音です。バーンスタインはこの時すでに末期の肺ガンに冒されており、後半のベートーヴェン交響曲第7番第3楽章では、遂に指揮台後方のポールに手をついたまま動くことが出来なくなってしまいます。この楽章はボストン響のコンサートマスターがリードして何とか乗り切り、第4楽章はバーンスタインが最後の気力を振り絞って指揮しました。ブリテンの「四つの海の間奏曲」はコンサートの前半に演奏されてものです。「四つの海の間奏曲」は、ベンジャミン・ブリテンの歌劇「ピーター・グライムス」の5つある間奏曲から、4つを取り出し、ブリテン自身が合唱部分を除くなどしてコンサート用に編んだ曲ですが、歌劇「ピーター・グライムス」のアメリカ初演を指揮したのがレナード・バーンスタインでした。

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2013年11月22日 (金)

ブリテン 「戦争レクイエム」

ジョン・エリオット・ガーディナー指揮北ドイツ放送交響楽団ほかの演奏です。イギリス出身のジョン・エリオット・ガーディナーは古楽器オーケストラやバロック時代の合唱音楽の指揮者として活躍してきた人で、モダン楽器の、つまり普通のオーケストラのポストを引き受けたのは、この北ドイツ放送交響楽団首席指揮者が初でした。しかし、やはり古楽器のオーケストラの指揮を優先させたため、楽団のトップであるにも関わらず、北ドイツ放送交響楽団を振る回数が極端に少なく、音楽監督を退いた名誉指揮者となったギュンター・ヴァントが実質的な首席指揮者として活躍することになります。その時期にギュンター・ヴァントは急速に名声を高めることになるのですが、結局、ガーディナーは大した功績を残せないまま首席指揮者を退任。そのため、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮北ドイツ放送交響楽団の音源はそれ自体が貴重です。

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ストラヴィンスキー 「ジョン・F・ケネディ(J.F.K.)のための哀歌」

Elegy for J.F.K.
Su testo di W.H. Auden (1964)
Per mezzosoprano e tre clarinetti

When a just man dies,
Lamentation and praise,
Sorrow and joy, are one.

Why then, why there,
Why thus, we cry, did he die?
The heavens are silent.

What he was, he was:
What he is fated to become
Depends on us

Remembering his death,
How we choose to live
Will decide its meaning.

When a just man dies,
Lamentation and praise,
Sorrow and joy, are one.   

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2013年11月21日 (木)

観劇感想精選(104) 劇団M.O.P. 「阿片と拳銃」

2008年7月11日 大阪・京橋の松下IMPホールにて観劇

午後7時から、大阪の松下IMPホールで、劇団M.O.P.の公演「阿片と拳銃」を観る。マキノノゾミ:作・演出。出演:キムラ緑子、三上市朗、小市慢太郎、林英世、酒井高陽、木下政治、奥田達士、勝平ともこ、白木三保、奥村宏懇、友久航、塩湯真弓、永滝元太郎、竹山あけ美、塩釜明子、神農直隆、岡森諦、片岡正二郎、関戸博一。舞台美術:奥村泰彦(MONO)。

2010年の公演をもって解散することが決まっている劇団M.O.P.。会場入り口で渡された無料パンフレットにも「ファイナル・カウントダウン、開始!」との文言がある。

現在は東京を本拠地としている劇団M.O.P.だが、元々は京都の劇団。ということで、客席には関西演劇界の有名どころがちらほら。西川きよし師匠が観に来ていたのにはさすがに驚いたが。

「阿片と拳銃」は、1939年の上海、1959年の京都、1979年の浜松の三カ所を主な舞台とする作品。1939年の上海の場には、満映理事長である甘粕正彦(演じるのは奥田達士)も登場する。

1979年、浜松・三方原の老人ホーム。滝口ヒカル(キムラ緑子)は、ここに入っているが、性格は陰気で、仲間からの評判は良くない。性格が陰気になった原因は、最初の夫を目の前で撃ち殺されたからだというのだが…

1939年、魔都と呼ばれた頃の上海。ヒカルは、守山良文(小市慢太郎)という男と結婚している。守山と出会ったのは、1931年の東京・銀座でのこと。「パリの空の下」という映画を観ての帰り道、かねてより「情婦にならないか」としつこく誘う暴力団の組長にさらわれそうになったヒカルは、守山と、滝口新吉(三上市朗)という男の二人に救われる。実際には救われたというよりは、警察が止めに入り、暴力沙汰と勘違いされ、逃げ遅れたヒカル、守山、新吉の三人だけが暴行の容疑で留置場に連れて行かれたのだったが。
だが、留置場で話しているうちに、三人が三人とも、その夜に同じ映画館で「パリの空の下」を観ていたことがわかる。

ヒカルは、その時、もし二人のどちらかと再会することがあったら、最初に会った方と結婚しようとその時決めていた。そして上海で守山と再会し、結婚したのだった。

1939年の上海に新吉もやってくる。新吉は共産党活動を行っていて逮捕され、半年前に出所したばかり。今は転向しており、上海には国策的情報機関の記者として雇われてやって来たのだが、上海に着くなり「アカは雇えない」ということで契約を反故にされてしまう。

新吉が上海に来ることを知った守山は、新聞広告を出して、新吉を自分の事務所に招く。8年ぶりに再会する3人。守山は新吉に甘粕正彦を紹介し、満映で働くよう提案する。

1959年の京都、新吉は「滝口プロダクション」という小さな映画プロダクションを興し、映画監督をしている。上海で死んだ守山の頼みもあって、新吉はヒカルと結婚、一男をもうけている。新吉とヒカルの息子である洋平(関戸博一)も高校を中退し、今は新吉のプロダクションで働いていた。しかし、滝口プロダクションの経営は火の車。主演女優へのギャラが払えないため、新作映画「阿片と拳銃」の撮影が全く進まないでいる。
結婚したヒカルと新吉だったが、夫婦仲は最悪であり、ヒカルはしょっちゅう浮気をして、家を飛び出している。息子の洋平もヒカルのことを快く思っていない。
資金繰りが上手くいかず、もはや倒産は避けられないという状態になった滝口プロダクション。しかし、渋川という右翼の大物(モデルはおそらく「一日一善」のあの人)から500万円もの出仕があった。なぜ元共産主義者の新吉のプロダクションに右翼の大物からの資金提供があったのか? 実は裏には深い理由があった…

基本的にはラブロマンスである。ヨーロッパ映画のようなバタ臭さがあって、そこが好悪を分かちそうだが、作品としての充実度は極めて高い。

時系列が前後するが、これは1939年の上海を舞台にした関係上、サスペンス的要素を盛り込む必要があるものの、そうなると本筋が客に伝わりにくくなるため、時系列を変えて予め結果を客に知らせておくことで、安心して主筋を追えるようにとの意図があるものと思われる。

