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2013年12月26日 (木)

コンサートの記(116) 山下達郎 Performance2013 in FESTIVALHALL

2013年12月18日 大阪・中之島のフェスティバルホールにて

午後6時30分から、大阪・中之島のフェスティバルホールで、山下達郎のライヴを聴く。タイトルらしいタイトルはなく、「Performance 2013」とあるだけである。

山下達郎は旧フェスティバルホールの取り壊しに反対しており、「ここを取り壊すのはカーネギーホールやウィーン楽友協会を取り壊すのと一緒」とまで述べた。ただ、旧フェスティバルホールは経年劣化に加えて、耐震性の問題、また、客席によっては、オーケストラコンサートで指揮者の姿すら見えないなど問題点も山積しており、結局、取り壊された後で、同じ位置に再建された。新しいフェスティバルホールはエントランスのレッドカーペットの大階段など、「ハレ」の演出がされており、音響もよりクリアになった。

新しくなってからのフェスティバルホールに来るのは今日で4回目。エレキギターなど、電子楽器を使い、歌手がマイクで歌うという公演になると初めてである。開始5分前を告げるのは鳥の囀り音ではなく、ブザー音。確かに、鳥の囀り音を聞いた後で山下達郎が出てくるというのは変である。ポピュラーはブザー音、クラシックは鳥の囀り音と使い分けているのだろう。

異性の友人2人(共に私よりも年上である)も今日、山下達郎のライヴに来ることはわかっており、1階で落ち合う。2人とも新しくなってからのフェスティバルホールは初めてだそうで、自販機の位置を教えたり、3階にある1972年から1978年まで旧フェスティバルホールで使用されたピアノの展示、3階壁面にある旧フェスティバルホールの歴史パネルなどを共に見たりする。

2人は山下達郎のファンクラブに入っているので、ファンクラブ先行予約があり、1階席の前から10列目だそうだが、私は電子チケットぴあの先行予約に申し込んで当選して行ったものの、今日も3階席であった。山下達郎のファンは多いだろうからこれは仕方ない。

私が山下達郎の音楽を聴き始めたのは中学生の頃。山下達郎のアルバムでいうと『僕の中の少年』あたりからである。このアルバムは買っているはずである。だが、それ以前に、初めて買った8cmシングル(今は直径12cmのマキシシングルが当たり前であるが、以前は、シングルは直径8cmで出ていたのである)は、久保田利伸の「You were mine」と山下達郎の「クリスマス・イブ」であった。「クリスマス・イブ」は私がそれを買った翌年か翌々年にヒットチャート1位を獲得する。当時、JR東海が「クリスマス・イブ」をBGMとしたテレビコマーシャルを毎年冬に流しており、牧瀬里穂や深津絵里などはこのCMをきっかけに芸能界へと進出していくことになるのだが、評判を呼んだこのCMの影響はかなり大きかったであろう。また「クリスマス・イブ」は、発売からチャート1位に昇り詰まるまで最も時間が掛かったシングルとなった(6年6ヶ月。当時最長。それまでは「ラブ・イズ・オーバー」が最長記録であったという)。

山下達郎は明治大学法学部中退であるが、私が「明治大学以外の大学には行かない」と思った理由の一つに「山下達郎も明大だから」というのはあった。ただ、山下達郎のCDは買っていてもライヴを聴くのは今日が初めてである。私も男なので、やはり男性シンガーよりは女性シンガーを優先させたいという思いがあり、また歌声も女声の方が好きである。今回、山下達郎のライヴに参加しようと思ったのは、音楽好きとして、また明大の後輩として、山下達郎のライヴも1回は聴いておかなければと思ったのも事実であるが、フェスティバルホールの音響を確かめたかったという別の理由もある。フェスティバルホールの響きであるが、エレキの音も非常にクリアに客席まで届く。山下は「地霊の影響といいますか、同じ地に建つと、やはり同じような空気、同じようなライヴ感がある」と語っていた。

山下達郎の三原則は、1.テレビに出ない、2.武道館でやらない、3.本を書かないであるが、音響設計のきちんとされたところでないとやりたくないようであり、旧フェスティバルホールを「大きなライヴハウスのよう」と愛でていた。

山下達郎のライヴは「3時間ライヴ」と呼ばれており、上演時間が長いことでも有名であり、これについて山下本人はMCで、「まだ余り売れていない頃は、地方に行くと、『もうここに来ることはないかも知れない。なら思う存分やろう』」と思ったことに由来するのだが、山下達郎も還暦を迎え、今度は「またここに来られるかどうかわからないから思う存分やろう」に変わったそうで、結局、長いまま今日まで来てしまった。また、山下達郎は芸歴38年であり(私が1歳の時にデビューしたことになる)、その間、270曲を超える作品を作曲したため、ライヴでどの曲を採用してどの曲を落とすかに悩み、結局、長くなってしまうのだとも語る。

