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2013年11月18日 (月)

コンサートの記(109) 「N響★カンタービレコンサート」2013

2013年5月5日 東京・溜池山王のサントリーホールにて

日帰りで東京へ。サントリーホールで午後2時から、「N響★カンタービレコンサート」を聴く。タイトルだけだと、NHK交響楽団首席オーボエ奏者の茂木大輔がやっているようなコンサートの類に見えるが実際は本格的なプログラム(余談だが茂木さんは今日は降り番だった)。前半は、オール・シベリウス・プログラムで、組曲「カレリア」、「トゥオネラの白鳥」、交響詩「フィンランディア」である。オール・シベリウス・プログラムでも指揮者が好きでなければ東京まで聴きに行ったりはしないが、今日の指揮者は大好きな広上淳一。広上は、今日、5月5日が誕生日で55歳になる。
後半のプログラムはベートーヴェンの交響曲第7番。ドラマ「のだめカンタービレ」のオープニングテーマだけに「カンタービレコンサート」と名付けたのだろうが、内容とタイトルがミスマッチの感はどうしてもぬぐえない。シベリウスの作品は最近はCDリリースラッシュで、日本のオーケストラのプログラムに載ることも多くなったが、独特の作風を存分に理解出来る人はまだ少なく、ブルックナー、マーラー級になるには最低でも後20年くらいはかかりそうであり、現時点では好事家向けの音楽である。

広上はシベリウスの交響曲に関してはおそらく第1番と第2番程度しかレパートリーにいないと思うが(以前、尾高忠明が京都市交響楽団でオール・シベリウス・プログラムをやると説明する時に後期の交響曲はまだ勉強していないというようなことを言っていた)、交響詩や管弦楽曲の幾つかは指揮している。ただ、広上のシベリウスを本格的に聴くのは初めてなので、無理矢理東京まで押しかけたのだ。

N響の今日のコンサートマスターはマロこと篠崎史紀。

組曲「カレリア」。フランスものを得意とするシャルル・デュトワを初代音楽監督に迎えた経緯のあるN響であるが、やはり得意なのは長年培ったドイツもの。今日の演奏も弦が分厚く。シベリウスにしてはカロリーはやや高めである。ただ、広上の繊細な表情付けは見事であり、シベリウスを得意とする日本フィルと広上の共演を聴いてみたくなる。

「トゥオネラの白鳥」も神秘的な雰囲気を存分に現出。広上というと、とにかく棒を振り回しているイメージを持つ方もいるかも知れないが、この指揮者の細部まで神経の行き届いた音作りは実に丁寧である。

交響詩「フィンランディア」も優れた演奏だったが、冒頭のブラスがちょっと強すぎるのではないかと思えた。屈強なN響のブラスが逆にあだになった格好である。ただ「フィンランド第二の国歌」と呼ばれる部分などの歌心は満点であり、シベリウスらしいシベリウスではなかったかも知れないが、音楽的には二重丸である。

後半、ベートーヴェンの交響曲第7番。広上指揮のベト7は、京都市ジュニアオーケストラ、京都市交響楽団の演奏で聴いているが、いわゆる爆演(爆発的、熱狂的な音楽)になるのを極力抑えた演奏であった。
ただ、今回はN響の威力を表に出そうという意図があったのか、第4楽章などは結構ノリノリの演奏となる。なお、第2楽章と第4楽章で、N響の弦が耳慣れない透明な音を奏でる部分があったので、確認してみると、ヴァイオリンがビブラートを極力抑えて演奏しているのがわかった。ビブラートを少しはかけているので、ピリオド・アプローチではなかったが、ピリオド奏法の良い部分を取り入れた演奏であった。

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