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2014年11月25日 (火)

コンサートの記(162) 大植英次指揮大阪フィルハーモニー交響楽団第481回定期演奏会

2014年9月26日 大阪・中之島のフェスティバルホールにて

午後7時から、フェスティバルホールで、大阪フィルハーモニー交響楽団の第481回定期演奏会を聴く。今日の指揮は大フィル桂冠指揮者の大植英次。

演奏曲は、マーラーの交響曲第6番「悲劇的」。大曲1曲勝負である。上演時間は約100分とあったので、「ああ、大植さんはこの曲でもスローなテンポを採るようになってしまったのかな」と思ったが、実際は、演奏時間は楽章間の小休止を含めて90分弱であったので、この曲の平均演奏時間である85分よりも短い演奏であった。ただ拍手が鳴り止まなかったため、席に座っている時間は100分を超えたが。

大植英次は、今から10年前に、ザ・シンフォニーホールで行われた大阪フィルの定期演奏会で、マーラーの「悲劇的」を指揮しており、私はその演奏を生で聴いている。快速テンポの名演であった。当日の演奏はフォンテックによってライヴ録音が行われ、今もCDで聴くことが出来る。

今日も10年前と同じく速めのテンポによるキビキビとした音楽運び。マーラーの交響曲第5番や第9番では異様に遅い演奏を展開した大植英次であるが、「悲劇的」では正攻法の姿勢を崩していないようだ。客席の方に向き直るのではないかと思うほど片手を大きく拡げて左右を向くのも10年前と変わらない。

この曲では、ハンマーが用いられ、ステージ上や舞台袖でカウベルが鳴らされ、舞台袖では鈴も鳴らされる。ステージ上でチェレスタが演奏され、ハープも身をかがめて弦の下の方を弾くという特殊奏法が行われたりする。

ハンマーやカウベルのような楽器以外のものがステージ上で鳴らされるのは初演時は珍しかったが、同時に奇妙なアイデアであるとして、カウベルなど楽器以外のものを鳴らすマーラーを描いた戯画(カリカチュア)も残っている。

マーラーは未完成のものも含めて全部で11曲の交響曲を書いているが、「格好良さ」という観点のみからいえば、交響曲第6番「悲劇的」はトップであろう。今から20年近く前になるが、プロゴルファーの丸山茂樹が出演した栄養ドリンクのCMでこの曲の第1楽章冒頭が使用されている。ただ、マーラーの曲は曲のパワーが強いため、余りCMや映画音楽などに用いられることはない。ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画「ベニスに死す」や、俳優の安藤政信が映画監督に挑戦した短編映画「アダージェット」(短編を集めて1本の映画にした『SF ステレオ・フューチャー』に収められている。主演:麻生久美子)でテーマ音楽として用いられた、交響曲第5番・第4楽章「アダージェット」は例外中の例外である。

師であるレナード・バーンスタイン同様、マーラーを十八番としている大植英次。今日も日本人指揮者と日本のオーケストラによるマーラーとしては最高峰の演奏が展開された。

演奏終了後、大植英次はオーケストラを立たせようとしたが、大フィルは大植が4度促しても敬意を表して立とうとはせず、大植一人が振り向いて喝采を浴びる場面も見られた。

今日は初めてフェスティバルホールの2階席で音楽を聴く。フェスティバルホールには10回以上来ているが、これまでは1階席か3階席かのどちらかであり、2階席で聴いたことはなかった。
フェスティバルホールの2階席はかなり良い音がする。ただ第4楽章の一部ではガサガサとという雑音のような響きが生まれてしまっていた。最初は「ビニール袋をガサガサやっているマナーの悪いお客さんがいるのかな?」と思ったが、音楽が加速すると同時に雑音もスピードを上げたので残響が妙な響きを生んでしまっていることがわかった。

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