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2014年2月18日 (火)

コンサートの記(124) 長岡京室内アンサンブル「ニューイヤーコンサート」2014

2014年2月8日 京都府長岡京記念文化会館にて

午後3時から京都府長岡京記念文化会館で、長岡京室内アンサンブルのちょっと遅めの「ニューイヤーコンサート」を聴く。オール・モーツァルト・プログラムである。

長岡京室内アンサンブルは、1997年に、ヴァイオリニストで当時リヨン国立高等音楽院の助教授や京都フランス音楽アカデミー音楽監督でもあった森悠子が母方の実家のある長岡京市に戻り、歯医者に掛かっていたところ、歯科医師から「地方発信のアンサンブルというものが出来ないだろうか」という提案され、それに応えて弟子や、森が「この人と演奏してみたい」という人を揃えて結成された。
非常設団体であり、メンバーも毎回同じというわけではない。メンバーは国内外のプロオーケストラに所属していたり、ソリストとして活動していたり、教育者だったりと、ホームグラウンドは長岡京室内アンサンブルの他に持っている。

長岡京室内アンサンブルはこれまでは、弦楽アンサンブルであったが、昨年からは管楽奏者も加え、より幅の広い演奏活動を行うようになっている。今日も管楽器は活躍する。

メンバーは前回聴いた時と比べると若返っており、森悠子一人がお婆ちゃんで、祖母と孫達のアンサンブルのように見える。中でもヴァイオリン奏者で輝かしいコンクール歴を持つにも関わらず、現在、京都府立医科大学3年生という石上真由子(いしがみ・まゆこ。「いそのかみ」ではないが関係はあるのかも知れない)は異色である。そういえば、広上淳一が、以前、京都市ジュニアオーケストラの中に「お医者さんを目指している子もいる」と語っていたが、それがひょっとしたら石上真由子だったのかも知れない。

前半は、いずれも弦楽合奏によるプログラム。セレナード第6番「セレナータ・ノットゥルナ」と弦楽四重奏曲第1番「ローディ」(弦楽合奏版)。

配置が独特である。本来コンサートマスターがいるべき舞台下手手前にはチェロ奏者がいる。その後ろに森悠子、その横にはヴィオラの増永雄記といった風に、配置がバラバラであり、誰がコンサートマスターなのかすらわからない。結局、コンサートマスターは、舞台上手から二人目の高木和弘(先月の、いずみシンフォニエッタ大阪でもコンサートマスターであった。リヨン国立高等音楽院とシカゴ芸術大学音楽院で森悠子に師事)であった。

今日は、ステージ上やステージ上方にマイクがセットされている。長岡京室内アンサンブルは、モーツァルトの作品をCDリリースする予定であり、今日、そのライブ録音が行われるとのこと。なお、前日にはスタジオ録音も行われており、完成度の高い方が選択されるため、録音は行われるが、今日収録されたものがリリースになるのかどうかはまだ未定である。また長岡京市に本社のある村田製作所が全面的にバックアップしてくれたとのこと。

二曲とも切れ味鋭い演奏であるが、温かみにも欠けていない。森悠子が古楽器演奏にも詳しいということもあり、ピリオドを少し意識しているようで、ビブラートは目立つほど抑えてはいないが、ボウイングがピリオド風であり、また「セレナータ・ノットゥルナ」で使われるティンパニも古楽風の硬い音色のものを使っていた。

ピリオド・アプローチというと、15年程前に初めて耳にしたときには「へえ、面白い演奏もあるなあ」などと思っていたのだが、今ではピリオド・アプローチは「正統」と言っても過言ではないほどに広まった。

後半、「カッサシオン」ト長調。
モーツァルトというと「天才」「神童」というイメージが先走りしやすいが、こういった若い頃に作曲された音楽を聴くと、バロック音楽などをよく勉強してスタイルを自作に取り入れていることがよくわかる。

ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調 K.364。ヴァイオリン独奏は安紀ソリエール、ヴィオラ独奏は成田寛。
安紀ソリエールは、パリに生まれ、7歳から森悠子にヴァイオリンを師事したという人。長岡京室内アンサンブルの創設メンバーの一人でもある。現在はヨーロッパ室内管弦楽団のメンバーであり、ルツェルン祝祭管弦楽団のメンバーとして、先頃亡くなったクラウディオ・アバド指揮での演奏もしていた。

成田寛は、東京フィルハーモニー交響楽団首席ヴィオラ奏者を経て、現在は山形交響楽団首席ヴィオラ奏者を務めてある。

演奏前に、森悠子によるアナウンスがあり、「今日は弦楽カルテット4つという編成で演奏してみました。15世紀、16世紀にはオーケストラは様々な編成で演奏してきました。テレマンなども様々な編成を試みています(森悠子はバロック時代の音楽やそれ以前の音楽を頻繁に取り上げていたフランスのパイヤール室内管弦楽団の元メンバーである)。それがいつ、現在のような形になったのかはわかりませんが、この曲は普通のスタイルで演奏したいと思います」といった内容が語られた。配置は古典配置である。コンサートマスターは引き続き高木和弘だが、高木はフォアシュピーラーの座に陣取った森悠子が弾くのを確認してから入るところがいくつかあり、実質的には森悠子がコンサートミストレスである。

強弱の付け方が他の楽団のそれより激しいのが長岡京室内アンサンブル流のようである。安紀ソリエールも成田寛もそれぞれも持ち味を生かしていたが、個性を存分に発揮するというよりは、アンサンブルの一員となって整った演奏を築き上げることに力を入れたようだ。
第2楽章のメランコリズムの表出が特に良い出来だったように思う。

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