カーテンコールでは、恒例となったブラスの演奏があり、キムラ緑子が歌う。上海が主舞台の一つということもあって、本当に「上海バンスキング」のようだ。楽しい舞台であった。

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2013年11月19日 (火)

エディット・ピアフ 「愛の讃歌」

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2013年11月18日 (月)

コンサートの記(109) 「N響★カンタービレコンサート」2013

2013年5月5日 東京・溜池山王のサントリーホールにて

日帰りで東京へ。サントリーホールで午後2時から、「N響★カンタービレコンサート」を聴く。タイトルだけだと、NHK交響楽団首席オーボエ奏者の茂木大輔がやっているようなコンサートの類に見えるが実際は本格的なプログラム(余談だが茂木さんは今日は降り番だった)。前半は、オール・シベリウス・プログラムで、組曲「カレリア」、「トゥオネラの白鳥」、交響詩「フィンランディア」である。オール・シベリウス・プログラムでも指揮者が好きでなければ東京まで聴きに行ったりはしないが、今日の指揮者は大好きな広上淳一。広上は、今日、5月5日が誕生日で55歳になる。
後半のプログラムはベートーヴェンの交響曲第7番。ドラマ「のだめカンタービレ」のオープニングテーマだけに「カンタービレコンサート」と名付けたのだろうが、内容とタイトルがミスマッチの感はどうしてもぬぐえない。シベリウスの作品は最近はCDリリースラッシュで、日本のオーケストラのプログラムに載ることも多くなったが、独特の作風を存分に理解出来る人はまだ少なく、ブルックナー、マーラー級になるには最低でも後20年くらいはかかりそうであり、現時点では好事家向けの音楽である。

広上はシベリウスの交響曲に関してはおそらく第1番と第2番程度しかレパートリーにいないと思うが(以前、尾高忠明が京都市交響楽団でオール・シベリウス・プログラムをやると説明する時に後期の交響曲はまだ勉強していないというようなことを言っていた)、交響詩や管弦楽曲の幾つかは指揮している。ただ、広上のシベリウスを本格的に聴くのは初めてなので、無理矢理東京まで押しかけたのだ。

N響の今日のコンサートマスターはマロこと篠崎史紀。

組曲「カレリア」。フランスものを得意とするシャルル・デュトワを初代音楽監督に迎えた経緯のあるN響であるが、やはり得意なのは長年培ったドイツもの。今日の演奏も弦が分厚く。シベリウスにしてはカロリーはやや高めである。ただ、広上の繊細な表情付けは見事であり、シベリウスを得意とする日本フィルと広上の共演を聴いてみたくなる。

「トゥオネラの白鳥」も神秘的な雰囲気を存分に現出。広上というと、とにかく棒を振り回しているイメージを持つ方もいるかも知れないが、この指揮者の細部まで神経の行き届いた音作りは実に丁寧である。

交響詩「フィンランディア」も優れた演奏だったが、冒頭のブラスがちょっと強すぎるのではないかと思えた。屈強なN響のブラスが逆にあだになった格好である。ただ「フィンランド第二の国歌」と呼ばれる部分などの歌心は満点であり、シベリウスらしいシベリウスではなかったかも知れないが、音楽的には二重丸である。

後半、ベートーヴェンの交響曲第7番。広上指揮のベト7は、京都市ジュニアオーケストラ、京都市交響楽団の演奏で聴いているが、いわゆる爆演(爆発的、熱狂的な音楽)になるのを極力抑えた演奏であった。
ただ、今回はN響の威力を表に出そうという意図があったのか、第4楽章などは結構ノリノリの演奏となる。なお、第2楽章と第4楽章で、N響の弦が耳慣れない透明な音を奏でる部分があったので、確認してみると、ヴァイオリンがビブラートを極力抑えて演奏しているのがわかった。ビブラートを少しはかけているので、ピリオド・アプローチではなかったが、ピリオド奏法の良い部分を取り入れた演奏であった。

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2013年11月16日 (土)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送交響楽団(hr交響楽団)ほか メシアン トゥーランガリラ交響曲 フランクフルト・アム・マイン・ライヴ映像

ヘッセン放送(hr)とarteによるライヴ収録です。

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2013年11月15日 (金)

Happy Birthday! 龍馬 「龍馬伝」オープニングテーマ

作曲:佐藤直紀 演奏:リサ・ジェラルド(ヴォーカル)&広上淳一指揮NHK交響楽団

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2013年11月14日 (木)

ベンジャミン・ブリテン シンプル・シンフォニー

長岡京室内アンサンブルの演奏でどうぞ。

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2013年11月13日 (水)

アルヴォ・ペルト 「カントゥス ベンジャミン・ブリテンの思い出に」

演奏:デニス・ラッセル・デイヴィス指揮シュトゥットガルト国立管弦楽団

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2013年11月12日 (火)

ポール!

ポール!

京セラドーム大阪でポール・マッカートニーの来日公演「OUT THERE」を聴きます。

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2013年11月11日 (月)

笑いの林(11) 「桜 稲垣早希のセンパイとあそぼう!」2011年1月

2011年1月8日 京橋花月にて

午後7時から、大阪の京橋花月で、京橋ナイト・ステージ「桜 稲垣早希のセンパイとあそぼう!」を観る。タイトルの通り、桜の稲垣早希ちゃんが、先輩芸人をゲストに呼んで様々なことにチャレンジするというステージ。今日のメインゲストは天津の二人。

「新世紀エヴァンゲリオン」の惣流・アスカ・ラングレーのコスプレでおなじみの早希ちゃんだが、今回はコスプレをしていないジーンズ姿で登場。コスプレをしていない早希ちゃんは、写真家の蜷川実花が言っていた通り、「めっちゃ可愛い」。(暴走モード突入)早希ちゃんのような子が自分の娘だったらどこにも嫁にやらない。一生手元に置いておく。

知らない方のために説明しておくと、桜 稲垣早希ちゃんは、吉本興業(正確には、よしもとクリエイティブ・エージェンシー大阪)所属のお笑いピン芸人。当初は増田倫子と「桜」という名のコンビを組んでいたのだが、増田さんが芸能界をやめられたので、今は桜の名称は残しつつもピン芸人になっている。吉本総合芸能学院(NSC)女性タレントコースの一期生で、もともとは女優志望だったのだが、年に一回ある試験の一次には通ったものの、翌年の二次試験に落ちてしまい、吉本から「お笑いに転向するか、事務所を変わるか」の二択を迫られて号泣したとのこと。そしてお笑いの道を選んでいる。しかし、こんなに可愛いのに何で二次試験に落ちてしまったのだろう。そうか、二次試験には筆記があったに違いない。原付免許に学科で落ちたという伝説を持つ早希ちゃんのこと、きっと筆記が出来なかったのだろう(冗談です)。
毎日放送(MBS)系の「ロケみつ」のブログ旅で人気に火が付き、今や関西ではアイドル級の人気を博している。

