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2014年12月 9日 (火)

コンサートの記(166) ラドミル・エリシュカ指揮 読売日本交響楽団大阪定期演奏会2014年10月

2014年10月28日 大阪・福島のザ・シンフォニーホールにて

午後7時から、ザ・シンフォニーホールで、読売日本交響楽団大阪定期演奏会を聴く。

読売日本交響楽団は大阪での公演に力を入れており、今年は3回の大阪定期演奏会を開催した。今日の指揮者はチェコの重鎮、ラドミル・エリシュカ。

エリシュカは大阪フィルハーモニー交響楽団への客演で超名演を聴かせているが、読売日本交響楽団への客演は意外にも今回が初めてになるという。

なお、元大阪フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターで、大フィル退団後は各地のオーケストラで客演コンサートマスターとして活躍していた長原幸太が、この10月に読売日本交響楽団のコンサートマスターとして正式に入団したようである。

曲目は、スメタナの歌劇「売られた花嫁」序曲、モーツァルトのピアノ協奏曲第21番(ピアノ独奏:河村尚子)、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」

エリシュカは、スメタナとドヴォルザークは暗譜による指揮。モーツァルトのピアノ協奏曲では老眼鏡を掛け、譜面を見ながら指揮した。

今日は前から6列目のほぼ右端。ザ・シンフォニーホールの中では音響今一つの席である。全体的に音が上の方に抜けてしまう感じがする。

スメタナの歌劇「売られた花嫁」序曲。スメタナというと連作交響詩「わが祖国」が飛び抜けて有名で、他のオーケストラ曲としてはこの歌劇「売られた花嫁」序曲、その他のジャンルで弦楽四重奏曲第1番「我が生涯」などが知られる程度である。

私も歌劇「売られた花嫁」序曲は、ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮バイエルン国立管弦楽団の演奏をCDで聴いたことがあるだけだが、エリシュカ指揮の読売日響は、ダイナミックで立体感溢れる演奏を行っていたように思う。

モーツァルトのピアノ協奏曲第21番。ピアノ独奏の河村尚子は出産後初ステージ。しかも、先月出産したばかりでもうステージに立つのだという。

6月に東京の、よみうり大手町ホールでのリサイタルと同じ、紺とピンクを基調としたドレスで河村は登場。出産後1ヶ月というだけあって、まだ体が重そうに見える。

モーツァルトのピアノ協奏曲第21番は、今月2日、HJリムの何を勘違いしたのかわからないがリストに挑むようなバリバリと弾く乱暴な演奏を聴いたばかりだが、河村はやはりきちんとしたモーツァルトの音でこの曲を楽しませてくれる。愛らしい音色を奏でるが、短調に転じた時の仄暗い響きが印象的である。カデンツァでは、モーツァルトの交響曲第40番第1楽章第1主題を奏でる独特のものが用いられていた。

室内オーケストラ編成で挑んだ読売日本交響楽団もエリシュカの指揮により典雅な演奏を展開した。冒頭でコントラバスが濁った響きを出したので「あれ?」と思ったが、ノリントンとチューリッヒ室内管弦楽団の弦楽が出す音が透明だっただけで、実際は読売日本交響楽団の演奏の方が普通なのだった。ピリオドも意識はしているが、モダンスタイルによる演奏である。ヴァイオリンなどはビブラートをいくぶん抑えていたようだが、ヴィオラやチェロなどはビブラートも盛大に用いていた。

アンコールとして河村は、モーツァルトのピアノ・ソナタ第12番より第2楽章を聴く。気高さと寂しさの同居した見事な演奏であった。

 

メインであるドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。エリシュカは札幌交響楽団と同曲を録音しており、名演だっただけに期待が高まる。

第1楽章は完全とはいえないように思う。エリシュカは格調高く、且つ情熱溢れた演奏をやりたいように見えたが、読売日響は熱い響きは奏でていたが、造形に関しては必ずしもエリシュカの棒に応えられてはいなかったようだ。

第2楽章は美しいが、エリシュカとしては平凡な出来。やはり読売日響とは初顔合わせだけに難しい部分もあるのだと思う。

エリシュカと読売日響が噛み合ったのは第3楽章から。スケール雄大で推進力にも富む演奏がようやく展開される。好調は第4楽章も続き、尻上がりの好演となった。

アンコール曲がある。ドヴォルザークのスラヴ舞曲第10番(スラヴ舞曲作品72の2)。しなやかな美演であった。

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