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2014年1月 8日 (水)

コンサートの記(121) 広上淳一指揮新日本フィルハーモニー交響楽団ニューイヤーコンサート2014 in 三重

2014年1月4日 三重県津市の三重県文化会館大ホールにて

三重県文化会館大ホールで午後4時から広上淳一指揮新日本フィルハーモニー交響楽団ニューイヤーコンサート2014を聴く。
曲目は、前半が、ヨハン・シュトラウス2世の喜歌劇「こうもり」序曲、同「こうもり」より“田舎娘の役ならば”(ソプラノ独唱:安井陽子)、ヨーゼフ・シュトラウスのワルツ「オーストリアの村つばめ」、ヨハン・シュトラウス2世のポルカ・シュネル「雷鳴と電光」、オッフェンバックの歌劇「ホフマン物語」より“森の小鳥は憧れを歌う”(ソプラノ独唱:安井陽子)、ヨハン・シュトラウス2世の「皇帝円舞曲」。後半が、エドゥアルト・シュトラウスのポルカ「速達郵便で」、ヨハン・シュトラウス2世のワルツ「春の声」(ソプラノ独唱:安井陽子)、リムスキー=コルサコフの「スペイン狂詩曲」より“変奏曲”、ボロディンの歌劇「イーゴリ公」より“ダッタン人の踊り”。

司会は東北放送アナウンサーを経て、現在はホリプロ所属のフリーアナウンサーである田添菜穂子(たぞえ・なほこ。「なほこ」は「なおこ」ではなくそのまま「なほこ」と発音する)。田添は新春らしく着物姿で登場する。

京都市交響楽団のニューイヤーコンサートでは女性奏者はドレスアップするのが恒例であるが、新日フィルの場合はそういったことは一切なし、全員、黒を基調とした衣装であった。

喜歌劇「こうもり」序曲。軽快な演奏を聴き慣れているだけに、フルオーケストラによる重厚な出だしに、「重すぎるのではないか?」とも思ったが、軽やかな旋律などでは典雅な表情を見せて一安心である。新日フィルの音であるが、やや渋め。いぶし銀のような渋さである。京都市交響楽団のクリアな音色とはまた別の良さがある。

ソプラノ独唱の安井陽子であるが、安定した歌声。コロラトゥーラはまずまずで抜群に上手いというわけではないが、声質も表情付けも良かった。オッフェンバックの歌劇「ホフマン物語」では、機械仕掛けの人形オランピアのアリア“森の小鳥は憧れを歌う”では、ASIMOのようなギクシャクとした動きをしながら歌う。途中でねじが切れて動きが止まり、打楽器奏者がねじを巻いて歌い出すというオッフェンバック一流のギャグもある。「春の歌」では、モーツァルトの歌劇「魔笛」でパパゲーノが吹く魔笛の音色を模す場面で広上とタイミングを計りながらユーモラスな歌唱を展開した。

広上指揮の新日フィルは、いずれの曲でも高水準の演奏を聴かせたが、激しさと軽快さの同居する「雷鳴と電光」、爆発力がものをいう「イーゴリ公」より“ダッタン人の踊り”が特筆すべき出来映え。前者での打楽器の思い切った強奏、後者の盛り上げ方の巧みさなどは広上ならではの演奏だ。“ダッタン人の踊り”では豪快であると同時に詩心の表出に長けており、澄み切った音楽が泉のように湧き出るのが見えるかのようだった。

アンコール。田添菜穂子の紹介で広上淳一が登場。広上は、「年を取ると物忘れが激しくなるので、このまま帰ろうとしてしまった」と語り、「でもこれをやらないとニューイヤーコンサートでは駄目でしょう」ということで、ヨハン・シュトラウス2世のワルツ「美しく青きドナウ」と、ヨハン・シュトラウス1世の「ラデツキー行進曲」が演奏される。「美しく青きドナウ」なチャーミングな佳演。オーケストラに演奏を任せて、広上は主に拍手係をした「ラデツキー行進曲」も楽しい演奏であった。

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