ステージに現れた早希ちゃんは客捌きも慣れた様子で、安定感が増して来ていて嬉しいが、天津が横に立つと芸歴の差は明かで、立っているだけでも天津の方がずっと押しが強い。早希ちゃんは売れている吉本女芸人の中では最年少(それでも27歳〈2011年1月当時〉ではあるが)なので、これは仕方ないか。

まずは天津の二人と、「先輩と語ろう」のコーナー。ボードに並んだお題からいくつかを選んでトークが繰り広げられる。天津の雰囲気作りも良い感じで、早希ちゃんの突っ込みも的確だ。天津・木村が考えた新しいキャラがお披露目され、それを無茶振りされた早希ちゃんと天津・向が々キャラを真似して笑いを誘う。

続いて、「先輩と遊ぼう」のコーナー。ここにはガリガリガリクソンとスパン!がゲストとして加わる。

出演者の背後にあるボードに書かれた突っ込みの言葉を、ボケを演じて当てさせるというコーナーでは早希ちゃん苦戦。答えは「何で二回言うねん!」なのだが、早希ちゃんは上手くぼけることが出来ない。あそこは普通は二度言わないことを、もっとテンポ良く二回言わないと駄目だろうな。例えば「俺『スターウォーズ』観るの初めてや、観るの初めてや」といったように。

つづいて大喜利。早希ちゃんの答えは天津・木村が先ほど演じたキャラクターを真似たものだったが、受けたので良かったということにする。

最後は、コンピューターゲーム「ストリートファイター」を二人で対戦して楽しむというもの。ゲームが得意かと思われた早希ちゃんだが案外弱い。ちなみに「ストリートファイター」というゲームは名前しか知らない私であるが、背後に建っている建物が松江城の天守をモデルにしたものであることはわかった。ということで、戦いの舞台は松江城であるらしい。

早希ちゃんの芸歴の短さからくる問題もあったが、それでも笑えて楽しめる1時間半だった。

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2013年11月10日 (日)

ウィーン・フィルよりもウィーン的 ヨーゼフ・クリップス指揮ロンドン交響楽団「ベートーヴェン交響曲全集」

ウィーン生まれのウィーン育ち。生粋のウィーンっ子として親しまれた指揮者のヨーゼフ・クリップス。モーツァルトなどを得意とし、評価も高いものがありましたが、録音点数はそれほど多くない指揮者です。

そんな、ヨーゼフ・クリップスがロンドン交響楽団を指揮して録音した「ベートーヴェン交響曲全集」。1960年に行われたステレオによるスタジオ録音です。エベレスト・レーベルによる収録ですが、音質に問題があり、最近になってイタリアのMEMORIESによる復刻が行われて、ようやく音が鮮やかさを取り戻しました。

ヨーゼフ・クリップス指揮ロンドン交響楽団「ベートーヴェン交響曲全集」

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮して「ベートーヴェン交響曲全集」を完成させた指揮者は何人もいますが、クリップスとロンドン交響楽団による「ベートーヴェン交響曲全集」はそれらのどれよりもウィーン的です。クリップスの指揮棒によって引き出されたロンドン交響楽団の音には気品があり、クリップスの生み出す音楽は格調が高く、しなやか。本場のウィーン以上にウィーン的で、猛々しさのない、洒落の分かるベートーヴェンです。

ヨーゼフ・クリップス指揮ロンドン交響楽団 「ベートーヴェン交響曲全集」(MEMORIES)タワーレコード

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2013年11月 9日 (土)

コンサートの記(108) ウラディーミル・フェドセーエフ指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団第468回定期演奏会

2013年5月23日 大阪・福島のザ・シンフォニーホールにて

午後7時より、ザ・シンフォニーホールで大阪フィルハーモニー交響楽団の第468回定期演奏会を聴く。今日の指揮者はロシアを代表する名匠、ウラディーミル・フェドセーエフ。

プログラムは前半がハイドンの交響曲第91番「熊」、後半がチャイコフスキーの交響曲「マンフレッド」という、いささか地味なもの。少なくとも共に人気曲ではない。クラシックファンでもCDを持っている人の方が少ないのではないかと思えるほど、演奏、録音共に行われる回数は少ない。

ということもあってか、今日のザ・シンフォニーホールはいつもより空席が目立つが、フェドセーエフの指揮だから「熊」と「マンフレッド」でもこれだけ客が入ったとも言える。

前半のハイドンの交響曲第91番「熊」。フェドセーエフはロシアの指揮者としては最も洗練された音楽を引き出す指揮者の一人だが、オーケストラは大編成、演奏は完全なロマンスタイルで、ピリオドアプローチなどは眼中にないようだ。以前、同じザ・シンフォニーホールで、同じくロシアを代表する指揮者であるゲルギエフ指揮のモーツァルトを聴いたことがあるが、ゲルギエフもまた、「ピリオドなんて知ったことか」という風にロマンスタイルで通していた。ロシアではピリオドはまだ異端なのかも知れない。

今日のフェドセーエフは前後半ともにノンタクト、楽譜を見ながらの指揮である。

大編成で奏でられるハイドンはフェドセーエフの洗練された音楽性もあり、ゴージャスな音色に彩られ、小編成での演奏やピリオドが普通になった今では旧来のこうしたアプローチが逆に新鮮に感じられる。今日の大フィルは絶好調。特に弦の滑らかな響きは、食べ物に例えると実にジューシーで、口元が弛みそうになる。

 

後半、チャイコフスキーの交響曲「マンフレッド」。チャイコフスキーの交響曲第4番と第5番の間に書かれた交響曲であるが、正式には交響曲(交響詩)「マンフレッド」で、交響詩として扱うこともあるようだ。そのため、チャイコフスキーの交響曲全集にも「マンフレッド」は入っていないことがある。というよりも全部を調べたわけではないが、入っていないことの方が多いと書いた方が適当かも知れない。
余り知られていない交響曲なので前書きが長くなる。興味のない方は飛ばして読んで頂きたい。


チャイコフスキーは交響曲第4番を書き上げた後なかなか交響曲第5番を発表することが出来なかった。期間は10年以上にも及び、これにはスランプ説、躁鬱病説などがあるが、作曲自体が出来なかったわけではなく、「弦楽セレナード」、「イタリア奇想曲」、序曲「1812年」、4つの管弦楽組曲などを作曲している。ただ、「弦楽セレナード」や管弦楽組曲の数曲はメロディーの美しさで知られるが、「イタリア奇想曲」も序曲「1812年」も現在では「通俗名曲」、はたまた駄作と見る向きもあり、創作活動は決して順調ではなかったことがわかる。

