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2014年7月23日 (水)

楽興の時(1) 第4回「葱や平吉・新内ライブ」

2014年6月18日 「葱や平吉」先斗町店二階にて

午後3時から、「葱や平吉」先斗町店2階で、第4回「葱や平吉・新内ライブ」を聴く。新内弥栄派の勉強会を兼ねた発表会である。

先斗町にはほとんど行くことがないが、店がどこにあるのか分かりにくい構造であることは知っているので早めに出掛ける。「葱や平吉」先斗町店は、龍馬通と四条通の丁度中間付近にあることだけが、インターネットの情報でわかる。
だが、龍馬通から先斗町に入って店を探しているうちに、四条通がもう目の間に来てしまう。通い慣れた通りなら中間付近が分かるのだが、そうではないので分からないのである。歩いていて、先斗町公園付近が中間らしいことはわかったのだが、店はやはり見つからない。というわけで30分近く先斗町をウロウロする羽目になる。ただ、その間に、昼間の地味な着物姿の舞妓さん(昼間に華やかな衣装で白塗りなのは観光客が扮装した偽舞妓である。元・先斗町の舞妓で、今は大阪で日本酒バーのママをしている女性が知り合いにいるのだが、彼女によると、五花街は舞妓体験を行っている会社に、観光客が扮した舞妓を花街に近づけないようお願いしているとのことだった)と何回かすれ違ったのが風情があって良かった。着物姿だったので、今夜も出番がある舞妓さんだと思われる。休日の舞妓さんは洋服で髪も下ろしているため、普通の女性と見分けはつかない。

先斗町から西隣の木屋町通が見える路地があるのだが、木屋町で、今日の主役である新内枝幸太夫師匠(新内弥栄派家元)がタクシーを降りたばかりであるのが見えるので挨拶に向かう。というわけで、私が師匠の荷物とキャリーバッグを運び、マネージャー代わりになって店に向かったのだが、師匠も店の位置をちゃんと覚えていなかったというオチがあった。

店の位置がわからなかったのは、「葱や平吉」だけ、看板がかなり高い位置にあったからであり、ガラス戸に店名が書かれていなかったからでもある。なぜ普通に見上げたのではわからないほど高い位置に看板を掲げているのかはよくわからない。

演目は、「古都の四季」、「新内流しと前弾き」、新内小曲「一の糸」、新内小曲「福助」、新内「蘭蝶」(上)、新内「蘭蝶」(中)、新内「瞼の母」、特別演奏「富本豊志賀(とよもととよしが)」

一応、上演時間1時間半の予定なのだが、にしては演目が多い。更にベテランなのは家元の新内枝幸太夫(しんないしこうだゆう)と名取りの新内幸子(しんないゆきこ)だけで、あとは新内を名乗れない修行中の人。というわけで調弦(チューニング)にも時間が掛かり、結局、上演時間は2時間半を超えた。

新内は元々は鴨川沿いを流していた。というわけで、邦楽は当然ながらクラシック音楽の用語は用いないが、敢えて使うと新内流しは4分の2拍子、アンダンテである。これで三味線を弾くとどんな音楽になるのか想像出来る人はいると思う。

午後5時からは宴会の予定で、正規の店員かアルバイトかはわからないが女の子達が2階に上がって来る。ただ、聴衆の多くは新内枝幸太夫の独唱を聴きたくて来ているため、かなり押したが、「富本豊志賀」が歌われる。三遊亭圓朝作の落語で、映画「怪談」(中田秀夫監督)の原作にもなっている「真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」の“豊志賀の死”の場を基にした新内である。新内はかなり高い声で歌われるため、普通の男性だとあのキーは出ないと思われる。

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