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2014年2月 1日 (土)

コンサートの記(122) 三ツ橋敬子指揮関西フィルハーモニー管弦楽団 「21世紀の新世界」2014

2014年1月11日 大阪・福島のザ・シンフォニーホールにて

午後2時からザ・シンフォニーホールで、「21世紀の新世界」という演奏会を聴く。毎年1月にザ・シンフォニーホールで行われている演奏会で、年末の「21世紀の第九」と年始の「21世紀の新世界」で一セットと考えていいだろう。余談であるが、元日にドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」を聴く習慣を始めたのは私個人の方が早い。ただ、同じようなことを考える人もいたのだろう。

演奏は、三ツ橋敬子指揮の関西フィルハーモニー管弦楽団。

プログラムは、ドヴォルザークの「スラヴ舞曲」より第1番、第8番、第15番、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」(ピアノ独奏:松永貴志)、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」

山田和樹、川瀬賢太郎と共に「日本人若手指揮者三羽烏」の一人に挙げられる三ツ橋敬子。東京藝術大学大学院音楽研究科指揮専攻を修了後、ウィーン国立音楽院(ウィーン国立音楽大学)とイタリアのキジアーナ音楽院に留学。2008年にアントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクールで日本人、また女性して初の優勝。同コンクール最年少での優勝というおまけまでついている。

私は京都コンサートホールで、三ツ橋が京都市交響楽団を指揮したコンサートを聴いたことがあり、オーケストラを鳴らす術に長けた指揮者という印象を受けている。

京都コンサートホールで聴いた時は三階席でステージから遠かったのでわからなかったのだが、今日のように1階席で聴くと、三ツ橋が小柄な女性であることに気付く。一応、ハイヒール(といっても踵の部分のしっかりとしたもの)を履いているのだが、それでも、同じくハイヒールの女性奏者と比較しても明らかに背が低い。男性奏者の横に立つと大人と子供のようである。おそらくステージ上にいる人間で一番背が低いのは三ツ橋であろう。

そんな小柄な三ツ橋であるが、引き出す音楽は張りがあって、スケールも大きい。前回に見たときと同様、指揮棒を握っていない左手が雄弁であり、時には指揮棒を手にした右手よりも左手の方がものを言っていることもある。また、体をくねらせて音型を示す指揮姿が特徴的である。「将軍と指揮者にだけは女性はなれない」と言われていたが、最近は女性の指揮者も増えた。女性指揮者のコンサートを聴く機会も増加しつつあるが、多くの指揮者は男性指揮者と同じような指揮をする。三ツ橋の指揮はそれらに比べて女性独自の指揮法といった印象を受ける。

ドヴォルザークのスラヴ舞曲では、いずれも勢いがありながら端正という演奏を聴かせる。

「ラプソディ・イン・ブルー」のピアノ独奏者である松永貴志は、1986年生まれの若手。ジャズのピアニストであり、17歳でメジャーレーベルからデビュー。翌年にはマイルス・デイヴィスが持っていたニューヨーク・ブルーノートでの最年少リーダー記録を塗り替える公演を行っている。クラシックではガブリエル・タッキーノと2台のピアノ用に編曲された「ラプソディ・イン・ブルー」を演奏している。

松永は、特にカデンツァで即興をバリバリに取り入れたピアノを披露。三ツ橋指揮の関西フィルも力強い演奏を展開して、情熱的な仕上がりとなった。

松永はアンコールとして、自作「オープンマインド」と即興演奏を披露する。

メインであるドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。
関西フィルハーモニー管弦楽団はオーケストラとしての歴史も浅く、力強さも今一つの楽団であるが、三ツ橋は関西フィルから密度の濃い響きを引き出す。細部から丁寧に積み重ねていく音楽作りであるが、三ツ橋の指揮がリズミカルということもあり、推進力にも欠けていない。第2楽章の仄暗い抒情性は独特であり、第3楽章、最終楽章の立体感も見事である。
金管がいささか弱く、第1楽章では、三ツ橋は、トランペットなどに更に大きな音を要求したが、関西フィルの奏者の肺活量ではそれは無理なようで、三ツ橋が望むような音は出せなかったのが残念である。ただ第4楽章などでは金管も健闘していた。

今年初の「新世界」交響曲の演奏として納得のいくものであった。

アンコールはヨハン・シュトラウス一世の「ラデツキー行進曲」。三ツ橋はスタートの合図だけして、しばらくはオーケストラに演奏を任せ、客席の方を向いて拍手係を担当する。ラストでは関西フィルをしっかりと振って、見事なラストを築いた。

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