交響曲「マンフレッド」はその逆風の期間とも言うべき時期に書かれたが、初演は決して成功とはいえず、チャイコフスキー自身も自信を喪失し、曲を取り下げようとまで考えたという。曲の取り下げは何とか免れ、楽譜は今日まで残り、表題交響曲として「マンフレッド」を高く評価する人もいる。フェドセーエフもその一人である。ただ世間一般の評価はなかなか覆らないものである。
私自身は演奏さえ良ければまずまずの出来と評価したいが、演奏が良くないと聴き映えがしないことも確かで、「マンフレッド」のCDは何種類か持っているが、良い演奏としてすぐ浮かぶのはチャイコフスキーを得意とする小林研一郎が名古屋フィルハーモニー交響楽団を指揮したCDぐらいである。実演にも接したことがあるが、今は歴史の長さだけが取り柄になってしまった上海交響楽団の演奏ということもあり、「チャイコフスキーでもこんな冴えない曲を書くのか」と感じたことを憶えている。

実際問題として、作曲家にとって交響曲第5番を書くということは大変なプレッシャーを伴う作業である。何といっても交響曲第5番にはベートーヴェン作曲という超大物が存在し、それと比較されることは免れないからだ。実際、有名な交響曲第5番はベートーヴェンのものになぞらえて、「苦悩から勝利へ」という筋書き設定がなされたものが多い。ショスタコーヴィチのものが最も有名だが(ただ、現在では第4楽章が本当に勝利の凱歌であるのかどうか疑問視されている)、プロコフィエフ、そして苦悩こそないが最後にささやかな凱歌が奏でられるシベリウスもこの系統に入るだろう。葬送から生の充実という筋書きを持つマーラーの交響曲第5番も入れても良いかも知れない(実際、冒頭でトランペットが奏でる「タタタター」という旋律はベートーヴェンの俗に言う「運命主題」のパロディーだと思われる)。
チャイコフスキーもそのような交響曲を書きたかったし、実際に書いたのだが、完成させるまでに長い空白がある。この間にチャイコフスキーが「霊感がわかない」「才能が枯渇したのではないか」などという苦悩の手紙を弟に書いたことがわかっており、その後、「霊感が浮かんだ」という、フォン・メック夫人(チャイコフスキーのパトロンでありながら終生一度も顔を合わすことなく、文通のみを頻繁に交わしたという不思議な関係を続けたことで知られる富豪の女性である)宛の手紙も残っている。

交響曲「マンフレッド」もあるいはチャイコフスキーは交響曲第5番として構想したのかも知れないが、最終的にチャイコフスキーはこの交響曲に番号を与えなかった(結果として名作として名高く、また「苦悩から勝利」への筋書きも備えた作品が交響曲第5番となった)。

 

さて、肝心の演奏の中身であるが、流石はフェドセーエフというしかない。冒頭の苦悩の表情、第2楽章と第3楽章の豊かな広がり(第3楽章にはビートルズの「ノルウェイの森」に似たメロディーが登場する)、そして最終楽章の威力と最後に繰り返される苦悩(フェドセーエフは西欧でよく用いられるパイプオルガンを使った救いのコラールがあるものではなく、チャイコフスキー自身が書いた「原典版」の楽譜を使用している。原典版は、チャイコフスキー自身が第4楽章が長すぎるためカットすることにした版などと言われるが詳細は不明らしい。原典版は苦悩の再現のみで終わり、救いはない)の切実さなど、どの楽章をとっても肉に血の通った優れた演奏を示す。ロシアの指揮者らしく、金管を思いっきり咆吼させるが、バランスが崩れることはなく、また大阪フィルの金管群も力強い演奏でフェドセーエフの指揮に応える。これまで私が聴いたCDや実演のどれよりも高いレベルにフェドセーエフは作品を昇華させることに成功していた。
曲自体はやはり、後期三大交響曲(交響曲第4番、5番、6番「悲愴」)には及ばないというのが実感であるが、このクラスの演奏が世界中で可能ならば、交響曲「マンフレッド」ももっと注目を浴びる存在になってもおかしくないと思える。

演奏を終え、客席からの大喝采を浴びたフェドセーエフ。会心の出来映えだと確信したはずだ。

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2013年11月 7日 (木)

観劇感想精選(103) うめきた・グランフロント大阪ナレッジシアターこけら落とし公演 大阪大学ロボット演劇プロジェクト×吉本興業「銀河鉄道の夜」

2013年5月2日 うめきた・グランフロント大阪ナレッジシアターにて観劇

午後7時から、うめきた・グランフロント大阪 ナレッジキャピタル4階にオープンした、ナレッジシアターこけら落とし公演、大阪大学ロボット演劇プロジェクト×吉本興業「銀河鉄道の夜」を観る。ロボットと人間が演じる、大阪大学ロボット演劇プロジェクトの最新作。原作:宮沢賢治、台本・演出:平田オリザ(大阪大学)、ロボット・アンドロイド開発者:石黒浩(大阪大学&ATR)、出演:桜 稲垣早希、紙本明子、山本裕子、片桐慎和子、ロボビー(RobovieR3)。平田オリザがフランスの子供達のために書いたロボット演劇の日本初上演。ロボットのロボビーがカンパネルラを演じ、紙本明子がジョバンニに扮する。その他の女優達は一人で複数の役を受け持つ。桜 稲垣早希は学校の先生、ジョバンニの同級生、鳥を捕る男、銀河鉄道に乗り合わせた男を演じ、山本裕子はザネリ、乗り合わせた客、片桐慎和子はジョバンニの同級生、ジョバンニの母、車掌役を演じる。上演時間約1時間の中編である。

背後はスクリーンになっており、様々な映像が流れる。

うめきた・グランフロント大阪ナレッジシアターこけら落とし公演ロボット演劇版「銀河鉄道の夜」

独自の作風で賛否両論ある平田オリザだが子供向けの劇ということで今回はオーソドックスな本。ロボットが出ていなければ特別な劇にはならなかっただろうが、ロボットがいることで不思議な印象が残る。

ロボビーは動線はレーザーで完璧にコントロールされており、セリフは千分の一秒単位で補正が可能だという。

京都の演劇界ではおなじみの紙本明子が熱演。ものまね芸人でもある桜 稲垣早希は声音を変えて、男性役も見事に演じて見せた。桜 稲垣早希は単独公演では演技力不足を感じることもあるが、今回は十分満足のいく演技をしていたように思う。

大阪大学ロボット演劇プロジェクト×吉本興業「銀河鉄道の夜」

終演後、平田オリザと石黒浩によるアフタートーク。ロボビーは今では400万円ぐらいで買えるという。その代わりプログラミングは自分でしなければならないが。

大阪大学はロボット工学では世界最先端を行っており、あと10年もすれば、危険な場面を演じるスタントマン演劇ロボットも出来るのではないかとのことだった。

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2013年11月 6日 (水)

