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2013年12月 5日 (木)

コンサートの記(111) 春秋座オペラ2013 ミラマーレ・オペラ「ラ・ボエーム」

2013年9月3日および4日 京都芸術劇場春秋座にて

9月3日

午後5時から京都芸術劇場春秋座でプッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」を観る。「ラ・ボエーム」を室内オペラに改編し、若手のキャストを使った新演出での上演。構成・演出は第三舞台出身のオペラ演出家:岩田達宗(いわた・たつじ)。指揮は牧村邦彦。NPO法人ミラマーレ・オペラの企画・制作で、ミラマーレ室内アンサンブルという臨時編成の室内管弦楽団での演奏である。弦楽器、管楽器ともに5人という編成。これにピアノが加わる。編曲は倉橋日出夫。ミラマーレ・ヴィルトゥオーゾコーラスというこれまた臨時編成の声楽陣が起用されている。イタリア語の歌唱、日本語字幕付きの上演である。2階席であったが、春秋座は結構プロセニアムが高く、字幕はその上に出るので、2階席だと字幕が真正面になり、却って良かった。

今日、明日と公演があるが、キャストはアパートの管理人であるベノアと金持ちのアルチンドロの二役を演じる松山いくお以外は全て異なる。今日、ミミを歌うのは川越塔子。東大法学部を卒業後に武蔵野音楽大学大学院を修了したという変わり種である。ロドルフォは村上敏明、マルチェロは井上敏典、ムゼッタは柴山愛、ショナールは萩原次己、コッリーネは片桐直樹が演じる。

春秋座は歌舞伎上演を想定して作られた劇場ということで花道がある。今日は花道を使っての演出であった。舞台は中仕切り幕を取っ払ってしまい、奥まで見えている。舞台上には机一つに箱が二つだけ。花道では現代人の格好をした若者達(ミラマーレ・ヴィルトゥオーゾコーラスのメンバー)がだべっている。若い男が「さて始めるか」と言って、みなが舞台袖からベッドやらドラム缶(ストーブに見立てられる)やらを引っ張り出してくる。4幕構成であるが、それぞれの幕の前に、ミラマーレ・ヴィルトゥオーゾコーラスのメンバーによる朗読が入り、説明などを施す。

上から、屋根裏部屋の絵が描かれた幕が下りてきて、本編開始。臨時編成の室内オーケストラだが、牧村の統率力は高く、なかなかの演奏である。絵を描いた幕を下ろして背景を変える演出も面白い。歌手陣は歌唱はなかなかだが、若手揃いということもあって、演技は正直、合格点とは言えなかった。それでも魅せられるのはプッチーニの音楽の力ゆえだろう。

9月4日

午後2時より、京都芸術劇場春秋座で、プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」を観る。昨日と同じ、岩田達宗の構成:演出、牧村邦彦指揮ミラマーレ室内アンサンブルとミラマーレ・ヴィルトゥオーゾコーラスによる公演だが、キャストはベノアとアルチンドロの二役を演じる松山いくおの他は異なり、ミミに稲森慈恵(いなもり・よしえ)、ロドルフォに清原邦仁、マルチェロに東平聞、ムゼッタに古瀬まきを、ショナールに楠木稔、コッリーネに雁木悟が配される。

昨日、ミミを歌った川越塔子は東京大学法学部卒という異色の経歴を持つソプラノだったが(音楽家志望だったが、家族に反対されたので東大法学部に合格して黙らせたのかも知れない)、今日ミミを歌う稲森慈恵も院は京都市立芸術大学大学院を修了しているが、学部は京都教育大学の音楽科で、元々は教師志望だったのかも知れない。

演奏はほとんど昨日と変わらないが、キャストが異なるため印象は違う。演技力は今日のキャストの方が上のように感じた。

ミミ役の稲森慈恵は安定感があり、昨日の川越塔子は薄幸さが出ていて、共に違った良さがある。

ロドルフォの清原邦仁は長髪でジゴロ風情。歌声も若々しい。

コッリーネの雁木悟は、風貌が哲学者というよりも浮浪者のようだが、若く貧乏な哲学者なので、見た目が浮浪者のようであってもおかしくないだろう。

第4幕にあるおふざけの舞踏のシーンで、ショナール役の楠木稔は「ファンダンゴ」と歌いながら、歌舞伎の六方を踏んでみせ、客席の笑いを誘っていた。

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