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2014年12月 5日 (金)

コンサートの記(165) クリスティアン・アルミンク指揮 NHK交響楽団大阪公演2014

2014年11月10日 大阪・谷町のNHK大阪ホールにて

午後7時から、谷町四丁目にあるNHK大阪ホールで、NHK交響楽団大阪公演を聴く。元々はレナード・スラットキンが指揮するはずだった公演であるが、スラットキンが体調不良で来日不可となったため、新日本フィルハーモニー交響楽団の音楽監督として知られたクリスティアン・アルミンクが代役として指揮台に上がることになった。Facebookには、1週間ほど前に指揮者交代の記事が載ったが、それ以外のメディアではどうなったのかわからず、今日来て初めて指揮者の変更を知った人もいるかも知れない。

曲目は変更一切なしで、ウェーバーの歌劇「オベロン」序曲、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番(ピアノ独奏:オルガ・ケルン)、ブラームスの交響曲第4番が演奏される。

NHK交響楽団の今日のコンサートマスターは、ソロ・コンサートマスターの堀正文。第2ヴァイオリンの大林修子、チェロ首席奏者の藤森亮一、フルーツ首席の神田寛明などが、私がNHK交響楽団の定期会員(学生会員)だった頃から知っているメンバーである。オーボエ首席奏者の茂木大輔は今日は降り番で、もう一人のオーボエ首席奏者である青山聖樹(あおやま・さとき)が吹く。

ウェーバーの歌劇「オベロン」序曲。N響は弦に勢いと厚みと立体感があり、この曲に必要な適度な渋さも音色に滲ませている。アルミンクも躍動感のある音楽作りであり、まずは楽しませてくれる。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。ピアノ独奏のオルガ・ケルンはロシア出身の女流。2001年のヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝している。17歳で第1回ラフマニノフ国際ピアノ・コンクールに優勝という神童系ピアニストでもある。昨年、レナード・スラットキン指揮リヨン国立管弦楽団とラフマニノフのピアノ協奏曲全曲演奏会を成功させ、それを受けての今回のソリスト起用となったはずだが、肝心のスラットキンが指揮できなくなってしまった。

濃いグリーンとピンクのドレスで登場したケルンは、女流とは思えないほど重く強い音でピアノを奏でる。そして単にバリバリ弾くだけではなく、ラフマニノフがこの曲の封じ込めた憂いを一つ一つ咲かせていく。

第3楽章は緩急自在の演奏であり、フィギュアスケートのBGMにはなり得ないものであったが、それだけ音楽としては生命力に溢れたものとなった。

メインであるブラームスの交響曲第4番。
冒頭のため息に似た主題を適度な客観性を持って歌ったアルミンクは、この曲の構造を明らかにしていく解析力豊かな演奏を展開していく。木管の浮き上がらせ方や、弦と管のバランスの取り方の妙が面白い。
第1楽章のクライマックスでは極めて情熱的な演奏が展開されるが、数日前に聴いたサー・アントニオ・パッパーノ指揮ローマ・サンタ・チェチーリア国立管弦楽団のブラームスととは違い、重心が高めで高音がひりつくような音楽になるということはない。パッパーノは狂気を明らかにしてしまったが、アルミンクは寸前で抑えているように思える。
イタリア人というのは、指揮者もオーケストラもそうだが、音の重心がドイツ系の人達に比べると高いようである。「日本で最もドイツ的なオーケストラ」であるNHK交響楽団と比べてもやはり高い。

今日の演奏会は高いチケットしか手に入らず、2階席の2列目ど真ん中で聴いたのだが、丁度、指揮者が耳にしている音がそのまま飛んでくる席であり、NHK大阪ホールでの演奏とは思えないくらい良い音で聴くことが出来た。

灼熱のブラームスを演奏したアルミンクとN響。アンコールはウォルトンの弦楽のための2つの小品より「彼女の唇に触れて別れなん」。哀愁溢れる雅やかな小品であった。

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