コンサートの記(107) パブロ・ゴンザレス指揮 京都市交響楽団第570回定期演奏会

2013年7月19日 京都コンサートホールで

午後7時から京都コンサートホールで、京都市交響楽団の第570回定期演奏会に接する。今日の指揮者は、スペイン出身のパブロ・ゴンザレス。

曲目は、シベリウスのヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン独奏:ワディム・レーピン)とショスタコーヴィチの交響曲第10番という難曲が並ぶ。

指揮者のパブロ・ゴンザレスは、NHK交響楽団への客演などで日本でも知名度を上げているが、1975年生まれの若手。スペインのオヴィエドで生まれたが、音楽はロンドンのギルドホール音楽演劇学校で学んでいる。ドナテラ・フリック指揮者コンクールに優勝後、ロンドン交響楽団とボーンマス交響楽団というイギリスを代表するオーケストラの副指揮者に任命され、同時に祖国にあるグラナダの市立管弦楽団の首席客演指揮者も務めた。2006年にカダケス国際指揮者コンクールにも優勝し、2010年からは大植英次の後任としてバルセロナ交響楽団の音楽監督を務めている。30代でバルセロナ交響楽団クラスのオーケストラの音楽監督を任せられているのだから、指揮者としては早咲きの方である。

ヴァイオリンのワディム・レーピンは現代を代表するヴィルトゥオーゾの一人。1971年、シベリア生まれ。5歳でヴァイオリンを始めたが、その6ヶ月後には初ステージを踏んだというからかなりの神童である。11歳でヴィエニャフスキ・コンクールで金メダルを獲得。14歳の時には世界ツアーを行っている。17歳でエリーザーベト王妃国際コンクール・ヴァイオリン部門優勝を果たし、その後も世界的な活動を続けている。表現力はともかくとして技術面に於いては世界最高峰のヴァイオリニストの一人である。

開演20分前からプレトークがあり、指揮者のゴンザレスが登場。通訳をつけながら英語で話す。京響との共演は2度目で、京都で行うのは初めてであるが、京都という街の美しさに感動したという。
そして、シベリウスのヴァイオリン協奏曲の初演が失敗に終わり、その理由は、ソリストが決まったのは初演の一週間前で、ただでさえ難曲なのに一週間の練習で弾きこなせるわけがない。というわけで、失敗するべくして失敗したのだが、シベリウスはすぐに改訂に取りかかり、難度をやや下げて、カデンツァを2つから1つに減らすなど大幅に筆を加えて、今度は上演を成功させた。現在使われているのは、第二版ともいうべきものだと解説した。

ショスタコーヴィチの交響曲第10番であるが、ショスタコーヴィチがスターリンの死後に発表した最初の交響曲であると説明。ただ、作曲している間はスターリンが存命中であったことに留意する必要があるだろうとゴンザレスは語る。ショスタコーヴィチの交響曲第9番は、「ベートーヴェンの第九に匹敵する大作になるだろう」という周囲の期待をよそに、おどけた感じの短い交響曲をショスタコーヴィチは書いた。勿論、批判を受ける。その後、8年もの間、ショスタコーヴィチは交響曲を発表することはなかった。そうした中で、ソビエト当局も納得する大作の交響曲第10番は作曲される。
重苦しい感じの第1楽章で始まり、クラリネットやファゴットがおどけたような旋律を吹く第2楽章が続くのだが、『ショスタコーヴィチの証言』では、この第2楽章は「スターリンの肖像画」であると述べられている。ただ、『ショスタコーヴィチの証言』はショスタコーヴィチ夫人などの証言により、偽書であることが確定的であり、ゴンザレスも、「スターリンの肖像とされているが、確証があるわけではない」と述べた。

シベリウスのヴァイオリン協奏曲は難曲中の難曲として知られており、技術面でも高いものが要求されるが、楽譜通りに弾いただけではシベリウスの音楽にならないという難物である。人気曲なので、これまでにもCDや演奏会で、何度も聴いたことがあるが、ソリスト、オーケストラともに納得のいく演奏は五指で数えられるほどしかない。

ゴンザレスの指揮する京都市交響楽団は透明感のある音で序奏を開始する。まずは合格点である(ここで躓く演奏も多い。それほどの難曲なのである)。
レーピンのヴァイオリンは、非常に美しい音を奏でる。「非常に美しい」といっても、アイザック・スターンのように「靴磨き屋」と揶揄されるタイプのものではなく、しっかりとした芯がある。技術は高いレーピンだが、そこはシベリウスだけに抒情性を重視。無闇に技術をひけらかすようなことはしない。ゴンザレス指揮の京響は、レーピンが弾いていない部分ではかなり速いテンポを取り、マーラーの音楽のように聞こえる場面もあったが、これには理由があり、レーピンが第1楽章後半に猛烈なアッチェレランドをかけるので、それが不自然に聞こえないよう、伏線として敢えてテンポを速くしたのだ。
そのレーピンのアッチェレランドであるが、リハーサルよりも加速の度合いがかなり激しかったようで、ゴンザレスと京響は一瞬、レーピンに置いて行かれそうになったが、何とか食らいつく。

ゴンザレスは第1楽章では指揮棒を使っていたが、第2楽章は指揮棒を譜面台に置いて、ノンタクトで指揮する。抒情的な音楽や楽章では指揮棒を使わないという指揮者は多い。フィンランドからは遠い南国のスペイン生まれのゴンザレスであるが、北欧的な澄んで落ち着いた音楽を京響から引き出す。レーピンはシベリア生まれで、シベリウスと同じ寒い地方出身なので、無理にアナリーゼをしなくても、体感的に表現方法が分かるのであろう。自然な感じのヴァイオリンであった。

超絶技巧が要求される第3楽章であるが、レーピンは抜群の安定感を見せ、再びタクトを手にしたゴンザレスが振る京響も立体感のある伴奏で応えた。

名演であった。シベリウスのヴァイオリン協奏曲の名演をコンサートホールで聴いたのは、諏訪内晶子独奏の時以来なので、本当に久しぶりである。あの神尾真由子でさえ成功しなかったが、流石はレーピンである。

休憩時間に、京都コンサートホールのガラス窓から月が出ているのが見えたので、「蒸す街に涼を添えたる夏の月」という俳句を詠むが、「蒸す街に涼しさ添える夏の月」の方が良いかも知れない。

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後半、ショスタコーヴィチの交響曲第10番。20世紀後半を代表する指揮者のレナード・バーンスタインがニューヨーク・フィルハーモニックの世界公演旅行の際に、モスクワでも演奏会を行い、ショスタコーヴィチの交響曲第5番を、作曲者の面前で演奏。ショスタコーヴィチから絶賛されている。以後、バーンスタインは世界を代表するショスタコーヴィチ指揮者となるのだが、バーンスタインのライバルであったヘルベルト・フォン・カラヤンは、バーンスタインが交響曲第5番を十八番にしていたのに対抗して、この交響曲第10番を頻繁に取り上げ、知名度アップに貢献している。

