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2014年6月 1日 (日)

コンサートの記(141) 「下野竜也 シューマン&ブラームス プロジェクト②」

2014年4月5日 兵庫県立芸術センターKOBELCO大ホールにて

午後3時から、兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホールで、兵庫芸術文化センター管弦楽団特別演奏会「下野竜也 シューマン&ブラームス プロジェクト②」を聴く。
下野竜也指揮兵庫芸術文化センター管弦楽団の演奏で、ロベルト・シューマンの交響曲全曲とブラームスの交響曲全4曲を聴くというプロジェクトの第2回目。

今日のプログラムは、ブラームスのピアノ協奏曲第2番(ピアノ独奏:河村尚子)とシューマンの交響曲第3番「ライン」という、人気作が並ぶものであり、チケットは完売である。

兵庫芸術文化センター管弦楽団は育成形のオーケストラであり、在任期間は3年であり、3年経つと卒業で新しい就職先や活動先を探すことになる。毎年オーディションがあり、国外でもオーディションを行うため、他の関西のオーケストラとは異なり、4月始まりではなく9月から6月までが1シーズンという欧米スタイルを取っている。
卒業したメンバーも演奏に加わることが多く、レジデンド・プレーヤー、アフィリエイト・プレーヤー、アソシエイト・プレーヤーという違いがよくわからない形で参加している。その他に、国内外からのゲスト・トップ・プレーヤーとスペシャル・プレーヤー(この違いもよくわからない)を招いており、第2ヴァイオリンに水嶋愛子(元バイエルン放送交響楽団)、ヴィオラにユルゲン・ヴェーバー(元バイエルン放送交響楽団首席)、チェロに西谷牧人(東京交響楽団首席。兵庫芸術文化センター管弦楽団OB)、コントラバスに黒木岩寿(東京フィルハーモニー交響楽団首席)、トランペットに佐藤友紀(東京交響楽団首席)、ティンパニに菅原淳(元読売日本交響楽団首席)が参加している。
コンサートマスターはベテランの豊島泰嗣。アメリカ型の現代配置での演奏である。

ブラームスのピアノ協奏曲第2番。赤いドレスで登場したソリストの河村尚子は西宮市生まれで地元出身のスターであるが、5歳の時に一家でドイツに渡っており、音楽教育も全てドイツで受けている。ドイツ生活が長いからなのかどうかは分からないが、歩幅が広く、ノッシノッシといった感じで歩く。

超絶技巧と閃き、巧みな表現力を兼ね備えた河村は今日も傑出したピアノを聴かせる。序奏で透明な音を響かせた跡で、あたかも鍵盤に襲いかかるかのような冴えたピアノを披露。聴き手を圧倒する。
単にメカニックが優れているだけでなく、第3楽章ではメランコリックで詩的な、イメージ喚起力抜群の演奏を展開。
最終楽章では、音の彩りも抜群であり、軽やかにスタートしたかと思いきや、超絶技巧で、鍵盤上に虹を現出してみせるなど、彼女しかなし得ないブラームス演奏を繰り広げた。

下野竜也指揮の兵庫芸術文化センター管弦楽団も健闘し、重厚感のある伴奏を聴かせる。

演奏終了後に、河村は、指揮者、コンサートマスター、フォアシュピーラーと握手を交わしたほか、指揮台の上を渡って、反対側にいるチェロ首席の西山牧人ともハグをするという変わった光景も見られた(ブラームスのピアノ協奏曲第2番では、第3楽章でチェロ首席奏者がソリスト並みの大活躍をする)。

シューマンの交響曲第3番「ライン」。
下野はテンポ、スケール共に中庸で演奏開始。やや大人しい感じを受けたが、尻上がりに調子を上げていく。指揮スタイルであるが、右手左手共にかなり忙しい。ちょっと振りすぎの気もする。
兵庫芸術文化センター管弦楽団は、その性質上、独自の個性というものは発揮出来ないのであるが、今日は下野の特徴である渋めのトーンを出しており、力も十分である。
下野は第4楽章と第5楽章で、管楽器群に巨大な伽藍を築かせることに成功。第1楽章と第2楽章は平凡であったが、帳尻あわせの出来となった。

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