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2014年4月25日 (金)

これまでに観た映画より(64) 「白ゆき姫殺人事件」

2014年4月24日 MOVIX京都にて鑑賞

MOVIX京都で、「白ゆき姫殺人事件」を観る。「告白」を皮切りに発表した作品が次々と映像化されている湊かなえの原作。中村義洋監督作品。出演:井上真央、綾野剛、蓮佛美沙子、菜々緒、金子ノブアキ、貫地谷しほり、小野恵令奈、谷村美月、生瀬勝久、朝倉あき、ダンカン、秋野暢子、大東駿介、小沢文晃、染谷将太、TSUKEMEN(ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノのトリオ。芹沢ブラザーズとして出演)ほか。

長野県が舞台。諏訪市にある観光地・しずく谷の山奥で、茅野市に本社のある「日の出化粧品」のOL、三木典子(菜々緒)が滅多刺しにされた上に火を付けられ、黒焦げの死体となって発見されるという残虐事件が発生する。その余りに残酷な殺害方法から、事件は怨恨によるものと見られた。
地元のテレビ局で契約ディレクターとして働く赤星雄治(綾野剛)は、仕事中もツイッターでラーメンの批評をつぶやく(ハンドルネームはRED-STAR。そのままである)など、勤務態度が良いとはいえない男だが、元カノで今もダラダラと関係を繋げている狩野里沙子(蓮佛美沙子)が、被害者である三木典子と同じ日の出化粧品の社員であり、しかもパートナーという先輩後輩で教え合う極めて親しい間柄だったと知ったことから、関係者への取材を開始。里沙子は城野美姫(井上真央)という、社内でも存在感の薄い女性が犯人ではないかと疑い、美姫の後輩パートナーである満島栄美(小野恵令奈)も城野美姫には地味な容貌とは裏腹に思い切ったところがあることなどを打ち明ける。更に、美姫は社内恋愛をしており、篠山聡史(金子ノブアキ)に手作り弁当を渡しているなど、親密な様子が見て取れたという。だが、当の篠山は美姫との恋愛関係を否定し、三木典子とだけ恋愛関係にあったことを打ち明ける。
赤星は、得た情報をツイッターで拡散させ、城野美姫の名はネット上に広まっていく(赤星の想像を再現したシーンでは登場人物の服装が実際とは違っていたりする)。更に赤星が作った番組が放送されることで、美姫は「疑惑のSさん」として注目を浴びることになる。日の出化粧品のヒット商品が美白石鹸「白ゆき」であったことから、この事件は「白ゆき姫殺人事件」と呼ばれるようになる。容疑者の城野美姫は事件発生後、姿をくらませたままだった。

ミステリーではあるが、犯人や犯行手口は映画の半ばを過ぎた時点でだいたいの人にはわかる。ただ、この作品が描きたかったのは謎解きの面白さではなく、人間の内面の醜さである。事実ではないことを事実であるかのように話したり、自分だけが真実を知っていると傲ったり、他者の心よりも自分の興味を優先させたり、何でも自分が一番でないと気が済まないというエゴイズムがあったり、親友を自分でも気がついていない程度に見下していたり、病的な嘘つきだったり、計算高かったりと、人間と現代社会が生み出す醜悪さが描き出されている。ラストで出演者の心が通じ合う場面があるのが救いである。

この作品では、三木典子だけが絶世の美女で他は冴えない容貌の女性ということになっているのだが、出演しているのは若手一線級の女優陣であり、当然ながら美形揃いである。ということで、菜々緒以外は、わざと変な髪形にしたり、表情を乏しくして魅力的に見えないよう工夫した演技を行っていた。

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