ゴンザレスの指揮する京都市交響楽団は、冒頭の低弦の仄暗い雰囲気の出し方から、それがやがて大きな波となって聴衆を呑み込むまでになる過程作りが実に上手い。京都市交響楽団の前任シェフの大友直人もオーケストラビルダーとしては力のある方だが、現在の常任指揮者である広上淳一は世界的なオーケストラビルダー。今や京響のレベルはNHK交響楽団とも渡り合えるまでになっている。広上の力を認めて、N響や東京都交響楽団の首席ヴィオラ奏者であった店村眞積(たなむら・まづみ)も生まれ故郷の京都にある京都市交響楽団に移籍して来たし、逸材といわれたティンパニの若い中村航平も京響に入団した。今の京都市交響楽団は創設以降、最良の状態にあると見て間違いない。

この曲はクラリネットが活躍するのだが、京響の有名クラリネット奏者である小谷口直子が見事な独奏を聴かせる。
第2楽章は、そのクラリネットとファゴットが人を小馬鹿にしたような旋律を歌い、これが「スターリンの肖像画」とされるものであるが、ソビエト当局への不満は、交響曲第7番「レニングラード」や交響曲第8番の方により色濃く出ている。

第3楽章では、ホルンが狼煙や警笛のような独特のソロを取るのだが、京響のホルンは音色も輝かしく、技術も高い。

第4楽章は重苦しい雰囲気が続くのだが、クラリネットのソロを皮切りに、一転しておどけたような音楽に変化する。一筋縄ではいかない曲である。

指揮者のゴンザレスであるが、オケの統率力は抜群。更に指揮も非常に明瞭で、どの奏者に何を要求しているのかが手に取るようにわかる。
また、音楽スタイルであるが、贅肉を削ぎ落とし、余計なことを一切しないが、それでいて引き出す音は痩せてはおらず重厚で力強い。ここぞという時の迫力の出し方も秀逸だ。痩身で眼鏡という風貌もそうだが、音楽性も若い頃のスタニスラフ・スクロヴァチフスキに似ている。

終演後、楽屋口に列が出来ていて、サイン会をやっているのがわかったので、ゴンザレスとレーピンにサインを貰う。ゴンザレスに英語で、「あなたの作る音楽は若い頃のスタニスラフ・スクロヴァチェフスキのものに似ている」と伝えると、ゴンザレスも嬉しそうであった。

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2013年11月 5日 (火)

コンサートの記(106) 大植英次指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団第470回定期演奏会

2013年7月23日 大阪・福島のザ・シンフォニーホールにて

午後7時から、ザ・シンフォニーホールで、大阪フィルハーモニー交響楽団の第470回定期演奏会を聴く。今日の指揮者は大フィル桂冠指揮者の大植英次。

曲目は、ブラームス作曲、シェーンベルク編曲のピアノ四重奏曲第1番(管弦楽板)と、ラヴェルの歌劇「子供の魔法」(演奏会形式)。

毎回のように聴きに行っていた大植英次と大阪フィルのコンサートだが、大植が大阪フィルの音楽監督を辞任し、出演が年1回ペースに減り、昨年は大植英次指揮の演奏会は聴いていないので、同コンビの演奏を聴くのは久しぶりである。

今日は舞台後方の席を後半の歌劇「子供の魔法」では合唱団が使用するので、販売はなし。下手3階席、舞台上方での鑑賞となる。

 

ブラームス作曲(シェーンベルク編曲)ピアノ四重奏曲第1番(管弦楽版)。大植は普段から短めの指揮棒を使っているが、今日は一際短く、細い指揮棒を使用。この曲は暗譜で振ったので、指揮棒を置く譜面台はなく、指揮棒を振ったり、指揮棒を燕尾服のポケットに入れて、ノンタクトで振ったりを繰り返す。

大植の生み出す音楽は、とにかく明るく、エネルギッシュである。弦も管も音に張りがあり、力強さと緻密さを兼ね備えている。

大植は、第1楽章では、ほとんど拍を刻むことはなく、最初の一拍を示すだけで、後は音型を両手で表現するなど、いかにもレナード・バーンスタインの弟子らしい指揮をする。第2楽章では、拍を刻んだが、体を動かすのを完全に止めてしまい、顔だけで指揮する場面も見られた。全楽章を通して身振り手振りは大きく、動きも多彩である。

先に書いたようにとにかく明るい演奏で、私の趣味とは異なるが、優れた演奏であることに間違いはないだろう。

ラストをジャンプで終えた大植は指揮台の上でガッツポーズをしてみせる。

 

後半、ラヴェルの歌劇「子供の魔法」(演奏会形式)。
大植は、このオペラを何度も指揮しており、いつか大阪フィルの定期演奏会でも取り上げたいと思っていたそうだが、それが叶ったことになる。

出演は、ステラ・ドゥフェクシス(メゾ・ソプラノ)、インゲボルグ・ダンツ(コントラルト)、天羽明惠(ソプラノ)、レイチェル・ギルモア(ソプラノ)、アネリー・ゾフィー・ミューラー(メゾ・ソプラノ)、セヴァスティアン・ノアーク(バリトン)、ドミニク・ヴォルティッヒ(テノール)、ルドルフ・ローゼン(バリトン)。合唱は、ザ・カレッジ・オペラハウス合唱団、すみよし少年少女合唱団。

フランス語歌唱、日本語訳字幕表示付きの演奏であるが、舞台の両袖に電光掲示されるものではなく、ザ・シンフォニーホールの上手と下手の壁面に、パイプオルガンを挟むようにして文字が投影される。左右の花道には大型モニターが設置されており、サイド側の席に座った人はそのモニターで日本語訳を見ることになる。

歌劇「子供の魔法」の筋書き自体は至って単純で、いたずら坊主が幻想の世界の迷い込むという絵本チックな展開である。

この曲は、オーボエ2本が長い前奏を吹き、途中で弦の高音が入って来るのだが、その高音を奏でているのは実はコントラバス奏者である。コントラバスの一番高い音を出しているのだ。特殊演奏によるものである。大植指揮の大フィルは鮮やかな彩りの音を出し、ラヴェルを演奏するのに十分な力がある。大植と大フィルのコンビは長年に渡って聴いてきたが、予想を遙かに超えたところまで来たようだ。

暗譜を常とする大植だが、この曲は歌詞があるということもあり、譜面台を用意してスコアをめくりながらの指揮となる。ノンタクトで振る場面もあり、この時は譜面台にタクトを置いたが、譜面をめくった時に指揮棒が指揮台の下に落ちてしまい、拾えないので、指揮棒が欲しい場面でもノンタクトで続け、横にいたルドルフ・ローゼンがそれに気付いて、指揮棒を拾い、大植に手渡すという場面があった。

主人公の子供役を歌うステラ・ドゥフェクシスはどうしたわけかベリーショートにしていたが、歌唱は安定している。他の歌手達も優れた出来だ。合唱も、少年少女合唱団も良い。