アルバム『僕の中の少年』に入っている「新・東京ラプソディー」でスタート。「僕は東京が好き」という歌詞を山下は「僕は大阪が好き」に変えて、拍手を受ける。ちなみに今日のギタリストは佐橋佳幸。松たか子の旦那さんである。

山下達郎は、これまではMCの内容を文章に書いて、それを一字一句間違えることなく頭に叩き込んで喋っていたのだが、今年のツアーからフリートークに変えたそうである。話しを聞いていて、かなり頭の回転の速い人だなという印象を受ける。

「スプリンクラー」など私の好きな歌も唄ってくれるが、「ゲット・バック・イン・ラブ」や「エンドレス・ゲーム」、「さよなら夏の日」などは歌われなかった。これついて山下は、「昔から(ライヴ)来ている方は、この曲はもう聞き飽きた、『OPUS』というベスト・アルバムを聴いて僕を知った一見さんは、この曲は知らないと、こちらが立てば向こうが立たぬということになるので、選曲には迷った」と語っている。私が挙げた曲目はいずれもセンチメンタルだったり、痛切だったりと、いずれも「アトムの子」のようなポジティブソングの真逆にあるものである。ちなみに「アトムの子」は歌ってくれており、中間に今年亡くなった、やなせたかし作詞の「アンパンマンマーチ」が挿入されていた。また、「ホワイト・クリスマス」「ラスト・クリスマス」「恋人がサンタクロース」「クリスマスがやってくる」などを旋律を微妙に変えてではあるが、メドレーで歌ってくれる。

山下達郎は、「最近、カバーアルバムが売れているが、どのアルバムを見ても歌っているのは有名曲ばかりでカラオケ状態」ということで、「山下達郎ならではのカバー」として、ビーチ・ボーイズの「God Only Knows」や、The Young Rascalsの「Groovin'」などを歌う。カバーは他に、アレクサンダー・オニールの「My Gift To You」、「Berra Notte」(山下達郎が生まれて初めて観た映画「わんわん物語」の挿入歌)、ジュディ・ガーランドの「Have Yourself A Merry Little Chiristmas」などが歌われた。「My Gift To You」は英語の歌詞が覚えにくいのであるが、iPodに入れて散歩しながら歌詞を覚えたそうである。

映画の主題歌「風と君へのレクイエム」であるが、ツアーで初めて弾き語りしたとき、その時はギターによる弾き語りだったのだが、大コケをしてしまったそうで、「ギター一本で弾けるような曲じゃなかった」と、今日はキーボードで弾き語りを行う。

山下が「ボーナス・トラック」と言って歌う。Kinki Kidsに提供した「硝子の少年」である。ベスト・アルバム『OPUS』では初回限定盤にのみ「硝子の少年」がボーナス・トラックとして収録されていた。ただ、この曲はいくら自身の作曲だからといって、還暦を迎えた人が歌うとやはり変な感じになるのは否めない。歌自体は山下の方が上手いのだが、松本隆が書いた歌詞の内容を考えると、やはり若い人が歌った方が説得力がある。

今のシーズンにピッタリの「クリスマス・イブ」はアンコールの第1曲として歌われる。最もポピュラーな山下達郎の曲だけに、歌声を聴くと、「ああ、山下達郎も年か」とすぐ気付くほど声も老いていることがわかる。

山下達郎は、12月24日にフェスティバルホールでコンサートを行おうかと思っていたのだが、スターダストレビューに先に取られてしまったと語り、笑いを取る。更に、公演パンフレットの内容が充実していることを語り、「パンフレットというより冊子です。他のアーティストの場合、パンフレットを買っても写真ばかりで、『なんだ、この内容でこんなに高いのかよ』と思われるでしょうが、僕の場合、写真を載せますと誰も買いませんので」と自虐ネタをやり、大受けの聴衆を見て、「みんな大笑いしすぎ」などと語って更に笑いを取った。

大阪の聴衆はノリノリであり、今日もクラッカーが一斉に鳴らされるなど、山下達郎をして「流石、大阪」と言わしめるほどに盛り上がる。上演時間は3時間どころか、3時間半近くに及んだが、「また、フェスで山下達郎のライヴが聴きたい」。そう思わせてくれるコンサートであった。

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