この演奏も優れた出来を示し、大植は、合唱団に向かってサムアップ。少年少女合唱団には口を指で左右に拡げ、「笑顔」の仕草をしてみせる。

大植英次がやはり特別な指揮者であることを知らされた夜であった。

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2013年11月 4日 (月)

日本シリーズ2013 東北楽天ゴールデンイーグルス日本一の瞬間

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2013年11月 3日 (日)

ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(ピアノ) パーヴォ・ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団 リスト ピアノ協奏曲第2番リハーサル風景

昨日、京都コンサートホールでの、パーヴォ・ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団来日公演でも演奏された、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェのピアノ、パーヴォ・ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団によるリストのピアノ協奏曲第2番のリハーサル映像です。パリ管弦楽団の公式配信。

昨日演奏されたリストのピアノ協奏曲第2番は、ピアノ、オーケストラ共に響きがノーブルで、いかにもリストといった超絶技巧や力強さよりも、フランス的な洗練された美しさで聴かせる演奏でしたが、リハーサルでもそうした特徴を確認することが出来ます。

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笑いの林(10) 「あべさくトーク in 祇園花月」 2011年11月

2011年11月14日 よしもと祇園花月にて

午後7時から、よしもと祇園花月で「あべさくトーク」を観る。共にR-1ぐらんぷりチャンピオンであるあべこうじと佐久間一行の二人によるトークショー。あべこうじと佐久間一行の公演である「あべさくトーク」は他の地方ではやっているようだが、関西では今回が初めてだという。その「あべさくトーク in 祇園花月」。豪華共演であるが、席は半分も埋まっていない。しかも大半が女性である。

まず佐久間一行が上手から登場。下手袖を覗いて、あべこうじの登場を待つが、この時、ライトが花道を照らす(祇園花月は祇園会館という名画座兼祇園東の歌舞練場でもある。ということで下手側に花道がある)。そこで花道の入り口に目をやると、あべこうじはすでにそこに立っていた。というわけで拍手。私が一番先に拍手したと思う。他の人も気付いて拍手する。

佐久間一行が、「自分も花道から出たかった」と文句を言い、あべこうじは「じゃ出てみたら」ということとで、佐久間一行は花道入り口の扉を開けて出ていく。この時、あべこうじは舞台上手袖を指さして退場してしまう。

佐久間一行が花道入り口から登場。しかし舞台上にあべこうじはいない。佐久間一行は「あれ?」となって、どういうことなのかを考えていたが、その直後に、あべこうじが花道入り口から現れる。拍手喝采である。佐久間一行は「やられた」としゃがみ込んでしまう。

まずは二人で、祇園花月の入りの悪さをネタにする。「本日はお足元の悪い中(この日は晴れである)、たくさんの方に祇園花月に足をお運びいただきましてありがとうございます。椅子になりきっているお客さんが多いですね」とあべこうじ。

あべこうじが東京から関西に向かうときの話をする。実は二人とも関東出身で東京吉本所属の芸人である。あべこうじは新幹線に乗るときに「焼売弁当」が食べたかったのだが、買う時間がなかった。そこで買うのは諦めて、新幹線の三人掛け席の窓側、つまりAの席に座った。新横浜辺りになったら、名物が焼売弁当なので、ワゴン販売が来るだろうと思っていたが来ないという。新横浜から乗ってきた女性が隣のBの席に座ったのだが、その女性は焼売弁当を持っていたという。Cの席にも乗客が座る。あべこうじは、隣の席に座った女性が焼売弁当を持っているのをみて、「いいなあ」と思ったが、その女性が焼売弁当を床に置いた上に、なかなか食べない。しかも女性は座席に体育座りの変則バージョンのような形で座ったという。そして売り子さんは焼売弁当を売りに来ない。「(隣の女性が)焼売弁当を持っているだけで悔しいのに、なかなか食べないのが悔しくてさあ」と、あべこうじ。それでいつ食べるのかなと思っていたら、名古屋でC席の客が降りたという。そのタイミングでいきなり、B席の女性がC席の方に右足を少し出すような格好に変わり、前の簡易テーブルを降ろして、焼売弁当を食べ始めたという。
「C席のお客さんが気になっていたんですかね」と佐久間一行。
売り子さんがこないので車両を出たら、丁度、ワゴン販売の女性が詰め替え作業をしていた(変換したら「詰め替えサ行」と出た。なんだそれ?)ので、あべこうじも「ひょっとしたら」と思い、「あの焼売弁当を」と言おうとしたが、焼売弁当の「しゅ」まで言ったときに、女性は「ありません」と即答したという。「多分、もう沢山の人から聞かれていたんでしょうね。またかと」とあべこうじは語る。

佐久間一行は京都のラーメン屋の話。新福菜館というラーメン店が京都にある。大阪にも店はある。佐久間一行は高倉通にラーメンを食べに行った。第一旭が良かったのだが、そちらは満席だったので、隣にある新福菜館本店(京都最古のラーメン屋と言われている)に行ったという。新福菜館は、私は広小路河原町の店にたまに食べに行ったりするが、スープが黒く、大変濃い味のラーメンである。京都ラーメンというのは基本的に油ギトギトこってり系が多いが、新福菜館はおそらく一番味が濃い。佐久間一行は新福菜館のラーメンだけではしょっぱすぎると思って、チャーハンセットを頼もうとした。大阪の新福菜館にはチャーハンセットがある。しかし新福菜館本店にはチャーハンセットがなかったという。仕方がないのでラーメンだけで済まそうと思い、食べて勘定を払おうという時になってミニカレーセットというようなものがあったが、もうどうしようもなかったという。

あべこうじが、「楽屋でパンを食べてたなあ」と振る。佐久間一行が上野で買ったパンの話をする。ふっくらとしたパンだったので、中身が何かなと思っていたが、いつまで経っても中身がわからない。結局、中に何も入っていないパンだったという。

学園祭で「あべさくトーク」を行った時の話になる。三重県の大学だったのだが(地名を言っていたが、具体的な地名を言ってしまうと、どの大学かはわかってしまうのでここでは書かない)出された弁当が大変立派な箱に入ったものだった。しかし、海老フライを食べるとなぜか梨の味がする。他のものを食べるとやはり近くにある別のものの味がする。味が移ってしまっていたという。それでもあべこうじは唐揚げは何とか食べたが、それを見ていた佐久間一行は唐揚げ好きなのに食べなかったという。
「あの弁当、やばかったですねえ」と、あべこうじ。

その後、学園祭繋がりで、強行日程で、学園祭も含めて色々なところに興行に出かけるという話になる。あべこうじが、「千葉の“じょうさい”なんとか大学」と発言。うーん、これは千葉県出身者としては捨て置けんと思い、「城西国際大学!」と舞台に一声掛ける。佐久間一行はビックリである。

佐久間 「え?! 何で知ってるんですか?! OB?」
私 「千葉県出身です」
佐久間 「どうして今日はここに?」
私 「京都に住んでます」
佐久間 「ああ(納得)」
あべ 「京都に来て何年ですか?」
私 「9年です」
あべ 「じゃあ、もう京都マスターみたいな感じで」
私 「うーん、ええ、まあ」

というやり取りがある。あべこうじは「ここだけは外さんぞという格好をした方ですね」(私は例によって正装に近い格好をしている)といい、「まさかこのタイミングで声が掛かるとは」と語る。ただ、あべこうじは、最初に自分が花道に現れた時に、一番にそれに気付いて拍手したのが私であるということはわかっているはずである。実は視線が合っている。だから、あるいは来るのではいう予想はしていたかも知れない。あべこうじは佐久間一行とは違い、落ち着いていた。

その後、あべこうじが食が細くなったという話をする。実は私もそうである。元々食が細い方であるが、35歳を過ぎたらもう、大盛りなどは食べられない。多分、誰もが通る道である。

その後、R-1ぐらんぷりで優勝した時の話をする。二人とも、なぜか結果なんてどうでもいいと思って臨んで優勝したという。なぜかと書いたがなぜかはわかっている。気負っていたり、緊張でガチガチの人は笑えないからだ。二人ともリラックスして舞台に立ったから、自然に審査員が笑いやすい空気が出せたのであろう。

その後、あべこうじは佐久間一行の行動が変だという話になる。あべこうじは自分が色々なスポーツをやって来て、運動神経抜群であることをアピール、それに比べて佐久間一行は一々、動きが変だという。ハードルを跳ぶ動きをあべこうじがリクエストし、佐久間一行がやって見せたのだが、確かに、片足を上げるタイミングがおかしい。あれではハードルは跳べない。更にボーリングの投げ方をやるのだが、佐久間一行の投げ方は良く言うとファンシー、悪く言うともう一言で済ますが「変」である。

倒立をやるということになり、これは佐久間一行も出来たのだが(佐久間一行本人が「出来たことに驚いてます」と発言した)、側転になると、やはり佐久間一行は変である。側転なので、同じ方向を向いて回らなければいけないのだが、佐久間一行は着地した時に違う方向を向いている。あべこうじが見本を見せて、また佐久間一行にやらせてみるが、やはり佐久間一行は着地が変である。そしてそれを誤魔化そうとして、あべこうじに突っ込まれている。

ここで、質問相談コーナー。事前に観客からアンケートが集められている。あべさくに対する質問や相談である。
二人とも至極まっとうな答えをする。あべこうじが「俺ら真面目だから駄目だよね。なんかさあ、常識というか壁を超えられないもんね」という。これは本当で「お笑いの人ほど真面目な人はいない」と良く言われる。ただ、真面目でも壁をあっさり超えてしまう芸人さんがいる。毎度お馴染みの、桜 稲垣早希である。

最後は、箱の中に、番号が書かれたカードが入っているので、それを引き、お題を出して、観客に挙手して貰い、引いたカードの数に近い方が勝ちとなる。勝者は帰りの新幹線がグリーン車になるという(そう、東京の芸人さんは泊まらずにその日のうちに東京に帰るのである)。

佐久間一行は「全員」と書かれたカードを引き当て、「今日、あべさくトークを祇園花月に観に来た人」と言う。勿論当たる。佐久間一行が勝つのだが、それでは駄目だと、あべこうじが全員はなしでやることにする。それでも佐久間一行の方が勝つ。それでも、もう一回ということになる。佐久間一行は「1人」であった。実はこれは勝とうと思えば勝てるのである。ただそれをやるとマナー違反になるので佐久間一行もやらない。「千葉県出身の人」というと多分、私一人である。ただこれをやるとずるい。ということで、あべこうじが引き当てた「50名」で最初にやった「球技をやった人」と言う。ルール違反ではあるが、前回はあべこうじは引き当てた20名を超えた時点でカウントを止めており、50名になるかどうかは勘で判断するしかない。というわけでこれはぎりぎりセーフであろう。ということで3回目は、あべこうじが勝つ。佐久間一行が前の2回はなしとしていたので、あべこうじがグリーン車のチケットがゲットした。

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2013年11月 2日 (土)

AKB48 「恋するフォーチュンクッキー」各ヴァージョン

AKB48の裏エース的存在だった指原莉乃が総選挙で1位になり、裏エースから表エースへと躍進、初のセンター曲としてリリースされた「恋するフォーチュンクッキー」。踊りやすさを追求した振付で(振付担当:パパイヤ鈴木)、プロモーションビデオでもファン達と一緒に踊っているAKB48ですが、踊りやすさが受けて、様々な人達が踊っています。今回はAKB48のYouTube公式動画に載っている映像を中心に集めてみました。

まずはAKB48のオリジナルPVから

AKB48グループスタッフヴァージョン(NMB48のシングル曲のタイトルにもなった映像担当の「北川謙二」氏も映っています)

築地江戸ヴァージョン(AKBスタッフヴァージョンに続いて流れますが、独立して見たい方はこちらへ)

指原莉乃の地元、大分市ヴァージョン(サマンサタバサスタッフヴァージョンが続けて流れます)

サマンサタバサスタッフヴァージョン(大分市ヴァージョンの次に流れますが独立して見たい方はこちらへ)

ロンドンヴァージョン。ロンドンっ子が踊りまくります(サマンサタバサスタッフヴァージョンの次に流れますが、独立して見たい方はこちらへ)

県知事がノリノリだと話題になった佐賀県庁ヴァージョン

東京都国立市ヴァージョン(佐賀県庁ヴァージョンの次に流れますが独立して見たい方はこちらへ)

長崎県佐世保市に本社のあるジャパネットたかたのスタッフによるヴァージョンです。

兵庫県猪名川町ヴァージョン(ジャパネットたかたのスタッフヴァージョンに続いて流れますが独立して見たい方はこちらへ)

全世界のAKBファンによるヴァージョンです

AKBグループのドラフト会議候補生による紹介も兼ねたヴァージョンです(AKBファンヴァージョンに続けて流されますが、独立して見たい方はこちらへ)

小芝居も入る神奈川県ヴァージョン

「PLANETS」ヴァージョン。ホリエモンも踊っています(神奈川県ヴァージョンに続いて流れますが、独立して見たい方はこちらへ)

ふなっしーと各地ご当地キャラヴァージョン(非AKB公式映像)

京都まいまいヴァージョン(非AKB公式映像)

奈良市 ならまちヴァージョン(非AKB公式映像)

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2013年11月 1日 (金)

本田美奈子 「アメイジング・グレイス(Amazing Grace)」

38歳で早世された本田美奈子さんの歌う「アメイジング・グレイス(Amazing Grace)」。原詞と、先頃逝去された岩谷時子氏の日本語詞でお楽しみ下さい。

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